『君にとって僕は何？』

あれから俺らは、ずっと抱きしめ合っていた。

他のみんなが来るまで、ずっと。

まるで、2人きりの時間を噛み締めるかのように。

恋人でもないくせに。

ただの、相方なのに。

そこにある感情は、俺らの関係には相応しくないもので。

溢れる感情を、必死に堪えた。

ピーンポーン

そう言って笑った君の顔は、本当に困っていた。

俺だって、自分で呆れそうになる。

別れを告げた本人が、いつまでも未練がましいんだから。

皆が来たら、ころんとはあまり話せなくなるんだろうな。

まぁ、仕方のないことだ。

少し頭を撫でてみたら、ころんは顔を赤くしてこちらを見てきた。

口がポカンと開いていて、なんだか可愛らしい。

ころんの視線が、俺のズボンに向く。

こいつ…‪w‪w

本当なら、キスの一つでもしたい。

でも…俺らの関係では…

きっと、ころんは助け舟を出すつもりで言ったのだろう。

けれど、その表情は引きつっていて、声も震えていた。

つまり、逆効果だ。

正直、言いづらかった。

俺ら別れました、なんて。

さっきまで、からかわれてたくせに。

本気で嫌がる素振りすら見せなかったのに。

気まづくなるだけじゃんか。

…でも、もっと違う理由が一つだけあった。

皆に言ってしまったら、本当にもうころんと関われなくなる気がした。

みんなは優しいから。

気まづくなんないように、って、公式ペアを変えたりもするかもしれない。

それが、嫌だった。

わがまま、なのかもしれない。

バタンッ