Mad Paradise〜序章〜

授業終了のチャイムと共にドタバタと廊下を走る音がきこえる

俺はジト目でキラキラ目を輝かせる 後輩の彼女の方を見た

後輩はぷくっと頬を膨らませる …怒ってんだか怒ってないんだか

俺とこの子は「UMA部」という 部員5人の8割腐った 部活に入っている こいつは俺に憧れて入ったんだとか (こんな陰キャのどこがいいんだか 俺にはわからない)

…本題に戻ろう

ニヤッとしたかと思うと 急にカバンの中をガサガサと探しだす …とその時

…と、幼なじみのまなが向こうから 歩いてきた そういや、今日カラオケ行こうって 誘われてたな

鞄をひっくり返して 安定の欠点のテストをばらまけている ゆいを放ったらかして まなの元へ向かう

ゆいの声が廊下に響く …マジ恥ずいからやめてほしい、 切実に

そんなことを思いながら時計を見ると もう夜の12時を回っていた

アラームを設定しようと スマホに手を伸ばすと

ありえないほどの大量の通知が

早く寝たいという思いをこらえて 「後輩」の名前をポチッと押す

…好き勝手言いやがって

ということで、なんやかんや言って 結局行くことになった 今年の「合宿」

…この先に大波乱の展開が 待っているなんて 俺ももちろん、 ゆいだって、知る由もなかった───