片桐 翔
話してやるよ
片桐 翔
昔の記憶……
片桐 翔
あれは俺が12歳の頃だったな……
片桐 翔
俺が公園で散歩してる時に子猫が足元によってきたんだ
片桐 翔
その猫は衰弱寸前だった
片桐 翔
俺はご飯でも食べさせてあげようと家に持ち帰った
片桐 翔
すぐに返すつもりだった
片桐 翔
だけど……その子猫は親もいなくてカラスにでも襲われたらどうしようと考えたら
片桐 翔
怖くなって、親に説得して飼い始めた
片桐 翔
その猫がココアだ
片桐 翔
それでココアは健康にスクスクと育っていった
片桐 翔
ココアが大きくなって外で1人で遊ばせるようになった
片桐 翔
それでココアは夜になったらちゃんと帰ってくる
片桐 翔
これを毎日続けていた
片桐 翔
俺が中2の時だ
片桐 翔
俺はいつものようにココアを外に出した
片桐 翔
その日は帰ってこなかった
片桐 翔
だけど俺はココアはたまに返ってこない日があるから大丈夫だと思った
片桐 翔
だけど2日がたっても帰ってこなかった
片桐 翔
俺はついに探しに出た
片桐 翔
ココアがいつも来てる公園も神社もいなかった
片桐 翔
俺は探し続けた
片桐 翔
河原に行った時ココアがいた
片桐 翔
痩せ……細…ってて
片桐 翔
衰弱……しきってた…
片桐 翔
俺が……いけなかったんだ
片桐 翔
ココアを……見放したから
翔の目からは
大粒の涙がぼろぼろと溢れていた
こんな翔の顔みたことがなかった
私は背中をさすることしか出来なかった
夏実も泣いていた…
片桐 翔
俺が……悪いんだ…俺が……
片桐 翔
俺の……心の拠り所だった
全部を話し終えた時
白い光に包まれていた
藤田 春
翔、記憶が少し戻ったんだね…
藤田 春
良かった……
片桐 翔
夏実……か?
田中 夏実
え……
田中 夏実
私の事……思い出してくれたの?
田中 夏実
良かった……ヒック…ヒック
藤田 春
私のことも思い出してくれた?
片桐 翔
お前は、分からない……
藤田 春
そっか……
片桐 翔
学校の奴らは大丈夫か?
片桐 翔
○○と△△だったっけな、あと他の奴ら
藤田 春
大丈夫だよ!
藤田 春
うん……(๑o̴̶̷̥᷅﹏o̴̶̷̥᷅๑)
片桐 翔
なんでお前泣いてるんだよ
藤田 春
(そりゃあ、翔が私の事だけ思い出してくれないから)
藤田 春
(なんでよ)
藤田 春
なんでだろ?
藤田 春
フフっ、おかしいよね
藤田 春
なんで泣いてるかわからないなんて…
片桐 翔
ははっ、おかしな奴
藤田 春
(笑った……翔が…笑った)
藤田 春
(もっと見てみたい、翔が笑ったところ)
藤田 春
(私この気持ちわかった気がする)
藤田 春
(翔が好きなんだ)
田中 夏実
ありがとね、翔
田中 夏実
悲しい思い出話させちゃって……
片桐 翔
いいんだ、誰にも話せなかったから
片桐 翔
軽くなった
藤田 春
自分で抑え込まないようにね…
片桐 翔
そうだな…
藤田 春
(早く記憶戻って)
藤田 春
(翔……)
記憶のカケラは
後、2つ…
💛450で続き書きます