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テラー通信載ってましたね✨おめでとうございます〜!
文章お上手ですね!時代劇のようでワクワクしました。
夏の蒸し暑い日、人々で賑わう商店街に 卑しい町人がいた。
その町人は、無精髭にだらしない くすんだ色の浴衣一枚、胸元を広げて着こなす不潔な姿は
___暇を出された失業者のような… 形振り構わずな格好であった。
町人
町人
団子を食べる女の子
団子を食べる女の子
町人
町人
団子を食べる女の子
団子を食べる女の子
町人
町人
団子を食べる女の子
団子を食べる女の子
町人
団子を食べる女の子
団子を食べる女の子
町人
町人
団子を食べる女の子
町人
団子を食べる女の子
団子を食べる女の子
町人
町人
団子を食べる女の子
若い女は白い目で 全く信じていないようだ。
しかしこの町人の言う、金持ちとやらは 本当ことである。
ただその金持ちである理由が おかしなもので、金持ちである事は実に単純である。
町人は何ら変わらない 女の表情につまらないと感じて
気休めにと安い茶屋の のれんをめくった。
様々な茶屋がある中、どこか浮いている茶屋を見つけた。
選んだ理由はこれといってなく まるで糸で引かれたようで 気付けばここに入っていた。
男
男
町人
一段落と座敷に座って茶を待った。 主が一人しかいないようで、取り敢えず辺りを見た。
昼間なのに、光は狭い入り口の明かりだけであったため、中はどんより暗い。
この人の多い商店街に こんな人気の無い店がぽつりと一軒、 あるなんて不思議だなと思っていると
男
ハリのある声が室内に響く。
出された緑茶はなんとなく不味そうだ。
確認するべく、期待せずに飲んだ。
男
町人
町人
町人
町人
金持ちであることに誇りを持ち、 己の自信に繋がっている町人なら 不味いと躊躇わずに口汚く罵りそうだが
この一風変わった 馴染まない雰囲気が町人の 口を閉ざした。
男
男が意外にも懇ろだった。
町人
町人
男
町人
町人
と、先程の若い女に何一つ信じてもらえなかった話をした。 ちなみに団子をくれと強請(せび)った話は省いている。
町人
男
町人
男
男
町人
町人
男
町人
男
町人
町人
男
町人
町人
町人
男
男
男
男
町人
町人
町人
すると男は、にやりと笑って 町人の耳にこそっと呟いた。
男
町人
町人
町人
男
町人
男
男は口を閉じて 色めく町人を焦らしてゆく。
早く知りたいが故に この沈黙がうざったらしく感じた町人が 男の腹底を探り、提案をした。
町人
男
男
男
町人
この方法を知るに男の目が真剣になり、 茶屋の空気がぴんと、糸を張った__。
思わず町人もごくり、唾を飲み込んだ。
男がうっすらと口を開く。
男
町人
男
男
男
町人
町人
男
男
男
町人
町人
男
町人は眉を顰める。 虫を触れるかだけで好都合になるなんて そんな上手い話があるか?
町人が不服そうに顔を顰めていると それを悟ったように男が小声で囁く。
男
男
男
男
町人
男
町人
男
町人は考えた。
(命の危険といっても長い棒やらで 工夫すれば大丈夫だろう。 それに、虫の宝庫……こりゃあ大儲けだ!!)
金に目が眩んだのか、他に 考えなければいない事を放棄した。
男
男
男
町人
町人
男
町人
賑わう商店街が一変して 小鳥も鳴かない異様な静かさに切り替わる。
日中は過ぎたものの、あまりに不自然で 町人は不気味に感じた。
町人
町人
男
男は何も答えない。 やっぱりついてきてよかったのか? 名前も知らないやつにまずい茶を出されて 金の話だけをして______
信頼できる要素もなかったのに。
町人はますます不安になった。
それでも脳裏に浮かぶ虫売りの姿。 場所だけでも知れば、虫を捕まえて あった虫売に声をかければよい。 と、町人は募る不安感を小銭で覆った。
男
町人
町人
男
男
2人は少し距離をおいて土を掘り出す。 男の言った通り、土はひんやりと湿っていた。
町人
男
男
町人
町人
男
町人
町人
男
男
町人
町人
男
町人
男
男
男
男
男
男
男は慣れた歩き方で山を降りていった。
町人
町人
町人
町人
町人は目を疑った。
なんと、覗く先には金色に輝く物体が 頭を出していた。
町人
仰天し、直様立ち上がって、 手についた土を払う。
足場に気をつけながら、 金色の小判に近付く。
町人
町人
町人
町人
手に取った小判と思ったものは 腕に絡みつく黄色の大きな蛇であった。
町人
ズルズルっ!
町人
ズルッ…
町人
町人は柔らかい土の足場を崩し 山から転落した。
少し時間が経ってから どさり、鈍い音がした。
もう日は暮れていて 町の人々は眠っている。
不気味な山の麓には 町人が変わり果てた姿でいた。
暗闇の死体に、さらに濃い影が重なる。
男
男
男
男
男
男
男
男
男
男