今思い返してみても…
ほんと、ろくでもない人生だったなあ
最悪の家庭環境で幼少期を過ごして育て親は怪獣によってあっけなく死亡。
自分の母親だと思い親しんでいた人は実親ではなく、本当の母親の妹だったことが後に判明して。
そして私の最後は─────
仁乃
怪獣の胃液が体にねっとりとまとわりついて気持ち悪い。
震える腕を見やると隊服が溶け、肌があらわになっていた
もう、いい。
もうここで死んでしまおう
どうせこの先生きてたっていい事なんかありゃしない。
神様は不平等だ。
たまたま目に付いた人だけを救っていく
諦めてしまおう。
私はそっと目を閉じる
全身が痛い
息も上手く吸えない
苦しい
頬を水滴が伝っていった
その時だった。
小此木このみ
小此木このみ
通信機からこのみちゃんの声がしたのは。
仁乃
仁乃
小此木このみ
小此木このみ
異変……
仁乃
仁乃
仁乃
仁乃
通信機の向こうで息を飲む音が聞こえた
小此木このみ
小此木このみ
仁乃
無理だ
もう私にはそんな体力は残されていない
仁乃
仁乃
仁乃
仁乃
仁乃
小此木このみ
小此木このみ
小此木このみ
仁乃
仁乃
小此木このみ
小此木このみ
鼻をすする音が聞こえた
おそらくこのちゃんが泣いているのだろう
手に鋭い痛みが走った
見ると手が溶けはじめていた
どろどろとしていた
仁乃
仁乃
小此木このみ
仁乃
小此木このみ
このちゃんが叫ぶ
こうしてる間にも全身が溶けていくのを感じる
小此木このみ
小此木このみ
仁乃
このちゃんの声が遠のいていく
何事かと思うと罵声が耳に届いた
ナツ
ナツ
仁乃
仁乃
仁乃
ナツ
ナツ
仁乃
仁乃
仁乃
ナツ
ナツ
仁乃
ナツ
ナツ
ナツ
ナツ
仁乃
ナツ
ナツの声は震えていた
私は今1度腕を見つめる
手はどろどろとしていた
でも、まだ致命傷じゃない
仁乃
仁乃
ナツ
仁乃
ナツ
仁乃
もう迷わない
仁乃
続く
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今まで見てきた夢小説の中で1番すきです