あるかもしれない物語

朝6時、俺は布団から苦しみつつ這い出て いつものパーカーを着込む 俺がハクジツ様の使いになったからか、 夜叉と会話が出来るようになった 意外とありがたい

勢いよく襖を開け、今日１番の声を出す 眠りを司る神様なのに2人とも起きない、 起きてくれないと皆が夢から出れないと云うのにだ

二神のお世話をするようになって 分かった事がある 神は怠惰だ、それに我が儘で脳筋 まるで子供の相手をしてる気分になる程

二神と違って夜叉は優秀 言わずとも察するし、素直に従ってくれ 自分から手伝ってくれる 少し難があるとすれば手が早い所だな

緑と青のお弁当箱におにぎりを詰め そこ横に残りの唐揚げ、ミニトマト ほうれん草のナムルを並べた 素朴で申し訳ないが、お弁当を作る 保冷バックに保冷剤と共にしまう

身支度を終えて巫女服に着替え、裏手の神社へ階段を上る 巫女服って本当に薄くて寒いんだよね…

落ち葉や砂を竹箒で払い 参道を綺麗にする、最初はポイ捨てや イタズラとかが多かったけど深夜の警備 を夜叉に任せてからは無くなった

挨拶を交わしてから、車を出す 俺は技術職からフリーランスになった 色んな知り合いから色んな仕事を貰う

基本的にモデルと料理補助が多い フリーランスは自分で全て管理する、だから自分が好きな仕事が出来て楽しいし 俺は今に満足してる

近くても車で3時間移動、それにモデルの時は着替えやメイク、スタジオ移動が 追加であるから時間が取られていく

帰ってからご飯を作る、それと明日の 打ち合わせがあるな

布団に倒れ込み欠伸を溢す、動画撮影を 終えて夜の１２時を迎えた。 送られてきた写真を確認して連絡する、明日は何もないからおみくじを作ろう…

電気が消され夜叉の気配が消える、静かな部屋に沈んでいく 明日も良い日にしよう