作者
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月日が過ぎて、僕らは高校生となった。
愛用しているベッドホンでサカナ○ションを聴きながら登校していた。
月島蛍
山口忠
月島蛍
後ろから山口が右肩をポンと叩いて、僕に話しかけてきたので、ヘッドホンを外す。
山口忠
ツッキー!!
月島蛍
別に新学期って言っても授業なんかダルいんだからそんないつもと大して変わらないデショ
山口忠
山口忠
月島蛍
山口が突然そう言い出す。
はぁ…?どういうこと? 何でこんなところにアイツが…
白鳥沢とか青葉城西とかもっとエリートなところあるだろ… なんでこんな弱小に……
月島蛍
山口忠
廊下で似たような人とすれ違っただけだからもしかしてって……
月島蛍
あの北一のセッターがうちに居るわけないじゃん
月島蛍
その根拠が絶望的に弱いことに心の中で安堵した。
もし烏野のバレー部であんなセッターがいたら死ぬほど嫌だね
山口忠
月島蛍
そうだ、どうせ他人の空似だ。
あの北一のセッターが烏野に居るわけがない
1週間後__
影山飛雄
よろしくお願いします!!
月島蛍
他の入部するやつ2人が問題起こして3対3する初めて顔合わせる当日。それぞれの自己紹介のとき。
もしかして…と思ったソイツは案の定北川第一のセッターだった。
月島蛍
こんな奴がセッターとか絶対高校バレー終わった……)
山口忠
隣に居た山口がそう呟く。 おそらく、僕と同じ心境だろう。
隣にいるチビは知らないけど澤村さんから話を聞いたところ、全くの素人らしい。
まぁ3対3は別に適当にやればいいか。
3対3__。
田中龍之介
影山飛雄
アイツがトスをあげる。 フワッとしたトスで、天才と呼ばれてあるだけ完璧なトスだった
あの決勝のときみたいなトスを毎回あげるわけではないと、まぁ当たり前のことだが少し安堵した。
だけどやっぱりその鋭い目と険しい表情は変わっていなかった。
その目は黒く、まるで夜の闇に呑まれてしまいそうな目をしていた。
なんだ、やっぱり中学のときのままじゃないか。ふと心の中でそう思った。
だけど、僕はその目が変わる瞬間を見てしまった。
"居るぞ!!!"
"中学のことなんか知らねぇ!!"
"俺にとってはどんなトスだってありがたぁ~いトスなんだ!!"
"俺はどこにだってとぶ!!"
"どんなボールだって打つ!! だから!!"
"俺にトス、 持って来い!!!"
影山飛雄
素人のチビがそうアイツに言った。
そのチビは右手を胸のあたりの服を握りしめながら強く言った。
アイツの目が変わった。
ソイツはまっすぐにその素人のチビを見ていた。
目に光を灯し、不純物が一切無い 本当にまっすぐな目で。
僕はその瞳に呑まれてしまいそうだった。
僕はその様子に無自覚に目を伸ばしていたんだ。
月島蛍
僕は何をアイツの目なんか見てるんだ。馬鹿馬鹿しい。)
月島蛍
このときは思っていなかったが、あとから分かった。
このとき既に僕は影山に惚れていたんだ、と。
続く__
作者のあとがき
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(お辞儀180度)
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ここから
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