イタリア
今考えても、唆る。
あの、恐怖と絶望に染まりきった顔。
なのに、逃げられない顔。
それでも、未だ向けてくる"憧憬"っていう感情。
"恋心"っていう感情。
"依存"っていう感情。
全てが美しくて、愛しくて、可愛くて、汚さずにはいられなかった。
_________僕は、あの日から狂った。
神聖ローマ帝国の崩壊。
そのときの君の顔。
瞳。
仕草。
表情。
僕が、世界の画家たちが描いた絵なんかより、ずっときれいだった。
あぁ、守れなくて申し訳ない、とは思ってたんだよ?
でも、それ以上に、
君が壊れるところを、もっと見たかった。
完全に壊れちゃうところだって、見てみたかった。
…でも、そうしたら、もう見れなくなる。
完全に壊れちゃう顔も確かに見たい。
でも、それは勿体ない。
だから僕は、ioは、やめた。
でも、その代わり。
寸前まで、完全に壊れる寸前までなら大丈夫、って思った。
だから裏切った。二回も。
だから敢えて監禁中は弱く振る舞った。そうしたら後でもっと壊れるから。
だから敢えて監禁後は許した。あの頃の君を否定した。
そうしたら、君の全てを否定できるから。
君が、もっと壊れるから!!
そして、今日は、その"積み重ね"を一気に完成させるための日だった。
あぁ、勿論、"作品"として見てなくてもドイツのこと好きだよ?
ただ、僕はそっちのほうが"映える"から、そうしてるだけ。
彼を安心させない方が、映えるから。
こうしてるだけ。
僕の隣で、ドイツが静かに眠っている。
でも、冷や汗をかいていて。
顔色が悪くて。
…そんなに僕に侵されるの、嫌だったかな?
ううん、そんなことないよね。
だって君から始めたことだもの。
僕を"犯した"なら、だったら、僕が君を"侵す"覚悟だってできてたはずだよね?
それに、ずーっと憧れてた大好きな人に抱かれたんだから、嬉しいはずだよね?
うん、きっとそうだよね。
イタリア
思わず笑いがこぼれる。
このまま、彼を、もっともっと壊したい。
___だけど。
まだ、言えてないことがある。
本来のこの"行為"であれば、一番大切なことを、まだ言ってない。
冷え切ってしまった指で、ドイツの頬をなぞる。
イタリア
イタリア
イタリア
…最後まで聞いてはくれなかったけど。
だけど、いいや。
_________そんなこんなで、長かった僕の"告白"は終わりを告げた。
美しい、ドイツへ。
愛してる。
コメント
2件
まさか全てイタリアの計算のうちだったとは……ここまで予想はいかなかったです…凄…自分もこういう作品書けるなら書きてえ……憧れますわ…