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馬と鹿と罪

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馬と鹿と罪

12 - 朱の淑女

♥

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2025年06月01日

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イズミ

__ん…

イズミ

…ここは……?

カズミ

クラミィの家だよ。

イズミ

…! 兄貴。

カズミの顔を見た途端、掛けてあった 布団を押しのけて飛び起きる。

カズミ

おいおい落ち着け、まだ疲れが残ってるだろ。

カズミ

…最近、お前にも負担を掛けすぎたよな。ごめん。

カズミ

とりあえず、今日はしっかり休め。

そう言ってニコリと笑いかける。

イズミ

…うん、分かった。

今は、この空間に二人きり。 以前はずっとそうだったが、 環境の変化によって今はほんの少し 特別に感じる。

…と、ここであることを思い出す。

イズミ

ッそういえば、勝負は!?

イズミ

……私は、勝ったの…?

クラミィ

そうさ!お見事だったよ!!

その言葉とともに突然、 背後から抱きしめられる。

イズミ

ひゃ!?

イズミ

クラミィ…さん!?

クラミィ

お硬いなぁ、気軽にクラミィでいいよ~

イズミ

あ、ああいや、その_

イズミ

せ、背中に…柔らかいナニかが…

クラミィ

ん〜?

クラミィ

何だいイズミちゃん、やっぱり年相応に初心だねぇ〜?

(頭を叩く)

ファルク

辞めろ、クラミィ!

クラミィ

痛ったたた…

クラミィ

何も引っ叩くこと無いじゃないかぁ…

ニル

お姉ちゃん、もう大丈夫?

イズミ

ああ、ニル。

イズミ

ありがとう。私はもう大丈夫だよ。

クラミィ

…それで、寝起きのところ悪いんだけど。

クラミィ

勝者はイズミちゃん!

クラミィ

だから君達の要求を飲むことにしたよ。

イズミ

!…

彼女は兄と比べ、 戦闘経験も運動能力も低い。

勿論それでも人並みを超えているのだが 彼女はいつも、自分の強さに 自信を持てずにいた。

イズミ

兄貴…

カズミと目が合う。

彼は親指を立てて 眩しい笑顔を彼女に向けた。

カズミ

やったな!イズミ!

イズミ

……うん!

クラミィ

(微笑ましいな…)

クラミィ

えぇっと、何処にあったっけね……

ファルク

おい、埃だらけすぎるぞ、この倉庫!

ファルクが口を布で覆い、 ホコリ落としを手に清掃に励んでいる。

クラミィ

いやほんと、うちに来る度にお世話になって申し訳ないね!

ファルク

そう思うならたまには自分でしてくれよ……!?

そう話していると、 クラミィの手に何かが当たる。 何か身に覚えのある手触りだ。

クラミィ

お?これはもしや…

クラミィ

これだ、あった見つけたよ!!

ファルク

掃除の邪魔だ、そこ退け。

クラミィ

あ、うん……

イズミ

美味しい…!

カズミ

沢山おかわりあるからな。

ニル

お兄ちゃんは料理上手なの?

カズミ

イチから作れるのはこれだけだよ。

クラミィ

見つけたぁ!

玄関の扉が激しい音を立てて開く。

クラミィ

見つけたよ!イズミちゃん!!

イズミ

見つけたって…何が?

彼女が1m程の長い木箱を床に置き、 鍵を開ける。

隠された宝を今目の当たりにするかの ように、ゆっくりとそれを開く。

(木箱の軋む音)

中に入っていたのは、 紅い光沢に包まれた脚鎧。

中世的なデザインだが、機械パーツが 幾つも取り付けられている。

イズミ

これは…?

クラミィ

" 鬼鎧『朱礫』"。

クラミィ

凶階はCRAY…

クラミィ

脚に装着する装甲型だ。

クラミィ

イズミちゃんにぴったりだと思って、ね!

ニル

真っ赤でキレー!カッコいい!!

ニルが目を輝かせ、 それをじっと見つめる。

クラミィ

ま、今はまだメンテナンスも出来てないし…

クラミィ

試運転は午後からでいいかい?

イズミ

うん、分かった…って

イズミ

私、もしかして一日中寝てたの!?

カズミ

ああ、あまりにも眠りが深かったから起こせなくてな。

カズミ

ま、ここは奴らにバレる場所でもなさそうだし、気長に準備するとしようぜ。

ファルク

ふぃー疲れた…

ファルク

少し早いけど昼メシにしないか?

カズミ

炒飯あるぜ、食うか?

ファルク

ああ、貰おうかな。

クラミィ

私も食べるー!

イズミ

以外に軽いね、これ。

紅い鎧を脚に纏ったイズミは、 デコボコの大地を踏みしめてそう呟く。

彼女の髪のインナーカラーや 服装にぴったりで、様になっている。

クラミィ

いいねぇ、よく似合ってるよイズミちゃん。

イズミ

そう?ありがとう。

クラミィ

さて、今からその『朱礫』のギミックについて解説していくよ。

クラミィ

さっき、メンテついでに中の仕組みも見てみたんだけど…

クラミィ

どうやらそれ、足裏や踵なんかからエネルギーを噴射できるみたい。

イズミ

へぇ、それは便利ね。

クラミィ

それに、その軽い装甲も凄まじい強度を持ってる。

クラミィ

つまり、イズミちゃん自慢の足技が

クラミィ

もっと早く、もっと強くなるわけだね。

イズミ

どうやって動かすの?

クラミィ

簡単だよ。ただ頭で唱えればいい。『動け』ってね。

クラミィ

多機能凶器のギミックを動かすのには、2つの方法があるんだ。

クラミィ

1つ、口頭指示(ボイスコマンド)。

クラミィ

そして2つ、神経指示(マインドコマンド)。

クラミィ

私のドラゴやイズミちゃんの扇雲なんかは口頭指示タイプ。

クラミィ

でも、朱礫みたいな装備する感じの多機能凶器は、神経指示のタイプが多いの。

イズミ

唱える…なるほどね…?

クラミィ

(大分理解できてなさそうだなぁ…)

クラミィ

ま、まぁ考えるより先にやってみよう!!

クラミィ

コツを掴めばきっと簡単さ!

イズミ

(唱える…)

イズミ

(……『動け』)

(火が噴き出す)

途端、鎧から青い炎が噴き出す。

その火力は凄まじく、イズミの体が 簡単に宙に浮いてしまうほどだった。

イズミ

わぁっ!!

クラミィ

落ち着いて!!バランスは勝手に取ってくれるから!!

両手を左右に伸ばし、 何とか体の平衡感覚を掴む。

クラミィ

そうそう、いい感じ…

イズミ

こっ、これ、どうやって止めるの!?

クラミィ

まぁまぁ!そのままいろんな動きを試しみなよ!

クラミィ

大ジャンプとか、バク転とかさ!!

イズミ

わ、分かった!

イズミ

えと、高く跳ぶには…

イズミ

(『跳べ』)

そう唱えた瞬間 炎の勢いが格段に上昇し、 体が天高く昇ってゆく。

イズミ

きゃあああぁぁぁ……!!!!

空中で完全にバランスを崩し、 さらにパニックに陥る。

イズミ

まずいぃぃ!!落ちるうぅぅぅ!!

イズミ

とっ、とっ…!!

『止まれ』!!!

すると炎が完全に途絶え、 宙での移動を辞める。

しかし無慈悲にも、 重力に逆らうことは出来ない。

物理法則を破ることは不可能である。

イズミ

ぃゃぁぁぁぁあああああ!!!

クラミィ

イズミちゃん!良かっ……

クラミィ

ちょっ…ま、待って、

クラミィ

イズミちゃん、止まってぇええ!!!

(地面に衝突する)

イズミ

う…いっ、たたた…

イズミ

あれ、クラミィさんは…?

クラミィ

いずみちゃん_した…

イズミ

え…?うわあっ!!

イズミ

クラミィさん!ごめんなさい!!

幸い、ドラゴが衝撃を受け止めており、 クラミィは準重傷で済んだ。

また、彼女は痛みよりも 背に乗っていたイズミの尻の感触に 興奮していた事は誰も知らない。

クラミィ

(うっへへ、最高ぉ…)

Profile.12 多機能凶器 " 槍牙「扇雲」"

柄の方先に刃、逆方に鈍器のついた 槍型の多機能凶器。

特殊な磁場を発生させ、浮遊操作する ギミックを有している。

凶階:CRAY (LITE 》CRAY 《 SCALE)

???:γ020

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