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煙花三月

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煙花三月

4 - 傍白の誘惑

♥

38

2021年01月23日

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ユイト

こっちだ、

ユイト

君、セイジの事刺したんだって?

ユキヤ

殴りかかってきたので反射で...

ユイト

ふーん

ユイト

まあ気をつけた方がいいんじゃない?

ユイト

俺らが2年の時

ユイト

ありゃ7月辺りの出来事かな

図書室

俺とシンは同じクラスだった

その日はサマースクールで、 校舎がいつもより人気(ひとけ)が 少なかったのは覚えてる

ユイト

あいつは...

ユイト

シン?

シンと何人かの喋り声が聞こえたから 気付かれない程度に近くへ寄ったんだ

ユイト

あいつ...

アイツは自分よりデカい3年を見上げて 睨みつけていた。

ユイト

なにしてるん...

ドガッ!!

三年

いてぇなおい!!

三年

何してくれてんだよぉ

シン

お前ら俺の仲間に何した

三年

なにって

三年

肩ぶつけてきやがって
ちょこまかと謝ってきたから

三年

みんなで可愛がってあげただけだよなぁ?

ハハハ!!

耳を劈く不愉快な高笑いが聞こえてくる

三年

おい

三年

お前が誰だかしらねぇが

ドガッ!!

1人が急所を突かれたのかぶっ倒れた

三年

おい!てめぇなにして

シン

悪気のない人間を複数人で虐めるって

シン

ありえねぇよ

三年

さっきからベラベラ喋ってはうるせぇな?

三年

その口塞いでやるぜ!!

3年がシンに殴りかかろうとしていた

ユイト

シン!!

俺は加勢に入るつもりで飛び込もうと したがその必要はなかった。

三年

...!!

シンは殴りかかってきた3年の腕を肩に回して一息でひっくり返しやがった

シン

おいおいホントに3年かよ

三年

ヒッ...!!

アイツは4、5人に囲まれていたが他の奴らも同様に1人でぶっ飛ばしやがった。

シン

もう仲間に手ぇ出すんじゃねぇぞ

ユキヤ

ヒッ...!!

ユイト

お前が刺したって事はもう既に広まってる筈だ。

ユイト

背後には気をつけ

ボッギギギ!!

シン

へぇ

シン

お前かセイジの事刺したってのは

ユイト

早速来たか。

シン

背後に気をつけろって言ってる割には
不用心なんだな。

ユイト

うるさい

シン

なぁお前

シンはユキヤを踏み付けている方の足をグググと強くねじ込む

ユキヤ

ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!!

シン

お前のお陰でウチの仲間が今週だけで
岩下に3人もお世話になってるんだけど。

シン

どう落とし前付けてくれるつもり??

ユキヤ

ごめんなざ...

シン

いいか?拳相手に武器なんて卑劣な
技使うんじゃねぇぞ。

シン

強くなりてぇんなら正々堂々勝負しろ

ユキヤ

ハイ゛

ユイト

おいそこら辺にしとけよ。

ユイト

一応俺の仲間だからコイツが死んだら
俺の命が幾つあっても足りねぇよ

シン

忠告しておくが

シン

これ以上ウチの仲間に手を出さないでくれ

シン

ユイト

シン

俺はお前を信じてるぞ

ユイト

ユイトは眉をひそめる

ユイト

意外だね。

ユイト

今は敵対してるから何か言われると
思ってた。

シン

ユイト

ひとつ言うと。

ユイト

俺のボスはイリヤだ。

ユイト

俺はイリヤの命令に従う。

ユイト

じゃーね、俺はこいつを連れて
放送委員に用事があるんで

ユイト

ばーい

放送室

放送委員

え?!!

ユイトはユキヤを傍らに抱えて足を引きずり放送室の中に入った。

ユイト

ふぅ...

ユイト

すまん、少し邪魔になる

ユイトはユキヤを手近のイスに座らせ、 自身もイスに腰掛け両足を机に乗っけた

シイナ

ちょっとどういう事かな?

ユイト

アイツだよ、シン

シイナ

ほーん?

シイナはユキヤの有り様を見て 訝しげにユイトを見る。

シイナ

で、

シイナ

放送室汚してもらっちゃ困るんだけど。

床には血痕の引きずり跡が残っていた

ユイト

すまん、後でこいつにでも掃除させる。

ユイトはユキヤを親指で指さした

シイナ

怪我人にさせるって...

シイナ

茶、持ってこい

放送委員

はい!!

シイナ

放送で流してるCDに付いてきた
茶葉が大量に余っててね、血痕のお詫びと思って消費してくれ、

ユイト

そんなんでいいのか?

シイナ

へぇ、もっと上等のがお望みで?

ユイト

いや、すまんなんでもない

コトッ

4つの机をくっつけ合わせた簡素な テーブルの上にコースターとカップが それぞれ3つ置かれる

ユイト

ありがとう

シイナ

それで?

シイナ

話ってのは?

シイナ

言っとくが面倒な事には
巻き込まないでくれよな

シイナ

今年受験だろ?

シイナ

あんまり面倒な騒ぎを起こしたくない

ユイト

あら

ユイト

要件を言う前から断れれちまったわ

ユイト

最初に言っておくが、俺が今から頼む事はきっとお前らにとってはこれ以上にない
面倒だと思う。

シイナ

聞く気が失せるじゃないか

シイナ

交渉の仕方をもっと学んでこい

ユイト

シーッ

ユイトは自身の唇に人差し指を当てる

ユイト

もう情報が入ってきているだろうが

ユイト

今シンの派閥と俺ら演劇部は対立している

シイナ

そこで情報を分け与えて欲しい...

シイナ

と?

ユイト

理解が早くて助かるよ

シイナ

残念だけど昨日シンから同じ様な
頼みをされている。

シイナ

もちろん受け入れたよ。

ユイト

まずい

ユイト

先手を打たれたか

シイナ

全然まずそうには見えないけど。

ペラッ

ユイトは何やら紙のようなものを 机の上に置いた。

シイナ

ッ?!!

シイナ

お前...

シイナ

まさか?!

ユイト

ははは

ユイトは笑みを零す

シイナ

汚ぇ奴だ。

シイナ

お前らはホントに

ユイト

もしこちら側の条件を
呑んでくれないのならば

ユイト

「これ」を処分させてもらう

ユイト

放送委員であるお前たちには大きな失態

ユイト

特に「お前」にとってはな

シイナ

ユイト

もし条件を呑んでくれるのならば
「これ」を渡してやろう

シイナ

ッッ!!

ユイト

きゅんきゅん魔法少女みーたん
特注等身大フィギュア

机の上に置かれた写真には 等身大サイズ魔法少女のフィギュアと ピースをしているユウヤの写真が 置かれていた

シイナ

お前っ!!これをどこで!!

ユイト

ふふふ

ユイト

俺ら演劇部は衣装やセットで出る
莫大な部費の埋め合わせのために
懸賞やキャンペーンに応募して
当たっては売って、稼いでいる

シイナ

しかも全国5名様限定!!

シイナ

くそっ!!

ユイト

これはオタクが多い放送委員、そして
きゅんきゅん魔法少女みーたんの大ファンであるシイナ、お前にとっては莫大な損失な筈だ。

※放送委員はオタクが多い

ユイト

どうする?

ユイト

シイナ

呑みます。

ユイト

はやっ

ユイト

君ならそう言うと信じていたよ

ユイト

シン側には嘘の情報を流すこと。

ユイト

そしてこちら側には週に一回シンの動向に関する情報を持ってきて欲しい。

ユイト

最後に

ユイトはニタニタと嗤う

ユイト

お風呂で最初で洗うのは二の腕。

シイナ

は??

ユイト

いや実はな

ユイト

イリヤが謎に、二の腕は最初に洗うと
部員に押し付けているんだ。

ユイト

あーれは馬鹿馬鹿しいと思うよね。

イリヤ

ハーックション!!

イリヤ

???

シイナ

しらねぇよ

シイナ

身内ネタ持ってくんじゃねぇ

シイナ

さあ用が済んだら帰った帰った!

ユイト

最後に

ユイト

お風呂で最初に洗うのは?

シイナ

ユイト

お風呂で最初に洗うのは?

シイナ

シイナ

チッ

ユイト

お風呂で

シイナ

二の腕!!

シイナ

わかったから早く帰れ!!

ユイト

じゃ、またね〜

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