これからリハーサルだというのに直弥はまだ来ない
連絡もなしに遅れるなんていつもはありえない
みんなも心配していた
颯斗は心ここに在らずという表情をしている
何か嫌な予感がする
直弥に電話をすると切れる直前というところでギリギリ繋がった
玲
なおくん?
玲
大丈夫?
玲
なんかあった?
直弥
たすけて
玲
え
玲
うん
玲
わかった
玲
いまどこにいる?
直弥
~~~にいる
玲
今すぐ行くね
玲
まってて
嫌な予感は的中したみたいだ
電話に出た直弥の声は震えていた
俺は心配で急いで直弥の元へ駆けつけた
扉を開けて見えた直弥は酷いものだった
誰かにレイプされたかのような
玲
なおくん!
玲
なにがあったの
玲
誰にこんなこと、、
泣いていた直弥は俺の顔を見て少し安心した様子に見えた
直弥
颯斗に
直弥
伝えたんだ
直弥
セフレはやめたいって
想像はしていたがそうであって欲しくはなかった
やっぱり颯斗はなおくんのことが、、
直弥
そしたらキスされて
直弥
キスだけはしない約束だったんだ
直弥
ずっと守ってきたのに
直弥
こんな時に
俺は苦しそうに言う直弥を見ていられず思わず抱きしめた
玲
そっか
玲
ちゃんと言えたんだ
玲
偉いね
玲
怖かったね
玲
もう大丈夫だよ
何度も
何度も
俺はそう声をかけ続けた
玲から電話が来た
こんな姿見せられない
それでも
まだ腰が抜けてどうすることも出来ない
それに
今一人でいるのはきつい
俺は玲に甘えた
玲
偉いね
玲
怖かったね
そんな言葉をたくさんかけてくれた
俺はずっと玲の胸で声を上げて泣き続けた