美佐子
私は山田 美佐子(35) クリーニング店でパートをしている。
主な仕事は受付と商品の汚れの検品、管理、そしてお客様へ仕上がった商品の引渡しだ。
クリーニング店のイメージといえば、一般的に
〝楽そう〟〝ずっと座ってる〟
が多いと思う。
私も実際にそう考えて応募した。
しかし、私が入店したお店は地域でも人気店で、朝から晩まで仕事が山積みだ。
特に衣替えの時期のセールは開店前からお客様が列を作って待っており、1人が持ってくる量も30着を超えることなんてザラだ。
そんな中でのお客様からのクレーム対応も私達の仕事。
今も1人のお客様へ私は頭を下げている。
客
美佐子
客
美佐子
今日も朝から忙しく、ずっとお客様の列が絶えない。
しかも、運が悪く今日は1人のシフトだ。
そんな中、列の中の1人の女性がイライラしているな〜と思っていたら案の定自分の番で声を荒らげた。
客
ブツクサと舌打ちを交えながら文句を言うお客様。
お客様の持ってきたワンピースを広げて、汚れを確認していると裾にべっとりと汚れが着いているのに気づいた。
美佐子
美佐子
美佐子
客
客
洗うのは私達じゃなくて工場の人なんだけどな…
美佐子
客
美佐子
まったく話を聞かないお客様に押され、私は通常の洗いで会計を済ませた。
その後も汚れの箇所をしっかりチェックし、工場の方でも普通のお洗で取れるとこまでお願いしますと念を押した。
そして翌日、商品の引き取りにまたそのお客様はやってきた。
美佐子
自動ドアが開き、挨拶をすると昨日の女性が立っていた。
引取りの伝票を机に投げ捨て
客
と、今日も相変わらずの言い方。
美佐子
私は伝票を持ち、お客様の商品を探しに奥へと向かった。
美佐子
そこにあったのは、薄くはなっているが、ほとんど汚れがとれていない状態のワンピースだった。
美佐子
美佐子
客
美佐子
客
客
美佐子
客
客
お客様の声がどんどん大きくなり、口調も早くなる。
気付くと、列が1人…また1人と増えだしていた。
その中の1人が、イライラした表情になっているのが分かる。
しかしお客様の怒りは収まらないし…私はどうしたらいいか分からず涙が込み上げてきた。
客
客
美佐子
客
イライラした表情だったお客様が、急に怒鳴った。
客
美佐子
客
そう言って、そのお客様は私と口論しているお客様を指さした。
客
客
客
客
客
客
客
客
客
客
客
客
客
客
客
そう言って、自分のスマホ画面をみんなに見せる女性。
確かに1500円とかいている。
客
客
客
3人が一気に詰め寄る。
さっきまで強気でいたお客様が急に顔をさげ、サッと自分のワンピースを掴んだ。そして、
客
それだけ言い、さっさと店を出ていった。
女性が居なくなった店内で、3人が一気に吹き出した。
客
客
客
美佐子
美佐子
私は3人に深深と頭を下げた。
客
客
客
客
客
美佐子
客
美佐子
美佐子
クレーム処理や山のような業務と忙しさ…
意外とハードなクリーニング店。
しかし、私そんな中で頑張ろうと思うのは、この経験があったからです。
コメント
1件
フォロー失礼します! 面白いです!スカッとしますw