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なくしたあなた

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なくしたあなた

12 - "なくしたあなた"

♥

2,112

2023年12月12日

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⚠️ 今回めちゃくちゃ長いです。 書きたいところ詰め込んだらありえんくらいのタップ数(432)になりました。 (チャットノベルの読み方をタップにしてる人は大変かもです) それでもいい方はどうぞ ↓

kn

…ごちそうさま。

朝食を終え、俺はキッチンに行き食器を片付けた。

nk

あ!ぶるーくまってヤバい!!

br

またないよ~ん

kr

シャークん強くね!?

shk

もう手足治ればこんなもんよ

感覚が戻って、みんなは久しぶりにゲームしたり普通に話したり、 穏やかな時間を過ごしていた。

……まるで、何事もなかったかのように。

みんなが楽しそうにゲームをしている中、 俺はやはり心のどこかで罪悪感を感じ、 みんなとゲームする気が起きなかった。

kn

(……俺が、みんなと一緒にいていいのかな)

そんなどろどろとした重い感情が、胸を締め付ける。

sm

…?きんとき

kn

おわっ!?

後ろから突然声をかけられ、体が反射的に動く。

kn

びっくりした……

sm

あぁ、ごめん。驚かせたか

sm

…ゲーム、しないの?

彼はそう言って、ゲームをしているみんなの方を指差す。

kn

……うん、ちょっとまだ、気分悪くて

とっさに嘘をついた。

sm

…ふーん?

sm

顔色は良いけどな

kn

そ、そう?

sm

うん

……なんか…こいつと話してると、 何でも見透かされているような気がして変な気分だ。

kn

スマイルもあっち行ってきたら?俺は自室で寝てようかな

kn

(ちょっと今は、一人になりたい)

sm

わかった。お大事に

彼は淡々と言い放ち、みんなのいる方へ歩いていった。

それを見てから俺も、静かに階段に向かって歩いた。

部屋に入ると、俺はベッドに寝転んだ。

kn

(俺、あのときなんであんなことしちゃったんだろ)

俺はこの事件を通して今までの自分を振り返り、 少しずつ気持ち整理できるようになっていた。

kn

(そういえば、ぶるーくに対して過敏な独占欲を感じづらくなってる気がする)

彼が好きなのは今も前も変わらないが、 正気じゃなくなるくらいに嫉妬してしまうことがなくなった。

kn

(さっきもぶるーくがみんなとゲームしてても、
悔しいとかあまり感じなかった、かも)

多分、このぐらいがちょうど良い。

行き過ぎた愛は時に周りの人や自分、相手を傷つける。

俺は今回でそれが身に染みるように感じたのだった。

そして一人で全部背負うのは、あまり良くないのかもしれない。

かといって誰かに相談はすぐに出来ることじゃないし、 色んな人にホイホイ話してしまうのも良くない気がする。

kn

(やっぱり相談するのは……なかむとか、かなぁ)

俺はあの深夜の出来事を思い出した。

随分と情けない姿を見せてしまったが、 俺はなかむに話して良かったとは思う。

俺も踏ん切りがついたというか、 口に出すと気持ちがまとまっていったというか。

今日、なかむに相談してみようかな……色々と。

色んな考えを巡らせていたら段々瞼が落ちてきていて、 いつのまにか寝てしまっていた。

昼頃

kn

(めちゃくちゃ寝てしまった…)

俺はボサボサになってしまった髪を手でとかしつつ、リビングへ向かった。

リビングには、ソファーにぶるーく、シャークん、なかむが座っていた。

br

あ!きんとき起きた!

kn

うん、おはよう

br

もうお昼だよ~、きんさん

shk

また寝てたの?

kn

……昨日なかなか寝れなくて

shk

そっかぁ

shk

だいじょぶ?

kn

さっき寝てきたから、元気だよ

kr

昼飯もうちょいでできるからまってて~

キッチンの方からきりやんの声がする。

スマイルが見当たらないが、 彼もきりやんとキッチンに立っているのだろうか。

そんなまさか、思っているとキッチンから、食器の甲高い音がした。

kr

……うわ!スマイル、お前……そう置いたら、そうなるだろ

sm

…ごめん

スマイルの弱々しい声が微かに聞こえる

br

今日はスマイルもきりやんとご飯作るんだって

kn

へぇ

kn

珍しいね

br

ね~

shk

あ、そういえばぶるーく、あのさぁ…

br

なに~?

シャークんがぶるーくに話しかけるのを横目に、 リビングに漂う匂いを嗅いだ。

kn

(……いい匂い)

キッチンからはいい匂いが漂ってくる。

俺がリビングのテーブルの椅子に腰掛けると、ソファーに座っていたなかむが 俺に近付き小声で俺に話しかけた。

nk

きんとき、あの後ちゃんと寝れた?

kn

寝れたよ

kn

なかむは?

nk

バッチリ!

kn

あの、なかむ

kn

さっそくなんだけど、今日の夜…相談したいことがある

kn

……いいかな?

nk

…!うん、いいよ!

彼は嬉しそうな顔をして、頷く。

nk

みんな寝た後……は遅いか

nk

夕食後とか、どう?

kn

なかむがいいなら

nk

俺は全然オッケー

kn

じゃあ…夕方後で

kn

ごめん、よろしく

nk

わかった!

彼はそう言って笑うと、またソファーに戻っていった。

shk

なかむ、何話してたの?

nk

きんとき、昨日深夜起きてたのを見たから、ちゃんと寝れたかなって

shk

なかむも起きたの?

nk

うん、なんか目が覚めちゃってね__

なかむと入れ違いに、今度はぶるーくがこちらへ近付いてきた。

br

きんさん、具合はど?

kn

うん、大分よくなった

そもそも今日起きた時点でほとんど治っていたが……と思いながらも 俺はそう言って彼に笑いかけた。

br

良かった、

br

じゃあ今日の午後はいっぱい遊ぼうね!

kn

うん、いいよ

彼は無邪気に笑った。

俺はふと、もし感覚を戻さなかったら彼のこの笑顔は見れなかったのかな、 と思い再び馬鹿げたことをした自分を恥じた。

夕食後

みんなが夕食を食べ終えゆっくりし始めた頃、 俺はちらりとなかむの方を見た。

それに気付いたなかむが小さく頷くと、彼はシャークんに話しかけた。

nk

しゃけ、俺ちょっと今からコンビニ行きたいんだけど

shk

え、今から?

nk

うん、甘いもの欲しくなっちゃって……

shk

そんなの冷蔵庫にたくさんあるだろ

nk

おれ今スフレが食べたいの~!

shk

わかった、わかったから

nk

しゃけは行く?

shk

ん~、別にいいかな

nk

他の人は?

ここで俺が名乗り出て、自然に二人で話せる状況を作ろうというのが なかむの考えだった。

加えて、夕食後にコンビニ行きたがるやつはこの中には そうそうないだろうというのもなかむは予想していた。

なんとそれは彼の予想通りで、名乗り出る人はいなかった。

kn

じゃあ、俺も__

br

きんさん

俺が名乗り出ようとすると、ぶるーくがそれを遮った。

br

ちょっと、今から時間作れる?

br

二人で話したいことがあるんだけど

kn

俺は困って、なかむの方を見る。

彼は仕方ない、というような顔をして、 「行っていいよ」と声を出さずに口を動かした。

kn

うん、わかった

nk

じゃあ俺、コンビニ行って来まーす

kr

いってらー

shk

いってら

sm

らっしゃい

kr

え?らっしゃい?

sm

うるせ(ポカッ

kr

いたい!

なかむは本当に出掛けていった。

kn

(スフレって口実らしいけど、本当に買うのかな?)

俺は疑問に思いながら彼の背中を見送った。

br

きんとき

br

部屋行こ?

kn

あ…うん

kn

(話ってなんだろ)

俺は不思議に思いながら彼と部屋に入ると、彼が静かに呟いた。

br

きんさん

kn

ん?なに?

br

今回のこのみんなの感覚がなくなったのって

br

きんさんがやったんでしょ

kn

……え

血の気が引いていくような気がした。

br

みんなの感覚を奪って、みんなを騙して

kn

う…

……やめて……

br

ここのところずっと、嘘ばっかついてたんだね

やめて

br

まさかきんさんがこんなことするとは思わなかったけど

kn

やめ、て……

br

ん~?

kn

…やめて、おねがい

どうか、嫌わないで…

br

僕は責めてないよ?怒ってもないし

br

きんときを嫌う訳がない

kn

ほんとに…?

br

うん……あぁ、また泣いちゃって。ほんとにきんさんは泣き虫だねぇ

また、頭を撫でられる。

彼は、いつもと変わらない穏やかな表情で笑っていた。

kn

俺を……きらわないの?

br

うん、そんなわけないでしょ

br

安心して、僕はずっときんさんと一緒だから

彼の言葉に、いやに安心してしまう。

br

……でね、僕から一つお願いがあるんだけど

kn

…?

br

このこと、ずっと黙ってよう?

kn

え…?

br

うん、そのままの意味

br

きんさんがやったってこと、みんなに言わないで

kn

な、なんで…?

br

ん~……

br

それとも、俺のお願い聞けない?

彼は俺の目を覗き込んで、冷徹な笑みを浮かべた。

その笑顔に恐怖を覚えるのと同時に、見たことのない彼の表情に ゾクゾクしてしまっている自分がいた。

kn

//~~っ……わかった

br

ん、良い子だね

br

良い子にはご褒美をあげよう

彼はそう言って、俺の頬にキスをする。

突然のことに俺は驚き、自分の頬が火照って赤くなっていくのを感じる。

br

かわいいね、きんさん

br

…ずっと秘密だからね

br

誰にも言っちゃダメ

俺は素直に頷いた。

br

返事して

kn

//…はい

br

良い子

彼は今度は俺の唇にキスをした。

なんだか、頭がふわふわしてきた。

br

きんとき、

kn

うん?

br

このこと、なかむに相談しようとしてるでしょ?

kn

え、あ…

kn

(忘れてた…)

br

昼前の会話、ちょっと聞こえちゃった

彼はそう言って、いたずらっぽく笑った。

kn

あ…あの……ごめ…

嫌われるかと思って、思わずうつむき涙が出そうになる。

br

んーん、怒ってない。顔上げて

kn

んぐ…

両頬を彼の大きな手で掴まれ顔を上げられて、彼と目が合った。

br

でも、なかむには断っといて

br

相談しなくてもよくなったって

kn

うん、わかった

もう俺にはなんの躊躇いもなかった。

だって彼が側にいてくれるなら、なかむに相談なんて必要ないと思ったから。

br

じゃあ今からLINEで__

彼の声を遮るようにして、家のドアが開く音がした。

br

……帰ってきたのかな

kn

俺、なかむに断ってくるね

br

ん?あぁ……行ってきな?

kn

うん

俺はなかむに話してくるために、部屋を出た。

リビングには、コンビニから帰ってきたなかむがいた。

nk

ねぇ~~スフレなかったぁ~!!

kr

ドンマイ

shk

ほら、冷蔵庫にあるやつで我慢して

nk

うぅ……

nk

あ、きんとき!

彼は俺に気付くと、俺の近くまで来て小声で話始めた。

nk

きんとき、どうしよ

nk

二人だけになれる時間はもう今日はつくれないかも……

kn

ん、大丈夫だよ

nk

まぁ……しょうがないね、明日にでも__

kn

なかむ、やっぱり俺相談しなくてもいいや

nk

え……?

対して俺は、声をひそめることなく普段通りの音量で応えた。

kn

俺の中で解決したから、大丈夫。

kn

ありがとね

nk

え、きんときっ…

kn

俺とぶるーく、先寝てるね。おやすみ

kr

あ、おやすみ…

sm

おやすみ

shk

……なかむ……昼もきんときとこそこそしてた気がしたけど、相談ってなんだ?

nk

あ、えっと…

俺は早く彼の元へ戻りたくて、足早に部屋へ戻った。

nk

あ……きんとき……

shk

…もしかして、浮気……?

nk

えっ、違う!!それだけはほんとにないからっ!

shk

ほんと…?

nk

ほんとだよ!大丈夫だから…!

kr

……なぁ、なんかさっきのきんとき変じゃなかったか?

sm

俺もちょっと、思った

kr

相談とか言ってたけど、どうしたんだろなぁ

俺が部屋に駆け込むと、彼が待っていた。

br

おかえり

kn

ただいまっ…!

br

ちゃんと言ってきた?

kn

うん、断ってきたよ

br

お~、えらいえらい

br

おいで?

彼が腕を広げたので俺が近寄ると、彼はそのまま包み込んで俺の頭を撫でた。

kn

俺、良い子?

br

ん、良い子

kn

…ご褒美は…?

br

ん~……じゃあ、ちょっと我慢して

突然彼は俺の首に噛みつく。

kn

い"っ!?

彼は俺の首を吸い上げるようにして、音をたてた。

br

……はい、できた

kn

これ……

br

俺のものっていうしるし。

kn

…!!やった、

彼がそう言ってくれて、俺はもう幸せだった。

今までのことなんかどうでもよくなるぐらい、俺は彼がもっと好きになった。

kn

だいすき……

br

あはは、僕も

そのあとしばらくずっと、二人きりで幸せな時間を過ごした。

……やっと、全部終わった。

kn

ぶるっく…

br

なぁに?

kn

そろそろ、寝る…?

br

……んーん、寝ない

br

もうちょっと、遊んでから……ね?

kn

…?

br

大丈夫、こんどは痛いことしないから

彼を"本当の意味"で手に入れた。

全部、僕の思い通りだった。

僕はずっと、きんときがなかむたちに嫉妬しているのを知っていた。

br

暇じゃね?

kn

そうだね

shk

でもなにもしたくねぇ

nk

今日はもうのんびり過ごそ

br

え~なんかしようよ~ケチー(ポカッ

nk

ぶるーくが殴ったー!

br

www

kn

……

br

僕はこの時、彼が複雑な表情をしていたのを知っている。

br

(かわいいなぁ)

みんなに異変が起き始めたあの日、 僕は彼がやったのではないかと薄々気付いていた。

nk

シャークんが……シャークんが!

nk

助けて…

shk

俺、腕と足の感覚がなくなっちゃったんだ

kn

kn

なんで…?

br

(…なんか、白々しいな)

シャークんを心配する彼が、嘘っぽいような気がした。

nk

きんときは?

kn

俺は…

kn

特に何も。

nk

kn

おかしいよな、俺だけ何もないんだよ

kn

いやまず、こんなことが起きてるのがおかしいんだけど。

br

(嘘だ。)

僕はこの彼の言葉で、彼はずっと何かを隠しているということに気付いた。

そしてしばらくして、彼がやったことなのではなないかと思うようになった。

br

「家にいるみんな、大丈夫かな」

br

「置いて来ちゃったけど、きりスマコミュニケーションとれないよね?」

br

「何もないといいなぁ」

kn

……そうだね

僕はこの時、彼が悔しそうに下を向き、 服の袖を強く握っていたのを知っている。

br

(二人きりの時に自分以外の話が出て嫌なのかな)

br

(あぁ……わかりやすすぎるよ、きんさん)

kn

俺の連れに何か用?

kn

俺ら用あるから。じゃあね

僕はこの時、彼の足と手が震えていたのを知っている。

br

(手と足、ぷるぷるしてる。こわいだろうに)

br

(それでも助けに来てくれるなんて、かわいいな)

kn

だれ?あの人たち

kn

知らない人?

kn

急に話しかけられたの?

br

(すごい焦ってる)

br

(あぁ、そんな怖いかおしちゃって)

br

(僕は君以外なんてありえないのに。)

br

「知らない人」

kn

そう、

僕は彼が、僕に勝手にGPSを付けているのを知っている。

br

(動きが急に止まって、心配して戻ってきてくれたのかな?)

br

(ん~かわいい!!)

僕はみんなに、たくさん嘘をついた。

そして実は、あの日僕がみんなに伝えたことは、ほとんど嘘である。

きんときが発端だろうと踏んで、確かめることにしたのだ。

kr

……まぁ、無いとは言い切れないな

kr

実際、俺らが感覚を失ってるのが事実である以上、非現実的なことが起きてもまぁおかしくはないからね

br

「僕、許せないよ」

br

「もし誰かがこんなことやってたのなら。」

br

「そのせいで僕らは悩まなくていい悩みを抱えて過ごさなきゃならないなんて、」

br

「あまりにも理不尽だ。」

僕はこっそりきんときの方を見た。

kn

……

きんときは、まるでこの世の終わりかのような顔をして俯いた。

ここで僕は確信した。

br

(やっぱり本当に、全部君がやったんだね)

br

(本当にかわいいな)

br

(動機はおそらく、常日頃の嫉妬心からだろうなぁ)

br

(僕のためにこんなことまでしてくれるなんて、本当にうれしいなぁ)

僕はこの時、ついにやけそうになる顔に力を入れて、 にやけないようにするのに必死だった。

顔に力をいれていたら手も強張って震えてしまったのだが、 誰にもばれていないだろうか。

僕はあの日、彼が深夜に起きて一階のトイレで 吐き戻してしまったのを知っている。

その後になかむと二人で深夜の散歩へ行ったのも、知っている。

kn

…ぅえ

br

(起きて行ったの、ばればれだね)

なかなか戻らない彼に心配し始めた頃、誰かの部屋のドアが開いた音がした。

br

(誰だろう、)

br

(今下におりていったら、きんときと鉢合わせしそうだな)

僕は後を追おうか迷ったが、喋れない今の自分には 何もできることがないかと思い、しばらく待った。

すると今度は、家のドアが開いた音がした。

僕は慌ててスマートフォンを見る。

地図に表示された赤い点は、ゆっくり家を離れ始めていた。

そう、実は僕も彼に内緒でGPSを付けている。

監視しているのが彼だけではないことを、彼は知らない。

br

(そういうとこ、鈍いんだよなぁ)

僕はそのGPSを頼りに二人を追い始めた。

二人に気付かれないぐらいのところで、僕は茂みに隠れて聞き耳をたてた。

nk

ほら、今夜は……

br

(なかむだ)

彼ともう一人の人間がわかったところで彼の方を見てみると、 彼は泣いていた。

br

(きんとき、泣いてる……)

少し独占欲と嫉妬が生まれたが、我慢してじっと隠れた。

しばらく二人は話していて、僕は会話の内容も大体聞き取れた。

きんときがみんなの感覚を奪ったこと。

でもこれは、戻せるということ。

そして本当に、きんときは僕のためにこんなことをしてしまったということ。

そしていつか、みんなにちゃんと話して謝ること。

そこまで聞くと、二人はそろそろ帰りそうな雰囲気だというのを感じて、 僕は一足先に家に帰った。

先に帰って寝たふりをして待っていると、 きんときが静かに部屋へ戻ってきた。

散々泣いて、少し鼻をすすっている。

kn

ごめんね、ぶるーく……

彼はそう小さく呟くと、布団に入り寝息をたて始めた。

br

(かっ……)

br

(かわいい!!大好き!!)

僕はこのあとろくに寝ることができなかった。

何も全部が嘘だったわけじゃない。

急に喋れなくて驚いたり、あの日キッチンでなかむの前で泣いちゃったり…… 本当だったこともある。

でもきんときがやったという確信が強まる度、僕はみんなに嘘ついて、 騙して……全部僕が彼を手にいれるために動いた。

僕は、みんなを利用したのだった。

朝彼より早く起きた僕は、彼に依存してもらえるよういろいろ考えて、 実行してみた。

すると本当に、うまくいった。

全部、うまくいった。

彼は僕だけのもの。

kn

br

疲れちゃった?

kn

…ちょっと…

br

じゃあそろそろ寝よっか?きんとき

kn

うん……

彼に例の件を黙らせたのは、きんときが罪悪感に縛られるようにするため。

彼は真面目だから、いつしか本当のことをみんなに話すだろう。

そしたら、彼は立ち直っていくだろう。

今回のことを反省し、僕への"いきすぎた愛情"を抑えることになるだろう。

でもそんなことはさせない。

僕だけのきんとき。ずっと僕のことを考えて、苦しんでいてほしいから。

br

他の人に話したら、お仕置きしちゃうから

kn

…たとえば?

br

ん~そうだなぁ

br

しばらく口きかない、とかね

kn

!!やだ、

口で脅してるだけなのに、涙目になってしがみついてくる。

br

しないよ、きんさん良い子だもんね

kn

うん…!

kn

良い子にする……

kn

だから…きらいにならないで…?

br

ならない。ずうーっと、大好きだよ

kn

えへへ……おれも……

kn

じゃあ、もう寝よ?

br

うん

そう言って彼は、ためらいもなく僕の手を握り引っ張って、 ベッドに連れていこうとする

以前はこんなこと恥ずかしがって絶対やってくれなかったのに…

br

(あぁ、かわいい!!)

br

(僕だけのきんとき!)

普通の感覚を"なくしたあなた"は、とてもたまらなく愛しい。

彼はもう、僕なしでは生きられないだろう。

なくしたあなた

end

この作品はいかがでしたか?

2,112

コメント

16

ユーザー

ゲームの裏ボス的な黒幕だぁ…

ユーザー

えっっっつっっっつ最期にめちゃくちゃに狂わせてくるのやばいですね

ユーザー

は、は、好きぃぃぃぃ⤴︎! なんだろもう全部すきです!!!

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