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ある日のことだった
いさぎ
ひおり
いさぎ
言葉を選ぶみたいにゆっくり
いさぎ
一瞬、氷織の丸い目が、
驚いたように見開かれる
でも、すぐに戻って
ひおり
否定はしない
いさぎ
いさぎ
いさぎ
氷織の呼吸が止まる
数秒、沈黙が流れて
ひおり
いさぎ
少しだけ、視線を動かすと
いさぎ
ショッピングモール
人の騒めき
明るさ
いさぎ
笑顔で氷織を見る
それとは対照的に
氷織の方の空気は
静かに、重くなる
ひおり
“何を言うべきか”悩んでいる
長い沈黙
やがて、
ひおり
静かに否定した
はっきり
迷いなく
いさぎ
さっきと同じ調子
氷織が少しだけ目を逸らす
ひおり
短くて
曖昧な回答
いさぎ
何か言いかけてやめてしまう
氷織の表情は変わらない
優しくもない
怖くもない
ただ、何か決断している表情
いさぎ
潔の中で
小さな違和感が生まれる
いさぎ
いさぎ
なのに
外にはいけない
理由はわからない
いさぎ
氷織は、その変化を静かに見ている
気づいてる
でも、何も言わない
言えない……
ひおり
静かなまま、
一歩だけ下がる
ひおり
ひおり
それだけ言って
扉の方に歩き出す
いさぎ
ひおり
いさぎ
小さくて、弱い声
ひおり
ひおり
ほんの少しだけ、揺らいでしまう
迷い
ひおり
ひおり
振り返らず、返す
それが、ここの決定事項だから
ぱたんっ
いさぎ
さっきまではなかった
“疑問”
小さくて、まだ形もなかったそれが
ここで、芽生え始める。
ぱたんっ
ひおり
ばちら
れお
氷織は何も応えない。
ひおり
まるで誰の話も聞いてないみたいに
ひおり
話を切り出した。
9話終
託,,,
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