秘密を抱えた瑞希さん

｢おーい？暁山。｣

｢…ったく。暁山。｣

瑞希はゆっくりと片目を開ける。

そこには

今朝の類と同じように｢やれやれ｣という顔をしている彰人だった。

ｸﾞｩｩｩ

その時、瑞希のお腹からやる気のない音が聞こえた。

｢ﾊｧ…｣と彰人が呆れたように溜息を出す。

｢…風邪引くぞ。｣

そう言うと彰人は袋からカツサンドを取り出した。

瑞希と彰人は雑談をしながら(主に瑞希がしゃべる)昼食を楽しんだ。

ｰ昼食後ｰ

彰人はちょっと急ぎ足で階段を降りていった。

少し彰人の耳が赤くなっているのを瑞希は見逃さなかった。

そう言うと瑞希はルンルン気分でハシゴを登るのだった。

丁度屋上では瑞希が彰人の話をしているところである。

類は少し笑うと階段を上がっていった。

彰人は駆け足で階段を降りていった。

少し下から聞き覚えのある声が聞こえてくる。

類と司だ。

そう言うと、類が階段を降りていく声が聞こえる。

カクカクシカジカ

一瞬だけ瑞希の目からハイライトが消える。

司は少し駆け足で階段を降りていった。

瑞希の目から光が消える。

瑞希は上を見上げて空を見る。

太陽の光が目に入っていてすごく眩しい。

ｷﾝｺﾝｶﾝｺﾝｷﾝｺﾝｶﾝｺﾝ

昼休み終了のチャイムが鳴る。

瑞希はそれが鳴ったあとでも

空をずっと見上げていた。