/s/[storyId]/_components/heading/assets/back_arrow_icon.4081080bcaba67b8.svg){kind=icon}
/s/[storyId]/_containers/report-container/assets/more-icon.20cfac1b79e24f56.svg){kind=icon}
未花side
大木家の玄関
ゴールデンウィーク初日の朝
未花
それじゃあ、行ってくるね！
未心
うん！
未心
いってらっしゃ～い！
未花
いってきます！
未花
お父さんによろしくね
未心
はーい！
大木家の家の近く
未花
はぁ
未花
（とりあえず駅に行って、電車に乗るか）
未花
（誰にも会わないぐらい遠いところにいかなくちゃ）
未花
（あれ？）
未花
（向こうから歩いてくるのって…）
未花
（お父さん？）
未花
（え、なんで、時間が早いじゃない）
未花
（逃げ道もないし…）
未花
（わからないように顔隠してあるこ）
未花と誠がすれ違う
誠
おい
誠
お前、未花か？
未花
ｯ………
未花
人違い…
未花
だと思います…
ﾀｯﾀｯﾀｯﾀｯﾀｯﾀｯ（未花走る）
誠
おい！
誠
あいつ！
誠
逃げあがって
誠
まぁいいか
誠
早く未心に会いに行こう
大木家の最寄り駅
未花
ﾊｧﾊｧ…
未花
（駅まで逃げてきちゃったよ）
未花
（ちょうどいっか）
未花
（この電車を、終点まで乗ろう）
電車の中
未花
（あ、あのおばあさん立ってるのつらそう…）
未花
（私座ってるし、変わろ）
未花
あの…（小声
伊藤香織（おばあさん）
わしかね？
未花
お席、座られますか？
伊藤香織（おばあさん）
いいのかい？
未花
はい、全然
伊藤香織（おばあさん）
ありがとうねぇ
伊藤香織（おばあさん）
お姉さんおいくつ？
未花
今、高校3年生です
伊藤香織（おばあさん）
まぁ、しっかりしてるわねぇ
伊藤香織（おばあさん）
うちの孫も同い年なんだけど、見習ってほしいわぁ
未花
いえいえ、しっかりなんて
伊藤香織（おばあさん）
お姉さんは、どこに行くの？
未花
どこ…ですか
伊藤香織（おばあさん）
私はねぇ、お友達の家に行ってから、親族の家に行く予定なのよ〜
未花
いいですねぇ
未花
お友達…か
伊藤香織（おばあさん）
……？
伊藤香織（おばあさん）
お姉さんは？
未花
私は…
未花
行き先は、決めてないです
未花
もう、なにもないところに行きたいなって
未花
誰にも見つからない、なにもないところに
伊藤香織（おばあさん）
………
未花
あっ…
未花
ごめんなさい！
未花
急にこんな話しちゃって！
未花
気にしないでくださいね(ﾆｺｯ
伊藤香織（おばあさん）
………お姉さん
伊藤香織（おばあさん）
無理、しなくていいのよ？
未花
ｯ………
伊藤香織（おばあさん）
きっと今、なにか辛いことがあるのよね
伊藤香織（おばあさん）
詳しくは聞かないわ
伊藤香織（おばあさん）
だけどね、
伊藤香織（おばあさん）
本当に困ったときは、全部投げ出したっていいのよ？
伊藤香織（おばあさん）
逃げてもいいし、目を背けてもいい
未花
…………………
車内アナウンス 次は〜〇〇〜〇〇〜
右側のドアが開きます
ご注意ください
ﾌﾟｼｭｳ（ドアが開く音）
伊藤香織（おばあさん）
あら、ついたわ
伊藤香織（おばあさん）
私はここで
未花
あっ…
未花
ありがとう、ございます
伊藤香織（おばあさん）
いいのよ、元気でね
ﾌﾟｼｭｳ（ドアが閉まる音）
未花
無理しなくていい、か
NEXT
/s/[storyId]/_containers/next-in-series-container/next-in-series/assets/list-icon.c10ab777f3210550.svg){kind=icon}
作品ページ
電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい！がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。
