ピピピッ ピピピッ
青
あ…。もう時間か
無機質な音
それは僕の頭に響く
今日も僕は長い間目をつむることが できなかった
布団に潜っても眠れなかった
目を閉じると
どうしても
“あのこと”がうかんで
夢に出てきて
苦しくなってしまうから
でも 苦しいのは
まだみんなを
「好き」
でいるからかもしれない
…。
青
もう 行こ。
自分の気持ちに 気づかないふりをして
最低限の荷物を持って
□の鍵をゆっくりとしめた。
チク タク チク タク
白黒で統一された部屋に
黒色のシンプルな時計が 壁にかかっている
時計の短針は8をさして
長針は9をさす
桃
8:45か、そろそろ来るかな
ピーン ポーン
桃
あ、青かな?
青は30分前には来ている
早すぎなんじゃないかな
いつもならもうここにいるだろう
だから 今日も一番だと思った
だけど
ガチャッ
桃
え…
そこには
青色じゃない
まぶしい色の彼がいた。
桃
え…
桃
黄、か…
黄
?
黄
どうかしました?
青だと思っていたから
思わず声がもれる
桃
いや、青だと思って
黄
青ちゃん来てないんですか…
桃
あぁ…珍しいよな
黄
そうですね、
黄
今日は話したいことがあって
早く来たんですけど
早く来たんですけど
黄
青ちゃんが来てないなら
ちょうどいいですね…。
ちょうどいいですね…。
桃
話したいことって…
もしかして
ガチャッ
赤
やほ~
桃
あ、赤
赤
玄関にとどまって
二人ともどうしたの?
二人ともどうしたの?
黄
少し 話してただけです!
桃
…そうだよ。
桃
とりあえず、中入って
赤
お邪魔しま~す!
大丈夫。
今度は俺たちが「あいつ」を
助けるんだ。