???
俺が誰か知りたいか?

凛
……あぁ

体育
見りゃあわかる通り、俺の名は体育だ!!

体育と名乗る筋骨隆々の男はジャージを着用しており、片手には竹刀を手にしていた
凛
た、体育だと!?一番嫌われる要素がない教科じゃねぇか!!

はね
そうだぞ、むしろ好かれる教科だろ!!なんで闇落ちしてんだよ!!

体育
あぁ、かつてはそうだったさ

体育
俺は人気の教科にも良く挙げられていて、学生…特に小学生に人気だった

体育
ただ、最近ではかつてのように子供達が運動をしなくなったことによって、運動嫌いの子供から俺へのヘイトや文句が相次いでやってきた

体育
そして、その中にはお前らのヘイトも含まれている、アホ毛の女とメガネの女のお前らだ

ゆいちー
ギクッ…なんでわかってんだよ…

ソミ
ギクッ…なんで知ってんの…

体育
どうすればいいのかを考えた末、俺はいいことを思いついたんだ

体育
「暴力で支配する」やり方をな

体育
そうすることによって、体育に文句を言ってくる奴らの体力を無理矢理にでも上げることができる…完璧じゃないか!!

なぜなら、俺の好きな教科がここまで汚染されていることにショックを受けたからだ
ゆいちー
これだから体育は嫌なんだッ!!そんなやり方をしても運動嫌いが変わるわけないじゃん!!

運動ができず、体育に不満を持つゆいちーが大声を出して反論する
体育
根性のないお前に俺の何がわかる!!

すると体育は物凄いスピードでゆいちーの方へ向かい、でかい拳でゆいちーの腹を一発殴った
あまりにも殴るスピードが速すぎて、殴られたゆいちーは、向こう側の芝生まで吹っ飛んで行った
はね
ゆいちー!!

凛
おい、しっかりしろ、大丈夫か!?

ゆいちー
別に…こんくらいなんとも…

ソミ
…「キュアー」

ソミがそう唱えた瞬間、周りに白い光が生じ、ゆいちーのダメージは瞬時に回復した
ゆいちー
あれ!?な、治った!?

ソミ
いつの間にか…技、使えるようになってたから…

ゆいちー
ありがとう!助かった!

体育
(回復魔法を使ったか。それならばもう一発…!!)

絶対に平気じゃないゆいちーが立ち上がった瞬間、「これくらいなんともない」というゆいちーの発言に反応した体育が再びゆいちーに攻撃を仕掛けようとした
はね
うぉぉぉぉぉッ!!!!

はねがどこから手に入れたかわからない竹刀を持って体育を引っ叩いた
体育
ってぇ…って、お前!?なぜ俺の竹刀を…!?

はね
あぁ、お前が少し考えているうちに盗らせてもらったぜ

どうやら、あの竹刀は体育が持っていたものをはねが盗ったものだったらしい
凛
(だが、竹刀を取ったとしてもまだ、「拳」という武器をこいつにはまだ残っている)

凛
(さらに、相手は体育だ。相当な運動能力を持っているのに違いない…一番最初の敵だからって油断していくと本当にやられる…!!)

体育
ハッ…まぁいい…その竹刀を奪ったとしても、俺には直接奪えない武器があるんでなぁ!!

凛
なっ…どこ行ったあいつ!?

はね
まさか逃げたな!?おい、早く出てこいよ!!

体育
後ろだ

凛
な、まさか…

俺が後ろを振り向こうとしたその瞬間、奴は音速のスピードではねの顔面に向かって飛び蹴りを喰らわせようとしてきた
だが、俺はギリギリのタイミングで奴の足を両手で必死に押さえた
体育
俺の蹴りが止められた…!?中々やるじゃねぇか

凛
そんじょそこらの雑魚だと思って攻撃されちゃあ困るからな

凛
俺はかつてのお前の姿を取り戻すまでは戦い続けるからな

はね
おっ…凛、助けられちまったな。サンキュー

凛
お前を救おうとしたんじゃなくて、俺までに危険が及びそうだったから

はね
なんだこいつ、ツンデレかよ

凛
でもまぁ、当たんなくてよかっただろ?

体育
ハハッ(笑)言ったな?絶対にへばるなよ?

凛
当たり前だろ、バーカ
