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恋の矢印って不思議だと思う。
誰が誰を好きになるかなんて、最初から決まっている訳じゃない。
だけど──
もし、たくさんの矢印がたった1人に向いていたら?
それはきっと、物語の主人公だ。
例えば、そう。
強くて無口な不良。
優しくて完璧な王子様。
チャラくて明るい人気者。
そんな人達が、1人の少女に集まる。
まるで、夢小説みたいに。
「夢ちゃん!」
「夢、ちょっと来い。」
「夢ちゃん、大丈夫?」
誰もがその名前を呼ぶ。
その中心にいるのは──
白凪 夢。
特別な能力も、特別な魅力もない。
ただ少しだけ不思議な─
…いや?
何の変哲もない、ただの面倒くさがりの女の子。
そしてもう1人。
彼女の隣には、いつもこの子がいる。
萌
桃瀬 萌。
可愛くて甘くて、みんなに好かれるぶりっ子。
……表向きは。
この、私立青嶺学園(せいれい)にはランキングがある。
喧嘩の強さ。
頭の良さ。
カリスマ。
全てが数値化される学園。
だけど──
このランキングには、絶対に載らない名前がある。
それが、桃瀬萌。
理由は簡単。
彼女の本当の強さを誰も知らないから。
もしこの物語がただの夢小説なら、きっとこうなるはずだ。
たくさんの男の子に囲まれて、
ヒロインが愛されて。
最後に誰かと結ばれて幸せになる。
だけど。
この物語は少し違う。
なぜなら──
萌
そう言って笑うこの少女が、
この物語で1番危険だから。