椎名夏美
私はふっと目を覚ました。
まだぼうっとする意識の中、天井を見つめながらどうして私は寝ていたのかを思い出そうとしたの…
椎名夏美
どうしてこうなったんだっけ…?)
朔夜
椎名夏美
あれ?私…
朔夜
夏美が転びそうになって…
椎名夏美
その時に元の姿に戻った朔夜に支えられて…)
思い出した途端、私は顔に熱が帯びるのを感じた。
椎名夏美
朔夜
椎名夏美
私は慌てて体を起こした。
朔夜
椎名夏美
それより、朔夜どうしてその姿に…?
私が気を失う前は元の姿に戻ったはず…
朔夜
だから、この姿にまたなった
椎名夏美
朔夜
椎名夏美
朔夜
椎名夏美
私は朔夜のその言葉を気にしつつも、ソファから立ち上がる。
朔夜
本当にドジっ子になるぞ
椎名夏美
その言葉禁止って言ったのにー!
朔夜
椎名夏美
椎名夏美
朔夜
椎名夏美
朔夜
自然と私は思っていることを口にしていたの…
すると、朔夜はソファから降りてぴょんぴょんと跳ねながら私のところに近づく。
朔夜
椎名夏美
朔夜意識しすぎて…
だから…朔夜にその姿でいてほしかったの…
だって、今…2人っきりだし…
朔夜
口に出さないだけで…
椎名夏美
私は足元の朔夜を両手で抱き上げた。
椎名夏美
朔夜
椎名夏美
朔夜
椎名夏美
オレはソファに下されると、夏美はキッチンへと向かっていった。
それを見届けると、さっきの夏美にかかって来た電話を思い出す。
朔夜
何事もないといいが…
朔夜
予め下ごしらえしておいたおかげで、料理はそんなに時間がかからずに出来た。
椎名夏美
〜
朔夜
朔夜は、ソファからぴょんと飛び降りると元の姿に戻りキッチンの方へやってくる。
私は、出来た料理を何回かに分けながらテーブルに並べていく。
椎名夏美
朔夜
朔夜はフッと笑うと、キッチンの方へ行く。
その間に、私は残りの料理と箸や小分け用の皿をテーブルに並べて置いていく。
朔夜は、戻ってくると椅子に座った。
椎名夏美
さっぱり系がいいかなって大根おろしポン酢ソースにしてみたんだけど……
食べられる?
朔夜
クッキーの時といい、夏美はオレの好みを良く分かってるな
椎名夏美
こんな言い方したら失礼かもしれないけど…
朔夜は…昔から生きてる人だから…
その…くどい味とか好みじゃないかもって思ったの…
朔夜
朔夜が笑顔を浮かべて、顔を向けてきてくれたから…
私は恥ずかしくなってお盆で顔を隠した…
椎名夏美
朔夜
椎名夏美
椎名夏美
そう思いながら、私も椅子に座る。
朔夜
椎名夏美
朔夜がハンバーグを美味しそうに食べてくれるのを見て、私はすごく嬉しかった。
そう思いながら…以前にも朔夜とこんなふうに食事をしたような感じに襲われる。
…まただ。
たまに感じるこの懐かしい感じ…
朔夜
椎名夏美
朔夜
椎名夏美
ちょっとぼぅっとしてた
大丈夫
えっと…
朔夜
椎名夏美
木綿豆腐と塩昆布のサラダなの
醤油だけだからサッパリして美味しいのよ
朔夜
夏美は本当に料理上手だな
椎名夏美
朔夜
他の料理も食べてみたい…
椎名夏美
私も…一緒に食べたい…
私の言葉に、朔夜は笑顔を浮かべる。
でも…その笑顔は…
なんとなくだけど…切なそうで…
『私』に向けられてのものじゃないように…感じた…
食事が終わり、私もあと片付けを終わらせると居間の方へ向かった。
椎名夏美
朔夜
ありがとう
椎名夏美
朔夜
椎名夏美
私は、朔夜の座ってるソファに近づくと、いきなり朔夜に手を引っ張られる。
そして…
そのまま朔夜に両手で抱きしめられたの…
椎名夏美
朔夜
椎名夏美
私は思わず朔夜の胸の中に顔を埋めた…
椎名夏美
大好き…
朔夜
大好き
その言葉を改めて聞いて私は嬉しかった…とても幸せに感じた…
けど…
椎名夏美
朔夜
椎名夏美
朔夜
椎名夏美
朔夜
感じてるんだろ?オレと接する時、たまに懐かしく…
椎名夏美
だからね…分からなくて…不安になるの…
朔夜は、抱きしめていた両手を優しく解くと、向かい合う形にさせられる。
私はものすごく恥ずかしく感じたけど…
朔夜の表情は真剣な顔つきだった…
椎名夏美
朔夜
オレの昔の話を…