君が好きだよ

そう言って、隣の席の周斗（しゅうと）は、楽しそうに絵を描き始める。

…………といっても落書きだが。

考え事をしているうちに、いつのまにかとんでもなくでかいドラゴンが出来上がっていた。しかも上手い。

周斗は、先程の落書きをしたページの隅っこに絵を描き始める。 先ほどとは全く違う集中力で。

こいつは天亜（てあ）。周斗と仲がいい男子。 下ネタが大好きで、僕のちょっと苦手なタイプ。

なぜ男子は僕の机に集まってくるのだろう…………←女の子

ちらっと自由帳をみてみると、いつの間にか天亜は、 自由帳に超ムキムキマッチョのう○こを描いていた。

周斗も完成したようだ。見てみると、 ………ものすごく上手かった。

先ほどとは違い、濃く、はっきりとした線で描かれてキャラクターは 本当に紙の中に存在しているようだった。

思わず、僕と天亜は同じセリフを同じタイミングで言った。

毎日が、ただ、楽しかった。

恋を知るまでは。

全然表に出さないんだけどさ。