mrpk

肉、骨、血……

たまに、この″翔ちゃん″は

俺の偶像なんじゃないかって。

俺の、都合のいい妄想なんじゃないか、って。 怖いんだ。

その、ほほえみ。

ずっと大切にしたい。

ちょっと、だけ、でもいいから。

その顔を。

こんなの、絶対言えないよ。

いま、この首に、爪を立てたらどうなるんだろう。

…とか。

この日常が幸せなはずなのに

物足りない、なんて感じるのは

俺がおかしいのかな。

ｶﾞｼｬﾝｯ

ﾋﾟｯ

今の、表情。

すこしだけ、本当にすこしだけ 可愛いって感じた。

可愛いと思ったのは、

すこし……だよね？

ｼﾞｬｰｰｰ

やっぱり

可愛い。

水が冷たかったのかな。傷が痛かったのかな。

どっちにしろ、あの苦悶の表情。

興奮したのは間違いない。

……自分が気持ち悪い。

その言葉に嘘は無い。

けれど、翔ちゃんが思っているより俺は

もっと汚くて醜くて気持ち悪いから。

きっと、このさき翔ちゃんと一緒にいて苦しくなくなることはない。

一生この気持ちに苦しみ続ける。

蓋をしても溢れてしまうこの気持ちに。

この言葉さえも、愛おしく

それと同時に歪ませたいと思ってしまう。

愛しい恋人の微笑みにつられて笑ってしまう。

幸せだ、と感じて 離したくない、と感じて。

今日もまた、 ｢俺｣と｢翔ちゃん｣ 釣り合ってない天秤から目を背ける。