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👎
なんか凄かったです笑 どのバレンタインもやだなぁ、、笑 胸毛を入れてここまで話になるの凄いですね、、 お疲れ様です笑
2月14日
その日は素敵なバレンタインデー
そんな聖なる日に
ある5人の男達が居た
須山 しのぶ
トニー
百合 二郎
鈴木 ライアン 大輔
西川 仁
男達は静かに闘志を燃やし
バレンタインを今か今かと待ち望んでいた
これはそんな男達の
戦いの物語である
須山 しのぶ
須山 しのぶ
須山 しのぶ
須山 しのぶ
鏡の前で前髪を整えながら
俺はほくそ笑んだ
須山 しのぶ
学園一のイケメンと言われる俺
もちろん、マドンナとも超絶仲良し
今年のチョコ数は確実に俺が1番だろう
須山 しのぶ
バッグの中にデカイ紙袋を5つ詰め込み
俺は意気揚々と学校へ向かった
トニー
トニー
トニー
カメラの前で笑顔を作る
最近新調したエプロンを身にまとい
お決まりのポーズ
トニー
トニー
トニー
トニー
横に流れていくコメント
増える閲覧数
今日のスタートも絶好調!
百合 二郎
バレンタインなんて良い事無い
だってチョコレートなんて1つも貰えない
実家から出た俺には
母親からのチョコすら無い
百合 二郎
気分が上がらなくても
仕事には行かなければいけない訳で...
百合 二郎
百合 二郎
力無く呟いて
重い扉を押し開いた
鈴木 ライアン 大輔
朝起きて
歯を磨いて
家を出る
鈴木 ライアン 大輔
鈴木 ライアン 大輔
鈴木 ライアン 大輔
鈴木 ライアン 大輔
いつも以上に声を出し
徒歩5分の通学路を歩く
西川 仁
この世はピンクに染まっている
いや、この世は大袈裟すぎた
せめて"全国は"にするべきか
そんな真っピンクな世界で
あ、いや、茶色か
茶色とピンクに染まった周りを後目に
僕は悲しく
1人でトボトボと歩いていた
西川 仁
西川 仁
西川 仁
西川 仁
須山 しのぶ
キャー!!
しのぶくぅーん!
今日も格好良い〜ッ
チョコ貰ってぇ〜!
こっち向いてしのぶくーん!
今日も尊くて死ぬッ
須山 しのぶ
須山 しのぶ
ギャ〜ッ!!
須山 しのぶ
須山 しのぶ
須山 しのぶ
須山 しのぶ
須山 しのぶ
須山 しのぶ
はぁ〜い!!
須山 しのぶ
須山 しのぶ
須山 しのぶ
須山 しのぶ
マドンナ
マドンナ
須山 しのぶ
マドンナ
マドンナ
マドンナ
須山 しのぶ
須山 しのぶ
マドンナ
マドンナ
マドンナ
須山 しのぶ
須山 しのぶ
須山 しのぶ
須山 しのぶ
マドンナ
マドンナ
須山 しのぶ
須山 しのぶ
須山 しのぶ
マドンナ
マドンナ
マドンナ
須山 しのぶ
マドンナ
マドンナ
マドンナ
須山 しのぶ
マドンナ
マドンナ
須山 しのぶ
須山 しのぶ
須山 しのぶ
須山 しのぶ
須山 しのぶ
須山 しのぶ
須山 しのぶ
マドンナ
マドンナ
マドンナ
須山 しのぶ
須山 しのぶ
須山 しのぶ
須山 しのぶ
マドンナ
マドンナ
トニー
トニー
トニー
トニー
トニー
トニー
トニー
トニー
トニー
バレンタインデーに予定なんか有る訳ない
なのでいつもと変わらない事をする
男一人で料理配信
だからって虚しくなんかない
だってこれは俺の趣味だから!
トニー
トニー
既に美味しそう 今年も0の予感... 匂いだけでも嗅ぎたいッ 二ー君、ハッピーバレンタイン♥ いて 俺なら開ける 手作り逆チョコとは...有り
ネット販売いつですか? 美 こんにち 今更だけど、エプロン変えた? 女の子より料理上手 チョコ3個貰っ 嫁にしたい男の子ランク上位確定トニー君
流れるコメントを目で追いながら
俺は料理を楽しむ
最近はアンチのコメントは減ってきたし
落ち着いた良い配信になってきている
女の子にモテたいとか
そんな事は少しも興味無い
そんな事よりも
もっと料理好きの人と料理の話がしたい!
トニー
トニー
トニー
トニー
トニー
トニー
トニー
トニー
ここまで順調に進んでいたのだが
急にトラブルが発生した
トニー
トニー
トニー
百合 二郎
何ともない道を歩いていると
何やら前の方に人集りが出来ている
百合 二郎
百合 二郎
あの人集りを迂回するとかなり遠くなる
つまりは突破せねばならない
あの気絶しそうな人混みを
百合 二郎
百合 二郎
百合 二郎
揉みくちゃにされながら人混みを突き進む
一体この先に何があると言うのだ
正確には分からないが
多分、中心部の丁度右側を今通り過ぎている
と、その時
ドンッ!
百合 二郎
ドサッ
百合 二郎
人の波に跳ね除けられ
俺は地面に尻を強打した
じんわりと広がる痛みに顔をしかめ
少し涙目になりながら腰を擦る
大丈夫ですか?
ふと目の前に差し出された左手
優しそうな声に
顔を確認するよりも先に、その手に掴まった
百合 二郎
百合 二郎
グイッと手を引いてもらい
何とか立ち上がって顔を上げる
そして俺は中腰のまま固まった
お兄さん!こんにちわ!
私の名前は
胸毛 触出井!
むなげ、ふれでぃ、さっ!
・
・
・
百合 二郎
鈴木 ライアン 大輔
鈴木 ライアン 大輔
鈴木 ライアン 大輔
教室に入るや否や
大きな声でご挨拶
騒がしかった教室が静まり
そして沢山の挨拶が返って来る
鈴木 ライアン 大輔
鈴木 ライアン 大輔
鈴木 ライアン 大輔
期待に満ちた眼差しで皆を見詰める
再び静まり返る教室
ドサドサドサッ
鈴木 ライアン 大輔
はい、ライアン!
大輔ほらよ!
鈴木〜おすそ分け
大輔くんチョコあげる〜!
鈴木 ライアン 大輔
机の上に次から次へとチョコレートが置かれる
女の子からも
男の子からも
皆凄く優しい
鈴木 ライアン 大輔
鈴木 ライアン 大輔
1人分にしては多すぎる量のチョコレート
だけど、僕は満足出来ないでいた
本当の本当に欲しいチョコレート
僕はまだそれを貰ってない
鈴木 ライアン 大輔
鈴木 ライアン 大輔
鈴木 ライアン 大輔
鈴木 ライアン 大輔
声を掛けた女の子は
驚いた様に振り返った
鈴木 ライアン 大輔
鈴木 ライアン 大輔
女の子はフルフルと首を横に振った
戸惑う姿がとても可愛い
僕の隣の席の子
最近気になる女の子
鈴木 ライアン 大輔
小さくコクンと頷いて
女の子はそっと包みを僕の前に差し出した
鈴木 ライアン 大輔
僕は女の子の手ごと包みを受け取る
そして満面の笑みで
鈴木 ライアン 大輔
女の子にお礼を言ったのだった
西川 仁
西川 仁
西川 仁
西川 仁
西川 仁
外国の人
外国の人
外国の人
西川 仁
笑顔で手を振り返し
背中を向けて今来た道を戻る
西川 仁
西川 仁
西川 仁
西川 仁
西川 仁
西川 仁
そんな訳は無いんだけれど
そんな気がするから、そーゆー事にしておこう
バレンタインに1人きりなのも虚しくて
僕は近所のスーパーに自分用のチョコを買いに家を出ていた
その途中、道に迷って困っている人が居た
日本人じゃなかったから心配だったけど
何とか役に立てたようだった
西川 仁
人の役に立てた事が嬉しくて
僕はチョコの存在も忘れて家へと帰った
西川 仁
西川 仁
西川 仁
アパートの集合ポスト
僕の部屋用のポストに、何やら投函されている
鍵を開けて確認してみると
何やらプレゼントみたいなピンクの箱だった
西川 仁
西川 仁
西川 仁
時期的にもラッピング的にもそうに違いない
てゆーかそうとしか思えない
いや、そー思いたい!
西川 仁
西川 仁
西川 仁
西川 仁
西川 仁
西川 仁
西川 仁
僕はルンルンで家の中へと入ったのだった
須山 しのぶ
須山 しのぶ
須山 しのぶ
須山 しのぶ
須山 しのぶ
須山 しのぶ
マドンナ
マドンナ
須山 しのぶ
須山 しのぶ
須山 しのぶ
須山 しのぶ
須山 しのぶ
須山 しのぶ
マドンナ
マドンナ
マドンナ
マドンナ
マドンナ
マドンナ
須山 しのぶ
須山 しのぶ
須山 しのぶ
ざわざわ...
ざわざわ
しのぶ君、何かダサくない?
だよね、だよね!
え、普通に幻滅なんですけど...
全然イケメンじゃないじゃない!
酔ったら子供みたい
しのぶ君、お子ちゃま〜
えー、何か興醒め
もう教室行こー
ざわざわ...
須山 しのぶ
須山 しのぶ
マドンナ
須山 しのぶ
マドンナ
マドンナ
須山 しのぶ
須山 しのぶ
須山 しのぶ
マドンナ
マドンナ
須山 しのぶ
須山 しのぶ
須山 しのぶ
マドンナ
マドンナ
マドンナ
マドンナ
マドンナ
須山 しのぶ
トニー
配信が止まって5分
全然復帰してくれない
トニー
トニー
トニー
トニー
ソース作りの為につけた火を消す
何度見ても、何度いじっても
配信の画面は固まったまま動かない
特別機械に詳しい訳でもないし
画面自体がフリーズして何の操作もできない
トニー
トニー
トニー
テレビ方式で軽く叩いてみても
やっぱり直るはずない
困り果てていると
バチッ...
突然、部屋中の電気が消えた
トニー
トニー
トニー
トニー
トニー
暗い場所は得意じゃない
唯一パソコンがフリーズした画面のままだったので
その明かりを頼りにスマホを探す
トニー
トニー
スマホのライト機能を使い
辺りを明るく照らし出す
トニー
目の前で照らされたもの
それは、さっきまで作っていた料理
その異様な姿
チョコレートを題材にした料理だったのだが
皿の中身は見事に溶けきっていた
もちろん、材料はチョコレートだけじゃない
なのに、全て溶けてしまっていた
トニー
トニー
トニー
トニー
失敗作を生み出すのはよくある事
でも成功していたものが急にダメになるのは
かなりショックだった
原因は分からない
一体何が起こってるのか見当もつかない
トニー
トニー
トニー
ツンと鼻を刺すような
嗅いだ事も無い異臭がし始めた
眉を寄せて周りを見る
そして少しの違和感に気付く
トニー
トニー
そう、腰くらいの高さだった机が
自分の胸くらいにまで伸びていた
しかもそれは
トニー
トニー
現在進行形で高さを増していた
ドロドロ
トニー
机に気を取られていると
何やら足元にドロドロとした感触が伝う
恐る恐る足元を覗くと
自分の足元にはドロドロとした
チョコレートの様な液体が広がっていた
トニー
トニー
トニー
トニー
トニー
ドロドロ...ドロドロ
ドロドロの液体が流れ出ている場所を突き止めるべく
スマホで足元を照らす
そして俺は声にならない叫びを上げる
トニー
トニー
ドロドロに溶けていたのは
間違いなく自分の体だったのだ
ドロドロドロドロ
百合 二郎
百合 二郎
胸毛!触出井!
頭が追い付いてないのは俺だけか?
鬱陶しい人集りの中心にいたのは
ハイレグを着た汚ぇ胸毛野郎だった
百合 二郎
百合 二郎
オッサンなんて呼ばないでッ
胸毛触出井だよ!
百合 二郎
百合 二郎
百合 二郎
オッサンのハイレグも
有り余るモッサモサの胸毛も
無駄に長い睫毛も
無駄にセクシーなケツアゴも
このオッサン存在が全て猥褻物だ
百合 二郎
百合 二郎
百合 二郎
帰るだなんてノンノン!
皆、待ってる!
一緒にポーズ、してくれよな!
百合 二郎
胸毛が吐きそうなウインクをかました時
イエエエエエイ!!
百合 二郎
百合 二郎
周りに集まっていた人が
一斉に叫び出した
すると
ダカダカダカダカダカダカダカ
ダンダンッダンッ♪
どこからともなく不思議な音楽が流れ始め
イッツ、ショータイム★
ハートにチョコを♥
貴方に胸毛を♥
百合 二郎
胸毛が訳分からん事を言いながら迫って来る
俺はじりっと後退るが
貴方の胸毛はどんな色?♪
百合 二郎
百合 二郎
さぁ、このチョコを
おったっべ♥
百合 二郎
呆気なく胸毛に捕まり
得体の知れない毛の生えたチョコを
口の中に放り込まれた
鈴木 ライアン 大輔
朝起きて
歯を磨いて
鏡を見る
鈴木 ライアン 大輔
鈴木 ライアン 大輔
今日も元気に
行ってきます!
西川 仁
ポストに届いていたプレゼントの中身は
やはりチョコレートだった
何だか高そうなチョコだったけど
味はその辺の板チョコとあまり変わらなかった
西川 仁
西川 仁
1度クシャクシャにして捨てた包装を
ゴミ箱から取り出してもう一度確認する
西川 仁
西川 仁
包み紙を広げても
箱の中身を全て出しても
どこにも手紙やメモ書きみたいなのは無かった
西川 仁
西川 仁
西川 仁
チョコの包みとは別に手紙が入っていたかもしれない
そう考えて、僕は急いでポストを確認しに行く
西川 仁
西川 仁
西川 仁
狙い通り
ポストにはラブレターの様なピンクの封筒が入っていた
西川 仁
気配を感じて振り返る
が、まぁ、誰も居ないし
何も無い
西川 仁
誰に向けて言ったのか自分でも分からない
とりあえず、手紙を持って再び部屋へと帰った
西川 仁
西川 仁
西川 仁
サキホドハ、アリガトゴザマシタ
ワタシ、アナタ二カンシャシタイ
キョウニホンデワトクベツナヒキイタ
チョコレートデカンシャツタエル
トテモアリガトゴザマシタ
ワタシノカンシャノココロ
タベテ
ク
レタネ
ジンサン、コレデ
ズットイッショ、ズット
モウ、ハナレナイ
西川 仁
西川 仁
西川 仁
西川 仁
西川 仁
西川 仁
西川 仁
西川 仁
西川 仁
西川 仁
ジンサン
西川 仁
西川 仁
モウミテルダケ、ツライ
西川 仁
西川 仁
西川 仁
イッショナレテ...
ウレシイヨ
西川 仁
西川 仁
西川 仁
パキンッ
西川 仁
僕の意識はそこで途切れた
皆さんのバレンタインデーは
いかがでしたか?
是非教えて頂きたいものです
楽しみに待っていますよ?
それではまた、お会いしましょう
〜fin〜