🤍side
俺はまちこに片思いをしてる
柔らかい髪、長くて細いまつげ
整った顔、スラリと通った鼻筋
スタイルもよく、オシャレ
アクセサリーも自分に似合うものがわかっているようだ
一方俺は 顔はニキに負けてるし
オシャレでもない
思ったことはすぐ言うし
気遣い なんて縁のない言葉だ
下ネタだって普通に言う
好き、なんて冗談でしか言えない
こんな男を誰が好きになるって?
だから一生叶わない片思い
しかし今日はまちことコラボ撮影の打ち合わせをするからと
俺の家にまちこが来ることになった
正直 家を見てガッカリされないか
引かれないか
と早稲田に合格したこの頭で 懸命に考えた
しかし昔っから女とろくに喋ることはなく
ただ抱くための言葉しか知らない俺には到底分かるはずなかった
それに俺はいつも女を抱こうとすると失敗する
心のどこがで“コイツではない”と言われているような気さえする
だから今、正直にハッキリ言おう
俺は正真正銘の童貞だ
しかし女研では ヤリ〇ンのクズ男キャラとして扱われているため
“そんな事はない”と言えるはずもなかった
あと30分程で家に来るだろうまちこを迎えるため
コンビニまでひとっ走りした
家に帰り買い物したものを片付け
スマホをいじっていると
LINEが来たようだ
💚せんせー ちょっと早いけど着いちゃった!
💚ドア開けてくれない?
というLINEだった
早くしなければと焦る思いを胸にドアへ向かった
💚side
どうしようぅ…。
さきほど1時間ほど前から この調子だ
何をこんなに困っているのか と言うと
全てだ!
大好きなあの人と会うというのに いつも通りの普段着〜
という訳にはいかない!!!!
だからまず服から決めようと思っているのだが…
ちょっと露出多めがいいかな? 清楚系??
から離れなれずすでに1時間がたっている
せんせーはちょっとえっちな 方が喜びそうだし、
露出多めにすっか!!
次はーズボンか〜
………………………!!
ミニスカにしーよおっと!
そしたらくそ えろくなるわ
あと30分!
お気に入りのピアス付けてこーっと
そんなことはないと思うけど
抱かれることもある…?
決して否定出来ないのが悔しい
昔っから女ばっか喰いやがって
どうせ部屋にも女の物とかあるんだ
そう考えるとなんだか悩んでた自分が馬鹿らしく 虚しくさえ思えてくる
はぁ…
今から行くのにヤなこと考えちゃったな
心の隅でそんなことを考えながら
土産物を手にお気に入りの靴を履いて出かけた
思ったより早くついてしまったので
LINEをして開けてもらうことにした
🤍💚
ドタドタッ
どっどうぞまちこ
💚心做しか上ずった声
💚もしやコイツ…さっきまで女 連れ込んでたに違いないわ
💚「お前…さっきまで女連れ込んでたなぁ!!」
🤍「………は?」
💚「だってそんな上ずった声で出てきちゃってさ!」
💚「部屋の片付けに焦ってたんでちゅか〜www」
🤍「お ま え な〜俺が女を連れ込んだことがあったか!?」
💚「直接的なのは見てないけどニキニキがよく言うじゃん!」
🤍「お前アレ信じてたのか?w」
💚「え?違うの?」
🤍「あんなの俺を貶める嘘に決まってるやんw」
💚「あぇ そうなんだ」
ま とりあえず上がりな〜
💚という声でふと我に返った
取り乱しちゃイカン 期待してはイカン と自分に言い聞かせ
💚「おじゃましまーす」
と家に入った
🤍しばらくして愛してやまない彼女の顔が少し強ばっていることに気づいた
🤍緊張している…?まちこにしては珍しい。
🤍俺と二人きりだから何かされるのを期待して…?
🤍そんなわけは無い けど
🤍期待せずにはいられない
🤍このままじゃまた女だ!とか 騒がれてしまいそうなので
🤍一旦落ち着こう
🤍よし 酒でも持ってきて だべるか〜
🤍と小声で呟いたけどやはり聞こえてないらしく見向きもしない
🤍「まちこぉー酒でも飲んでだべろーや」
🤍と一声発すればビックリしたかのような面持ちで、うん…と小声で返事した
🤍やっぱり何か気に食わないことがあったんや、
🤍でも今更どうにも出来ないし飲むことにした
2時間後
🤍打ち合わせも無事終わり、完全 くつろぎモードに入ったまちこが
🤍縛っていた髪を解き床に寝転がった
🤍てか今日の服えろすぎて一目見た時襲おうと思ったぐらいだし
🤍それが酒が入って殊更えろい…!
💚「ねぇせんせぇ」
🤍「なんや?」
💚「私のこうはくぅ聞いてくれへん?」
🤍久しぶりに酔って矯正していた標準語が崩れ関西弁にもどる
🤍そんなことを考えている暇はない
🤍なんて言ったっけ…と
🤍よくよく考えると すごいことを言われたのではと思い
🤍聞き返してみた
🤍「告白?」
💚「そうなんよ。私ねぇせんせ の事がずっと好きだったの。でもせんせ は冗談めかして好きとか言うしどうせまた私の勘違いなのかなって」
💚「だから告っちゃいけないって思ってたんよ。でもそれ抑えるのもそろそろしんどくて。酒飲んだらイケるかなって思ったけど無理だったみたい、」
💚「ぐすっ ごめん泣いちゃって、」
💚「せんせ を困らせることはしたくなかったのに、ごめんね。お酒だけじゃ勇気出なかったや、ごめん。もうわたし帰るね、」
パシッ
💚「っえ…?なんで手 掴むの?」
🤍「まちこはさぁ片思いだと思ってるんやろ」
💚「そうでしょ、いっつも私に悪態ついて暴言吐いてたまに好きとか俺の女とか言うくせに、思わせぶりはやめてよっ!」
🤍「今まで酷いこと言って本当にごめんな。でも好きの裏返しというか…好きだからこそ意地悪したくて。っ俺そんなつもりなかったけどまちこの事傷つけてごめん。こんな俺だけど付き合ってくれませんか。」
💚「っえ…?好き、?せんせが?」
🤍見てて痛々しくなるほどに泣き崩れているまちこを見て俺は今までとんでもない事をしてたんや。と改めて思った
🤍好きな女を泣かせてまで想いを伝える?抱く?そんなの本当はしたくなかった。でも全て、全て俺のせい
🤍とてつもなく死にたくなったけど ここで諦める訳にもいかない
🤍「本当に愛してるんだ、1人の女性として、心の底から愛してるんだ。」
🤍「今の俺の言葉なんか信じられないと思うけど、さ」
💚「………」
🤍「ま、ちこ?」
🤍取り返しのつかないことをしでかした上付き合おうなんて虫が良すぎたか、
💚「いーよ、!せんせ!」
🤍「…っえ、」
💚「せんせ いますっごく死にたそうなカオしてるし、!」
💚「だいじょーぶ。私がいる。」
💚「私もせんせ のこと愛してるよ」
🤍「まちこっ…!」
🤍「ほんとに今までごめんな。いっぱい傷つけたよな。ごめん。ごめんっ、!こんな俺を好きになってくれてありがとう。ありがとう、!」
💚ギュ
💚「ううん。せんせ は何も悪くない」
💚「悪いのは私」
💚「早く告白しなかった私が悪い」
💚「私こそごめん。」
🤍「お前はなんも悪くないんやっ、」
🤍「悪いのは俺で、!」
💚「もういいよ。大丈夫」
💚「私はせんせ のこと責めれないし、だって だって、そんな人を好きになっちゃったんだもん、!」
💚「ニコ……飲もっか!」
💚「今日のことは今ここで忘れて飲も!」
💚「私 今すぐせんせ と結婚したいなぁ」
💚「こんな私の事ここまで想ってくれる人、なかなかいなかったし」
🤍「ええよ。愛してる まちこ」
💚「私もっ…!愛してる、」
🤍💚
どちらからかキスをして
「「大好き」」
なんて甘い言葉に絆されるのであった
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