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2 . 優しい世界
___ 終わった 、
こさめの高校生活 。
目の前に突きつけられた スマホの画面を見た時 、 こさめは 一瞬でそれを悟った 。
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呆然と固まるこさめに 、 なつくんは 更に決定打となる 言葉を叩きつけてくる 。
顔の高さに掲げたスマホを 、 こちらへ向けながら 。
こさめは 、返事をすることもできず ただその画面を見つめていた 。
クラスの人気者であるなつくんと こうして向かい合うなんて 初めてのことだったけど 、
今は その整った顔を 見ている余裕はなかった 。
#🍍N
なつくんのスマホに写っているのは 、 とあるSNSのアカウントのホーム画面 。
アイコンは 、淡い水色1色で 塗りつぶされた シンプルな画像で
その下には “ こさ 🦈 ” と表示されていた 。
おまけに さらにまた下には 短い紹介文 が 記載されていた 。
可愛いものが好き DM大歓迎
見覚えのある 、いや 目に焼き付いたアカウントを 目にしたことで 全身から急激に熱が引き 、 視界がぐらぐらと揺れるはじめる 。
まるで 足元から 世界が崩れていく音が 聞こえてくるかのように 。
昼休み 、一度も話したことの無い クラスメイトからいきなり
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なんて声をかけられた時点で 、 相当嫌な予感はしていた 。
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しかも相手は 、 本来はこさめなんか 絶対関わるはずのない部類の人 だったから 。
連れていかれたのは 、 誰もいない空き教室だった 。
教室に入るなり 、 ポケットからスマホを取りだしている なつくんの様子を目にした時にはもう 、
あぁ 、と 思い切り頭を 抱え込みたくなった 。
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答えないこさめに 、 なつくんが再度確認を繰り返す 。
語尾は疑問形ではなかった 。
なつくんは既に 、 このアカウントは “ こさめのもの ” だと 確信しているかのように 。
___ どうする 、どうする 、どうする 。
動揺で 、まともに 動かない頭で 必死に考える 。
しらばっくれるか 、
“ そのアカウントはこさめのものではない ” と 全否定するか 。
咄嗟に頭に浮かんだのは そのふたつの選択肢で 、 どちらの言葉を口にするか 、 第一声を迷っている間に
なつくんは 、スマホの画面を 自分の方へと向け 、 なにやら下の方へとスワイプしていた 。
すると 、再度 スマホ画面をこさめのほうへと向け なつくんは口を開いた 。
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なつくんが指さしたのは 、 とある画像 。
口元を 軽くスタンプで隠し 目元だけが写っているこさめの写真 。
どう見ても 、これはこさめだ 。
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軽く誤魔化すかのように 、 苦笑いしながら問いかける 。
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なんで数週間前のこさめは 、 こんな画像を投稿してしまったのか 。
今は 、恨んでも恨みきれない 。
自分の投稿をよく見てくれている フォロワーさんから
『 こさくん絶対かわいいじゃん ! 』 と言われ 、少し調子に乗った結果がこれだ 。
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変に誤魔化したりせず 、 ここは
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認めるのが一番良いだろう 。
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終わった 、と 頭の中に重たい声が響く 。
絶対にリアルの知り合いには 知られてはならなかったことが 、 今 こうして知られてしまった 。
最悪だ 。
死にたい 。
消えたい 。
塵になりたい 。
焦って 、頭の中でそんなことを考えている時 、 こさめは はっ と したかのように 口を開いた 。
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アカウントがバレてしまったのなら 、 次にするべき事はただ1つ 。
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#☔K
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これ程 、心の底から 誰かにお願いをするなんて 多分 、人生で初めてのことだろう 。
こさめの言葉を聞いたなつくんは 先程と全く変わらない表情をしている 。
あぁ 、これだけじゃだめだ 。
もっと 、もっと ... ッ
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気がつけばこさめは 考えるよりも先に 体が動いてしまっていた 。
目の前には床が広がっていて 、 膝には 冷たい感覚がある 。
それと同時に 頭上から 驚くかのようななつくんの声が聞こえてくる 。
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なつくんの驚くような言葉にも お構い無しに 、こさめは 土下座を続けた 。
床に額がつきそうな程 頭を下げ 必死に
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と 、連呼する 。
恥ずかしいだとか みっともないだとか そんな感情は 気にしている場合じゃなかった 。
とにかく 周りに広められたくなくて 必死だった 。
今 なつくんだけが知る こさめの情報を どうにかして ここで食い止めたかった 。
だって
だって 、
そうしなければ 、こさめは
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そういい 、差し伸べられた手を握り 、 立ち上がると 無表情のなつくんと 目が合ってしまった 。
その表情が妙に冷たくて どきっ とする 。
いつも教室でみていた 爽やかな雰囲気とは少し違い 、 一瞬怯んでしまったけれど 、
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それでも こさめの口からは 壊れたおもちゃかのように その言葉だけが 溢れてくる 。
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大袈裟ではなく 、 本心だった 。
“ それ ” が 公になるぐらいなら 、 死んだ方がマシだと 本気で思った 。
裸を見られるなんて ものじゃない 。
いうなれば それはこさめの
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今 、なつくんに知られている という事実だけでも 、 正直もう死ねる 。
クラスメイトで 、しかも人気者で 最も知られたくなかった相手だ 。
こうなればもう 、 せめてなつくんだけで 留められるよう 全力を尽くすしか 、
今のこさめに残された道は無い 。
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ふーん 、と呟いて なつくんはスマホ画面へと 目を落とす 。
無表情で 画面をスワイプしながら
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と 、なにかを確認するかのように 質問を重ねる 。
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死ねるほど 、と こさめができる限りの 力を込めて繰り返せば
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つかの間 、 何を言われたのか分からなかった 。
え 、とこぼれた言葉が 微かに震える 。
呆気にとられてなつくんの 顔を見つめるこさめに 、 なつくんは無表情のまま 。
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冗談のトーンではなかった 。
それぐらいは分かった 。
吐き捨てるように 続けたなつくんの口調も 表情も 、ぞっ とするほど冷たかった 。
いつもは爽やかななつくんの こんな表情を見るのは 初めてだった 。
思わず言葉に詰まったこさめに 、 『 まあ 』 と なつくんは 少し声のトーンを戻して 、
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と 、口にした 。
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今の本心そのものが 咄嗟に口に出てしまった 。
でも 、なつくんは それを遮るかのように 口を開いた 。
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前回の投稿 プロローグだけで はーと 300 超えてたのやばすぎませんか ... ほんとに有難い限りです ... 😭
コメント
4件
その代わりにてっなに!?え!なに! ええ 、めちゃ気になるんですけど!✨ 🍍さん ... なんかSNSが 嫌い、?みたいなの 、なんか過去とかが原因とかありそう ... そして 、表現力うますぎん、? 🦈くんの 膝をついて とか ,頭下げるとか,細か過ぎてわかりやすい .... 続き楽しみしてます!
これが無かったら多分べあがしんでた ((