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クラミィ
青い閃光が宙を駆け巡り、 空気を 音を 大地を裂いてゆく。
後に残ったのは 一直線上に抉れた赤い土と、 やけに乾ききった風に乗る 砂の嵐だけだった。
ファルク
カズミ
カズミ
カズミ
視界を遮る嵐から、 砂を纏った彼女が勢いよく飛び出す。
イズミ
振りかざした鈍器が風と砂を纏い、 荒野の魔女を襲った。
クラミィ
しかしその瞬間 鋼鉄の筒が溶けるように姿を変え、 頭上で傘のように防壁を張る。
(甲高い金属音)
イズミ
微動だにせず渾身の一撃を受け止めた "それ"は、こちらが距離を取ると 彼女の手元で球体に変化していった。
クラミィ
クラミィ
会話ができるのだろうか。 幾何学的な模様の球体が応答するように一瞬、青く光る。
イズミ
クラミィ
クラミィ
指先で器用にくるくると回し、 楽しそうにそう告げる。
クラミィ
クラミィ
イズミ
クラミィ
クラミィ
イズミ
確かに、扇雲というこの槍を使って戦闘するのは初めてだ。 自分でも使いこなせている気がしない。
だが、一つだけ。
一つだけなら知っている。
クラミィ
クラミィ
クラミィ
互いに距離を詰めず、引き過ぎず、 かと言って迂闊に動けない状況が続く。
クラミィ
クラミィ
イズミの頭上。 何かを感じる。
クラミィ
(風を切る音)
イズミ
頭上から六つの光が隕石のように 彼女に降り注ぐ。
重力に全く逆らわず、 それどころか利用するかのように 速度を上げてゆく。
イズミ
槍を真上に構え、 左手で焦点を合わせる。
イズミ
思い切りそれを投擲し、 6つの内2つの何かに当たる。
イズミ
素早く位置を変え、2つが彼女の真横に墜落する。
イズミ
クラミィ
イズミ
耳元でそう囁く声に脳が一瞬混乱する。
それでも冷静に彼女の位置を確認し、 無理矢理な体勢で回し蹴りを放つ。
イズミ
クラミィ
それも悠々と躱され 直後、泉の背中に激痛が走った。
イズミ
(倒れ込む)
クラミィ
クラミィ
クラミィ
クラミィ
クラミィ
イズミ
確かに彼女の言う通り、 イズミは最近の過度な戦闘により 疲弊しきっていた。
今は精々起きて歩くだけで精一杯だろう
イズミ
しかしそれは…
彼女の闘志を弱める理由にはならない。
イズミ
イズミ
クラミィ
「来い!!」
何処からか甲高いエンジンの様な 駆動音が聞こえてくる。
イズミが先程放った槍。
計算通りの軌道を通り、 光を2つ撃墜した後、10m程の離れた 場所に突き刺さる。
そしてイズミと扇雲を結ぶ直線…
そこに彼女を誘導したのだ。
クラミィ
猛スピードで翔ぶ槍をギリギリで躱す。
彼女の回避能力はこの場にいる 誰よりも上だった。
しかし、それもまた計算通り。
イズミが扇雲を綺麗に手元に収める。
クラミィ
クラミィ
幾何学模様の何かが形を創り上げる前に 鈍器でそれを鈍く砕く。
(鈍い金属音)
まるで水滴のように小さな小さな球体が 四方八方に飛び散らかる。
クラミィ
(刃を首に当てる)
クラミィ
クラミィ
クラミィ
イズミ
イズミ
クラミィ
突然イズミの体から力が抜け、 意識が朦朧とし始める。
クラミィ
立ち姿を維持することもままならぬまま 意識を失ってしまった。
イズミ
イズミ
同時刻。 熊宮家にて_
男
男
ギルシア
ギルシア
ギルシア
ギルシア
ギルシア
ギルシア
???
???
ギルシア
ギルシア
クマの酷い男はそう言い放つと、 数人の男を引き連れて部屋を後にした。
???
???
(爆発)
何の音だ?
おい燃えてるぞ!?
いきなり爆発したんだよ!
事故か?
犯人捕まえろ!
謝礼だ謝礼だぁ!
淡い橙に染まる空に、騒々しい人々。
崩れ落ちた家の瓦礫に、燃え盛る炎。
???
???
町中に突如現れたその狂喜は、 周囲の全てを破壊し、亡き物にしていった。
Profile.11 クラミィ
クラミィ
クラミィ
クラミィ