主
塾内の児童室には重苦しい空気が流れていた
主
誰もが黙り込んでいた
主
目の前で人が殺されたのだから、無理もない
主
そんな中、紫がその空気を切り裂く様に言った
主
紫「...死んだ子、いや、大橋さんの事は残念だけど、私達も死んだら、大橋さんが報われない。全員死ぬより、そっちのほうがマシだ。」
主
煉華「はァ?」
主
赤髪の少女が苛立った様に言った
主
煉華「苗字しか知らねぇ奴の分も生きろだァ?ざけんなよ...赤の他人が死んだってどうとも思わねぇだろ!!」
主
彼女は里津 煉華(りつ れんか)。見ての通り、荒々しい少女だ
煉華が紫に怒鳴った
煉華が紫に怒鳴った
主
紫「その言い方はッ...」
主
煉華「お前は、ニュースとかで死人が出たときどう思った!」
主
紫「...!」
主
煉華「何とも思わねぇだろ!?見ず知らずの他人の分まで生きてられねぇよ。あたしは...優しくねぇんだよ」
主
煉華が言った
主
涼海「ふ、二人共...やめてよ...」
主
気の弱そうな少年が言った
主
煉華「うるせぇ!横槍刺してくんなや!」
主
涼海「ひぁっ...ごめん...なさい」
主
彼は清刃 涼海(きよは すずみ)。青髪に黒メッシュの、気の弱い臆病な少年だ
主
真凛「やめて」
主
水色髪の少女が言った
主
煉華と紫「!」
主
真凛「こんなことするだけ無駄...それに、もう消灯時間だよ」
主
彼女は神束 真凛(かみたば まりん)。ミステリアスで、天才児。小学受験をし、中学受験をするため入ったらしい
主
煉華「ッ...わーってるよ」
主
紫「そうだね...早く寝よか。教員が見回りに来るらしいし」
主
就寝中
主
紫「...」
主
紫は寝付けず、考え事をしていた
主
紫(この塾は一体何なんだ...異世界、とでも言うべきか。大橋さん...私は初めてだったけど、この中に彼の友人とかも居たのだろうか...何しろ、残された家族が報われない。...考えても仕方が無い。そろそろ寝るか。)
主
翌日
主
亜紀「ーーりー!ーかりー!」
主
紫「んぅ...」
主
亜紀「紫ー!!」
主
紫「うわぁっ!?」
主
亜紀「やっと起きたか、授業遅れちまうぞ!遅れたら何されるか分かんねぇから急ぐぞ!」
主
紫「あ、うん!」
主
蓮「本日は6月24日火曜日、一時間目は算数です。では、プリントを出しますので、名誉の為、頑張って下さい。」
主
亜紀(何が名誉だよ...)
主
数分後
主
心寧(...あれ?ここだけ、まだ習ってない...)
主
心寧(『次の数を素因数分解しなさい』...?素因数分解って何?)
主
終わりです