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獣の耳と尻尾を持つ人間、 獣化人。 人間と同じ食べ物を食べ、 人間と同じ生活をする。

だが、ある年、謎の 獣化人の人口爆発が起き 野良の(親のいない)獣化人 奴隷の獣化人 飢え死になる獣化人が 一気に増加した。

そんな獣化人として生まれた、 ナキという黒猫獣化人のお話…。

ミラム

ねぇナキ。
いい加減お客さんに
アピールしないと
あと一週間もしないで
処分されちゃうよ?

ミラム

みーんなアピールして
ご主人がばんばん
決まってるのに。

ナキ

…。
別にいい。

ミラム

ハァ…(ため息)
とにかく、明日の
全体保護会には
出てもらうよ。

ナキ

…。
(人が大勢来るところに
丸一日いるのか…
考えるだけで頭痛がする。)

俺はナキ。 黒猫の獣化人だ。

ここは親のいない、居場所のない 獣化人が強制保護されていて

15歳になる前に 自分の主人が決まらなきゃ 「処分」と言って 毒を注入されて殺される。

又は死ぬまで奴隷として働くことになる。 この法律は5年前、 ここの国の国王が作ったらしい。

俺は13。 あと一週間もしないで14だ。 なのになぜもうすぐ 殺されるかと言うと 嘘をついたから。

早く死にたくてしょうがない。 だから、ミラムに俺は14だと 嘘をついた。

この男はミラムと言う ここの院の仮主人。

他の院とは違って 虐待やこき使うことはしない。

ただ、自己責任で お客に自分を買ってくれと

アピールして 買ってもらわなくちゃならない。

処分されてしまうから。

そして明日の朝、 ミラムが言っていた 全体保護会に行くことになる。

ここにいる、俺以外の獣化人も 連れてかれる。

俺はもう、死にたい。 何回か自殺はしようとしたが 前の主人、そしてミラムに 止められてしまった。

ミラム

よしラストだよ。

(ラスト:1日で最後のお客。)

周りの獣化人

ざわざわ…

周りにいる檻の中の獣化人は 客の来る扉の方に一斉に見た。 ナキだけ背けた。

ガチャ

ふゆと

こんにちは。

ミラム

いらっしゃいませ。
ふゆと様。
電話で出たミラムでございます。

ふゆと

早速なんだけど…

ミラム

はい…?

ふゆとと言う客は ミラムにだけ聞こえる声で 何かを話し始めた。

周りの獣化人

ざわざわ…

犬の獣化人

何話しているんだろ。
俺のことだったりして…♥️

鳥の獣化人

いいえ!絶対私のことよ!
あんたなんかまだ新人でしょ!

ガヤガヤ…

豚の獣化人

しー!静かに!
怒られちゃうよぉ…!

周りの獣化人

ざわざわ…ざわざわ…

ナキ

ズキッ…
(うるさい…。頭が痛い…)

ミラム

…承知しました。今すぐに。

ふゆと

頼む。

ナキ

(決まるの早いな。あの男。
ざわざわ声もなくなったし、
ありがたいな…)

ミラムはミラムから見て 右側の檻の近くを歩いて ナキの檻の鍵を開けた。

ガチャ…キィー…

ナキ

…!?(え?)

ミラム

ナキ。新しいご主人よ。

ふゆとが頼んだのはナキだった。

すると、ミラムが入ってきて ナキに何かを打った。

プスッ

ナキ

うっ…(な、にを…)

ミラムはナキに 睡眠剤の入った注射を打った。 そしてナキはミラムの方に倒れ、 ミラムはナキを受け止めた。

ミラム

じゃあね、ナキ。
あなたは2度とここへ
戻ってくることはないわ。

ナキ

…?なん、でだ…

ミラムはナキの耳元で小さい声で 続きを言った。

ミラム

それと、
あなたが「今年で14」なのは
最初から知ってたわよ。

ナキ

…!
…ごめ、ん…
(眠)

ナキは薬の効き目で寝てしまった。 そして、ミラムはナキを抱っこして ふゆとのいる場所に戻り、 扉を出て閉めた。

黒猫獣化人と5人のお主人様 一話
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黒猫獣化人と5人のご主人様

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