chの色々詰め込んだ日常

僕が焼討ちしたことをきっかけに 鳥羽・伏見の戦いが始まったらしい

旧幕府軍が約1万5,000人 新政府軍が約5,000人

結果は新政府軍の勝利らしい

私と仙台藩、この場にいる他の東北の藩たちも 頭を下げ、必死に頼み込んだ

それからしばらくして 二人が戻ってきて同盟を組まないかと言い始めた

新政府に対抗する同盟。 仲間が増えるのは心強いし 僕は二つ返事で了承した

...それが、悲劇を招くことも知らずに

1868年 戊辰戦争

僕のところは本間家の協力もあって 連戦連勝で進んでいった

...けれど他のところは...

...

同盟の裏切りや寝返りが多発して

挙句の果てには米沢藩と仙台藩が 戦い方の違いで揉め始めて...

そこにはぼろぼろで 力なく笑っている会津藩がいた

そう言いながら

おもむろに刀を取り出して

その刃を

自分の腹に

刃が体を貫通するくらい突きつけた

そうして

血を吐いて動かなくなった

あの時の庄内藩の顔は 今でもよく覚えている

虚ろな目でただ語り掛ける

動かない会津藩の手を握って

生気がない目をこちらに向け 笑うように口を開き 淡々とそう告げた

こうして、戊辰戦争は終わりを告げた

あれから庄は一日中動かないことが続いた

たまに返事をしてくれる時もあるけど

大体は置物のように動かない

私は何を言えばいいのか わからなかった

幻覚を見ているのか、幻聴を聞いているのか 庄は独り言を呟く

私は、見ていることしかできなかった

そんなある日

政府がそんなことを言い始めた 恐らく、統治が今のままだと厳しいからだろう

最近は返事をしてくれることも増えてきた それが嬉しくて、私は急いで準備をした

廃藩置県が宣言された

色々ごたごたがあったけど 最終的には1道3府43県に落ち着いた

どうやら県になっても 私達の存在が無くなるわけではないらしい

それを聞いて私は少し安心した

あぁ

もう、何もかもが 遅かったな...

あれから時が流れ...

ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ

わぁ福島!いらっしゃい!!

突然悪いな、今時間あるか?

私は読みかけの本を閉じ そのまま自分の部屋に向かった

望んではいけない。

そう、それでいい 耐えるのは得意だから

目を閉じたときにこぼれた 一粒の涙

私は知らないふりをした