テラーノベル
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サイレンが、また鳴る。
さっき別れたばかりなのに、隣にいるのが当たり前みたいに、蜂楽が軽く肩をすくめた。
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短く言って、走り出す。
蜂楽も何も言わずについてくる。
足音が、妙に揃う。
裂け目は、住宅街の上に開いていた。
黒い歪み。空が裂ける感覚。
でも__
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着いた時には、もう“終わっていた”。
マモノの気配が、消えている。
残っているのは、削れたアスファルトと、空気に残る黒い残滓だけ。
そして。
その中心に、ひとり。
魔法少年。
黒い影の汚れを振り払うみたいに、腕をぶん、と振る。
動きに無駄がない。
戦闘の“後”だっていうのに、緊張が切れていない。
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隣で、蜂楽が名前を呼んだ。
その一言で、そいつを“知っている”と分かる。
凛、と呼ばれた少年が、ゆっくりとこちらを見る。
視線が合う。
__鋭い。
言葉がなくても分かる。
全く歓迎されていない。
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無言のまま、睨まれる。
態度が悪い。
というか、露骨だ。俺らに対する嫌悪を隠す気もない。
rn
低い声。
第一声がそれか、と思う。
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事実だけを返す。
余計な感情は乗せない。
rn
舌打ち。
大きくて、とても分かりやすい。
rn
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それで会話は終わるはずだった。
でも。
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蜂楽が、横から顔を出す。
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軽い口調。
距離が近い。
凛の視線が、蜂楽に移る。
ほんの一瞬だけ。
その目がわずかに、揺れた。
rn
低く呟く。
rn
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rn
理由になってない。
でも、それ以上踏み込ませない圧がある。
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蜂楽は気にした様子もなく笑う。
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名前を呼ばれる。
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凛の眉が、わずかに動く。
rn
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言葉を重ねる。
二人とも、同時にこっちを見る。
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事実だけ並べる。
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沈黙。
凛が、じっとこちらを見る。
その視線に、妙な圧がある。
まるで試されてる、みたいな。
rn
嘲笑、鼻で笑う。
rn
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即答。
凛の目が、少し細くなる。
rn
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rn
空気が、張り詰める。
でも。
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蜂楽が笑った。
緊張が、少しだけ崩れる。
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当たり前みたいに言う。
その言い方に、また違和感が残る。
俺を“知っている”前提。
でも、やっぱり知らない。
rn
凛が視線を逸らす。
rn
それだけ言って、背を向ける。
離れていく足取り。
そのはずなのに。
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小さく、吐き捨てるみたいに言った。
止まらないまま。
その言葉だけが、残る。
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蜂楽がくすっと笑う。
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少しだけ、声が落ちる。
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曖昧な答え。
でも。
それを、否定できない自分がいる。
凛の背中を、目で追う。
遠ざかっていく。
__その距離が。
なぜか、少しだけ気になった。
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次の裂け目を探す。
守るべきものは、まだある。
でも。
増えていく“違和感”の意味を。
まだ、俺は知らない。
コメント
3件
今回もとっても面白かったです!蜂楽の自分は覚えてるのに、相手は覚えてない切なさ?と、でもやっぱり一緒にいたいって言う気持ちが混じってるのかな?と思いました!