父
ただいま〜!

母
おかえりなさい

大柄な男の近くには30代ほどの空色のしわくちゃのシャツを着た男性の姿があった
父
おう!

父
んで、こいつが虹輝!

虹輝
どうもお邪魔します

虹輝
梶原虹輝です

鳥居朝樹
(は…⁉︎虹輝!)

鳥居朝樹
(いや…もうきっと結構前なんだ当然だ。こんな変わってても)

母
どうぞお掛けください

虹輝と大柄な男はダイニングテーブルの椅子に向かい合って腰掛けた
父
はあ…酒をくれ!

母
わかりました。そんな大きい声出さなくても

それから数秒後、ダイニングテーブルの上に缶ビールが二つ置かれた
母
少々にしてくださいね

父
はいはい

虹輝
ありがとうございます

父
ところで虹輝

父
今は研究をしてるんだとか?

虹輝
はい

虹輝
もう随分前ですがゾンビが現れたでしょう?

父
ああ。ゾンビパンデミックだよな?

虹輝
はいそうです

虹輝
俺はショッピングモールにいたんです

虹輝
ちょうどその時に

父
まじか…お前がそうだったのか

虹輝
それでその時に友人を一人亡くしたんです

鳥居朝樹
(きっと俺のことだ…)

虹輝
俺の手で彼を殺しました

父
え?なぜ…

虹輝
ゾンビになったからです

父
は…

虹輝
まあその時は気付きませんでしたがもう一人の友人が気付いたようで

父
それはそれは災難だったな

虹輝
まあそれで漫画を描くのを辞めました

虹輝
編集長には今でも感謝してますよ

虹輝
俺の漫画をずっと褒めてくれたので

父
言い過ぎだっての

父
まあ俺の一つの悔いといったら虹輝をデビューさせることができなかったことだな

鳥居朝樹
(あの大男は編集長…ってこと?)

虹輝
そう言ってもらえて嬉しいです

虹輝
俺はその後、大学、大学院へ通いゾンビウイルスの研究をしました

父
結構頭いいんだな

虹輝
まあそこそこですよ

虹輝
きっと他の学者さんと比べれば全然馬鹿です

父
厳しいんだな

虹輝
まあはい

虹輝
そこで素晴らしいことが分かりました

虹輝
ゾンビウイルスは今ありません

鳥居朝樹
(は…?)

父
は…?
