本山夕夏
私の好きな人ね、
浜崎先輩なんだ。
俺はその発言が、信じられなかった。 信じたくなかった。
浜崎吟
は、?
浜崎吟
言っとくけど…付き合うなんて考えない方がいいよ。
浜崎吟
俺も好きな人いるから。
本山夕夏
え、嘘…
本山夕夏
ずっとずっと、浜崎先輩は私と…って
本山夕夏
思ってたのに!!
浜崎吟
…それが?
浜崎吟
ごめん、本当に無理。
本山夕夏
……
本山夕夏
ごめん、ごめんなさい…
本山夕夏
いじめなんて、人間じゃないようなことして…っ
本山さんは目いっぱいに涙を溜めて 俺に話し掛けてくる。
だけど、海里のこと考えると 許すなんて眼中に無くて。
浜崎吟
いじめられる方の気持ちも考えろよ。
浜崎吟
なーんもしてないのに急にいじめられるの、辛すぎんだろ…
浜崎吟
しかも、謝ったら許されるって…
本山夕夏
ごめんなさい…
本山夕夏
なんでもするので…っ
浜崎吟
…じゃあせめて海里に謝れ。
本山夕夏
分かりました、!っ
本山夕夏
今から謝ってきます、…!
本山さんは教室に向かって走り出した。
どうなってるのかな、 そんなことを考えながら 内容も入らない本を読む。
本山夕夏
榎戸くん、?
自然と心拍数がどっと上がる。
榎戸海里
あ、本山さん……
本山夕夏
…ごめんなさいっ!!
本山さんは僕に向かって 大きく頭を下げた。
榎戸海里
どゆこと、?
どしたの急に…
どしたの急に…
本山夕夏
今、浜崎先輩にいっぱい大事なこと教えてもらって…
本山夕夏
榎戸くんに絶対謝んないとって思って…!
本山夕夏
許して貰えないのは分かってるけど、謝るだけ謝らせて。
本山夕夏
ごめんなさい!!
榎戸海里
…頭上げてよ、
本山夕夏
、?
榎戸海里
完全に許すことは…なかなか無いかも、だけどさ、
榎戸海里
大丈夫だよ。
榎戸海里
僕、元気だし、!
本山夕夏
ほ、本当に、?
浜崎吟
…心広すぎ。
榎戸海里
わっ!!吟…
横から入ってきた吟に、 思わず僕は飛び退いてしまった。
浜崎吟
普通いじめてきた奴にこんな優しくする?笑
榎戸海里
え、なんかごめん…?
浜崎吟
謝る必要ないよ?
これ褒め言葉。
これ褒め言葉。
榎戸海里
やったぁ、!
浜崎吟
かわい…
本山夕夏
あんな酷いことしたのに明るくしてくれてありがと…
榎戸海里
ううん、すっごい反省してたし、!
本山夕夏
本当に…本当に、ありがとう。
夕夏が帰った後
浜崎吟
海里、明日の放課後空いてる?話したいことあって、
榎戸海里
あー、うん!大丈夫。
浜崎吟
ほんと?じゃあ校門で待ち合わせな。
榎戸海里
分かった!
話したいことってなんだろ…
なんかちょっと怖い、かも。
翌日の放課後
榎戸海里
あ、吟!
榎戸海里
待たせた、?
浜崎吟
全然。俺も今来た。
榎戸海里
よかった、!
榎戸海里
話したいことって…?
浜崎吟
遅くなりそうだし帰り話すわ。
榎戸海里
ん。
僕は吟の隣に着いて歩き始めた。
浜崎吟
海里って好きな人いる?
吟から恋愛の話を振ってくるのは すごく珍しい。
なんかあったのかな…
榎戸海里
んー、いないよ!
浜崎吟
そう、なんだ…
榎戸海里
うん、!
浜崎吟
実はさ、俺…
浜崎吟
海里のこと、恋愛対象として好き。
榎戸海里
へ…?
恋愛、対象…?
そもそも好きとか分かんないし…
僕、吟のことそんな風に 思ったことないよ、?
浜崎吟
付き合ってほしい。
どうしよ、なんて答えればいい?
榎戸海里
あ、え…っと…
榎戸海里
一旦時間ちょうだい、
榎戸海里
ほんと、ごめん…
浜崎吟
全然大丈夫、ゆっくり考えて。
浜崎吟
じゃあ、俺はここで。
榎戸海里
うん、バイバイ、
これからどうしよ…
花凪多
今回流石に作者の叫びを書かせてください…
花凪多
海里ぃぃぃ!!鈍感すぎてやばいぞ!!!!
花凪多
ガンガン嫉妬してんのに気づかんの好きすぎて書いちゃった☆
花凪多
それじゃ!