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rara🎼
nmmn注意⚠️ キャラ崩壊注意⚠️ 誤字脱字注意⚠️ 殺し屋パロ
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#10 交差点、沈黙が色を染める
東京の夜は、いつも通りに騒がしく、そしてどこか、ざわついていた。
誰かの足音、遠くのクラクション、濡れたアスファルトの匂い。
見慣れた喧騒の裏で、無言の火花が確かに散っていた。
六人の殺し屋たちは、それぞれの理由で、交わることのなかった路を歩いていた。
だが、この夜ばかりは違った。
すれ違いが、始まっていた。
繁華街の裏手。
高層ビルの影に隠れた、無機質なコンクリートの路地。
その奥で、赫は立ち止まった。
カフェの仕事を終えたばかりのなつ。
シャツの袖には、エプロンの跡がまだうっすらと残っている。
ポケットに指を差し入れ、拳銃の冷たい金属の感触を確かめる。
日常の皮を剥げば、彼の手のひらには、確かに死があった。
ふと、風の匂いが変わる。
誰かの気配が、空気を引き締めた。
# 瑞
後ろから声をかけたのは、瑞――こさめだった。
片手には折りたたまれた報告書の紙片。
顔には、いつもの整った無表情。
# 赫
互いに銃口は向けない。
だが、指先にかかる力は、決して油断とは無縁だった。
# 赫
# 瑞
# 瑞
静かに交わされる言葉。
どちらも感情を露わにせず、それでも過去の記憶が沈殿する。
# 赫
# 瑞
# 瑞
赫の目が細められる。
封じ込めていたはずの“あの事件”の残滓が、瑞の言葉に呼び起こされた。
# 赫
# 赫
# 瑞
# 瑞
二人の間を、湿った夜風がすり抜ける。
やがて赫が背を向け、瑞もまた、踵を返した。
残ったのは、言葉にならない殺気だけだった。
オフィスビルの屋上。
ビル風に吹かれながら、らん――コードネームは桃の彼は、煙草をくゆらせていた。
スーツのネクタイは緩められ、シャツの第一ボタンも外されている。
# 桃
誰にともなく呟いたその言葉に、タイミングを合わせるように非常扉が開く。
# 茈
出てきたのは、茈――いるまだった。
保育士の制服姿のまま、バッグだけ私服に変わっている。
# 茈
# 茈
# 茈
# 桃
# 桃
二人は肩を並べるように、屋上の柵に肘をかけた。
# 茈
# 桃
一瞬、視線が交差する。
らんは煙を吐き出し、茈はほんのわずかに唇を緩めた。
# 茈
# 桃
# 桃
冗談のように交わされる言葉の裏に、互いが互いを“敵”として意識している気配があった。
それでも、触れない。
なぜなら――まだ、その時ではないと知っているから。
地下鉄駅の連絡通路。
人気のない壁際に、翠――すちが立っていた。
スケッチブックを膝に置き、何かの顔を描いている。
表情は冷たく無表情。
それでも、その鉛筆の線には、どこか執念に似た執着があった。
# 翠
小さく呟いたその独り言に、返事はなかった。
だが、歩いてきた人物が足を止める。
黈――みことだった。
翻訳原稿の入ったトートバッグを肩にかけ、スマートフォンを見つめていた黈は、翠と目が合った瞬間、立ち止まった。
# 黈
# 翠
互いにコードネームで呼び合うのは、随分と久しぶりだった。
# 黈
# 翠
どちらの言葉にも、皮肉はあるが、侮蔑はない。
ただ、信用もなかった。
# 翠
# 黈
みことは肩をすくめ、翠は口角を上げる。
# 黈
# 翠
それだけを残し、二人は交差する。
すれ違いざま、互いに一歩も距離を詰めることはなかった。
けれど、確かに空気は張り詰めていた。
その夜、六人の殺し屋たちは、それぞれ、誰かとすれ違っていた。
それは偶然ではなく、必然でもない。
けれど確かに、あの夜だけは違っていた。
沈黙が、色を帯び始めていた。
赫、桃、翠、瑞、茈、黈。
交差点の中心で、静かに物語が回り出す。
命令ではない。
これは、意志だ。
この夜の空は、不自然なほどに晴れていた。
それが何を意味するのか――彼らは、まだ知らない。
#10・了
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𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ⇝♡110
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コメント
2件
皮肉言ってんのかっこいい…(?? なんか〇し屋って何言ってもかっこいいですね 翠黄は会話ではないけどお互いを貶してすれ違うのが解釈一致すぎる… あえて〇さないのいいね…闇って感じ(語彙力名無 最高です👍