夜、お風呂も入って寝る前 直弥と電話をつないだ。
玲.
直弥おつかれ。
直弥.
……うん……おつかれ
少し間を置いて、眠そうな返事が返ってくる。 声のトーンがいつもより柔らかくて、 少しとろけたみたいな感じだった。
玲.
直弥、眠い?
直弥.
……ううん、ねむくない……
明らかに嘘。 その返事のあとに小さく「ふぁ……」って あくびの音が聞こえた。
玲.
眠いんでしょ、それ笑
今日はもう終わりにして寝よっか?
今日はもう終わりにして寝よっか?
直弥.
……やだ……れいのこえ、きいてたい……
その言葉に、思わず笑ってしまった。
玲.
俺の声聞いてたいの?
直弥.
……うん……おちつく……
電話の向こうで小さな息づかいが聞こえて、 少し沈黙が続く。 たぶんもう、半分夢の中だ。
玲.
そっか、わかった。もう少しだけ話そっか
直弥.
…うん…
他愛もない話をしているうちに、 返事がどんどん短くなっていった。
そして、やがて何も聞こえなくなった。
玲.
直弥?
呼んでも、反応がない。
その代わりに――
直弥.
すぅ……すぅ……
と、かすかに寝息が聞こえてきた。
玲.
……寝たな
少し笑って、スマホを耳にあてたまま黙って その音を聞く。 静かな夜の中、電話越しの寝息が心地よくて、 胸の奥がじんわり温かくなった。
玲.
直弥、かわいいな……
そう呟いて、名残惜しく電話を切る。 画面に映る通話終了の文字を見ながら、 そっと微笑んだ。






