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蛇と山 下

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蛇と山 下

1 - 蛇と山 下

♥

40

2018年05月02日

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花菜

はぁ…

花菜

“あれ”を見るのは1年ぶりだなぁ…

花菜

今回も上手く行くといいけど…

沙羅

何じゃ、不安か?

花菜

沙羅…

沙羅

案ずるな、花菜よ

沙羅

いざという時は儂がおると言ったじゃろう?

沙羅

それに“不安”は良くない、奴に隙を見せるのと同じじゃ

沙羅

奴につけ込まれるぞ

花菜

うん

沙羅

去年も上手く行ったんじゃ、今年も大丈夫よ

花菜

分かってるよ

祖母

…花菜、そろそろ時間だ

祖母

隣の部屋へ行け、そこで待ち構えろ

花菜

うん…!

???

花菜

!っ…

沙羅

この咆哮…奴が来たようじゃの

祖母

ほれ、急げ

祖母

今なら奴はまだ山中だ

花菜

うん…

花菜

花菜

!あの影…去年の奴とは別格だ…!

祖母

去年の奴より大きいな

祖母

決して怯むなよ

花菜

うん…!

花菜

…掛介麻久母畏伎伊邪那岐大神筑紫乃日向乃橘

花菜

小戸乃阿波岐原爾御禊祓閉給比志

花菜

時爾生里坐世留祓戸乃大神等諸乃

花菜

禍事罪穢有良牟乎婆祓閉給比清米…

沙羅

ほほぉ、祝詞か

沙羅

懐かしいの、祓詞で場を清めるか

花菜

…給閉登白須事乎…

???

花菜

っ!

祖母

来たか

???

はぁあぁ…

???

山の穢れ、今こそ晴らそう…

花菜

やっぱり去年とは別物だ…

花菜

でも、怯んだら町へ行っちゃう…

花菜

急急如律令!

花菜

この者を結界に依って縛せ!

???

お、おぉ…!

沙羅

ほほぉ、あれだけの結界を張るか

沙羅

やはり優れた巫女じゃの…

???

お、おおぉお…!

???

花菜

!結界が破られる…!

祖母

あの結界でも抑えきれんかったか

???

忌々しい…

???

邪魔立てするか…!

???

花菜

!っ風が…

???

忌々しい巫女が…!

???

そこで伏しておれ…!

花菜

っ…させない…!

花菜

絶対誰も、殺させない…!

花菜

急急如律令!

???

ぐぅっ…!

祖母

再び結界を張り直したか

祖母

今のうちに縛して滅せ!

花菜

うん…!

???

させるか…!

???

花菜

!結界が…

???

その程度の結界なぞ何度受けても同じ事…!

???

この恨み…その身を以て晴らしてやろうぞ!

花菜

うぅっ…!

祖母

花菜!

祖母

???

!ぐぅっ…雷を呼ぶか…!

祖母

この身が砕けても町へは行かせぬ、この者も殺させぬ…!

花菜

おばあちゃん…!

???

!…祖母だと…?

???

そうか…貴様はいつぞやの巫女か…!

???

揃いも揃って忌々しい一族め…!

祖母

何とでも言うがいい

祖母

我ら一族は何としてもお前を止めるぞ

???

…おのれ…!

???

ならばこちらも容赦はせんぞ…!

???

祖母

ぐぅっ…雨風など…!

花菜

うぅっ…おばあちゃん…!

祖母

早く立て花菜!

祖母

早く結界を張り直せ!

花菜

う、うん…!

???

結界など効かぬぞ…!

祖母

!ぐぅおぉぉおっ…!

花菜

!うぅう…!

???

この程度で我が歩みを止めるな…!

祖母

ぐぅっ…おのれぇ…!

???

あぁ、そうだ…

???

あの時喰らった若僧は旨かったぞ、次はそこの巫女だ…!

祖母

!なっ…!

花菜

お、おじいちゃんの事…?

花菜

で、でも、負けるわけにはいかない…!

沙羅

ほほぉ、頑張っておるの

花菜

!沙羅…!

???

!貴様は…その気配、“蛇螺”か…!

???

どこぞの山に封じられていたはずが…何故ここにいる…!

沙羅

容易い事じゃ、解放されたんじゃよ

沙羅

その猿じみた姿…お前“沸沸”か

沙羅

久々に見たの~

沙羅

さて、“沸沸”よ

沙羅

ここで会ったが百年目じゃ、大人しく消えてもらうぞ

???

!なっ…

沙羅

花菜よ、もう一度結界を張れ

沙羅

こいつは儂がやる

花菜

う、うん!

???

!…小癪な…!

???

相手が“蛇螺”でも構わん、全てまとめて潰してやろうぞ…!

花菜

行くよ沙羅!

花菜

急急如律令!

???

また結界を…!

沙羅

“沸沸”よ、お前を滅するには決定的な一撃が足りないからな

沙羅

それを今くれてやろう

沙羅

ほれ

???

!な、あ、あぁ…!

花菜

巨大な雷…!

祖母

これなら奴をやれる…!

沙羅

さらばじゃ、“沸沸”よ

沙羅

???

!ぐあああぁあっ‼

花菜

!うぅっ…

花菜

!…き、消えた…!

沙羅

あれだけの雷じゃ、きれいさっぱり消えたじゃろうよ

花菜

…本当だ…消し炭になってる…!

沙羅

ははは、さて、終いじゃ終いじゃ

沙羅

ほれ、二人とも早く湯浴みしてこい

花菜

わ、どろどろ…!

祖母

ふん、お前に仕切られたくないわ

沙羅

何でもいいさ、早く入らんと泥だらけじゃぞ

祖母

……何故助けた?

沙羅

ん?

沙羅

お主は花菜が大事に思うておる者の一人じゃ

沙羅

まだ逝くべきではないよ

祖母

…心配されずともわしらはこの身を賭して祓う者

祖母

いずれ祓う中で命を落とす事になる

沙羅

確かに祓う者は皆そう言うな

沙羅

だが何より花菜がそれを望んでおらんからの

沙羅

家族思いの優しい孫の望みくらい聞いてやれ

祖母

…言われなくとも分かっておるよ

祖母

ここにはお前よりも長くいるからな

沙羅

ははは

沙羅

もう少し自愛しろよ

沙羅

さて、儂は一眠りするかの~

祖母

祖母

妖に心配されるとはな…

祖母

私も落ちたか…

翌日

沙羅

ふあぁ…

沙羅

よく寝たの~

花菜

おはよう沙羅

沙羅

おう、おはよう

沙羅

花菜、もっと寝てなくていいのか?

沙羅

昨日は寝ずの番だったし

沙羅

寝不足じゃろう?

花菜

ううん、いつもこれぐらいに起きてるからね

花菜

今日は帰る準備しないと…

沙羅

おお、そうじゃったな

沙羅

さて、儂も帰ろうぞ

祖母

もう帰るか

花菜

おばあちゃん…

祖母

次は来年だ

祖母

年が明けたらまた来い

花菜

うん、元気でね、おばあちゃん

沙羅

さて、そろそろ親父殿の迎えが来るじゃろう

沙羅

世話になったな

祖母

お前はもう来なくていいからな

沙羅

相変わらずじゃの~

花菜

もう…

花菜

じゃあまたね

祖母

ああ、気をつけて帰れよ

10分後

花菜

ただいま、お父さん

龍之介

ああ、上手く行ったか?

花菜

大変だったよ

花菜

もう少し頑張らないと

沙羅

あれはでかかったからの~

沙羅

儂ぐらいにならねば倒せんぞ

龍之介

何だ、お前も帰ってきたのか

龍之介

向こうに移したっていいんだぞ

沙羅

こっちも相変わらずじゃの~

沙羅

儂ぁどこ行っても肩身が狭いぞ

花菜

もう…帰ってきて早々喧嘩しないで

花菜

とにかく、ありがとね沙羅

沙羅

ん~?

沙羅

気にするな気にするな

沙羅

あれだけの結界を張れたんじゃ

沙羅

あとはもう少し攻撃する手立てを増やさんとな

花菜

うん…

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