大好きでした。

生まれて初めて

この人と一緒に居たいって思えたんだ。

気がつくと君を目で追っていた。

無表情だと思っていた君の

眉を下げて笑う顔

眉を上げて怒る顔

仕方なさそうに笑う顔

呆れたように上がる口角

その全てが新鮮で

また君が好きになる。

興味から

憧れになって

憧れから

好きになって

好きから

恋に変わった。

初めてだったんだ。

こんなに一日中1人のことを考えるなんて。

初めてだったのに。

どうして？

どうして僕が好きになった相手が

君だったんだろう。

君じゃなければ無かったのに。

君”だったから”僕は好きになった。

想いを告げても

きっと、君は困ってしまうから。

だったら、もういっそ

心の中にしまい込んで

蓋をして

鍵を掛けて

忘れてしまおう。

君と朝から会えて

嬉しくなってしまう。

そんな風に笑わないで

僕はこんな目で君を見ているのに

胸がズキンズキン痛むんだ

痛いよ

こんなに近くに君は居るのに

手を伸ばせば、触れられる距離。

僕はこんなにドキドキしているのに

君にとっては造作もない距離

君にとってはただの日常会話

僕はこんなに緊張しているのに

駄目だよ

笑わなくちゃ

好きになったあの日から、わかってただろ？

君の視線の先に僕は居ない。

笑わなくちゃ

君も僕と同じ目をしてる

笑わなくちゃ

僕に向ける君の目とは明らかに違う君の目

笑わなくちゃ

あれから1度も僕の顔は見てくれなかった。

僕がこんな顔をしているのには

一言も触れなかった

僕、そんなにどうでもいい？

水溜まりに感情がまた1粒

塞がなくちゃ溢れる前に。

僕は普通に人を好きになりたかった。

でも僕は普通に恋をしていたつもりだった。

僕が君を好きになることは

可笑しいことなのかな

気がついたら恋に落ちてた

自分でもわからなかった

どうすれば良かったの？

僕って気持ち悪い？

どうして好奇の目で見られないといけないんだろう

ただ少し他の人と違っただけなのに

僕が女だったら良かったのに。

そうしたら、普通に告白も出来たのに。

君のことが大好きでした

笑った顔

怒った顔

君の表情全てが大好きだった。

でも悲しそうな顔はさせたくないから

初恋は想いを告げないまま終わりにさせる

そうすればきっと

誰も悲しまなくて済む。

お幸せに裕介くん。

あれから僕は

人の愛し方がわからなくなった

どうやって告白をするのが

正解なのか

誰を好きになるのが

普通なのか

そんなことばっかり考えて

人を好きになるのが

怖くなった

もう

君の顔も思い出せない。

がまより。