テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
__気に入らねぇ。
あの目。
冷めてるくせに、迷いがない。
全部分かってるみたいな顔で、“正解”だけを選ぶ。
ああいうやつが、一番嫌いだ。
rn
瓦礫の上に腰を下ろす。
さっきの戦闘の余韻は、もう消えている。
体は動く。問題ない。
なのに。
rn
胸の奥が、妙にざわつく。
理由は分かってる。
あいつだ。
__潔世一。
合理で動くくせに、妙なところで踏み込んでくる。
距離の詰め方が、気に食わない。
それに。
rn
どこかで見た気がする。
でも、思い出せない。
でも、思い出す必要もない。
なのに、引っかかる。
rn
吐き捨てた、その時。
ピシ、と。
空が鳴った。
rn
立ち上がる。
裂け目が、開く。
黒い歪みが、いつもより深い。
“濃い”。
嫌な予感がする。
落ちてきたそれは、今までのとは違った。
輪郭が、妙にはっきりしている。
影じゃない。形を持っている。
二体。
rn
舌打ち。
でも、問題ない。
踏み込む。
__速い。
一体目の攻撃を避ける。
二体目が、死角から迫る。
rn
捌ききれない。
腕で受ける。衝撃が走る。
重い。
今までのやつより、明らかに強い。
rn
一旦距離を取る。
即座に思考を回す。
今まで一体なら問題なかった…。
でも二体同時は__
bcr
声。
舌打ちが、もう一度漏れる。
rn
振り向かなくても分かる。
bcr
軽い声。
rn
もう一つ。
足音が、並ぶ。
isg
潔の声。
迷いがない。
isg
勝手に割り振る。
rn
isg
即答。
腹が立つ。
まるで俺の心を全部見透かしたような目。
でも。
間違ってはいない。
rn
吐き捨てる。
体が、動く。
衝動。
踏み込む。
考える前に、距離を詰める。
一体目の懐へ。
拳。
避けられる。
でも、追う。
速さじゃない。勢いで潰す。
横から、風が抜けた。
潔。
全く無駄がない動き。
“完璧に噛み合うタイミング”。
rn
rn
やりやすい。
認めたくねぇのに。
bcr
オカッパの声。
笑ってる。
まるでギリギリを遊んでるみたいに。
三方向。
挟む。
崩す。
一体目が、崩れる。
isg
潔の声と同時に、黒が弾けた。
後、一体。
振り向く。
オカッパが、危ない距離で遊んでる。
rn
bcr
rn
踏み込む。
横から叩き込む。
オカッパと動きが重なる。
一瞬の隙。
isg
潔。
三人の攻撃が、重なる。
爆ぜる。
静寂。
rn
息を吐く。
終わった。
bcr
オカッパが笑う。
rn
否定は、できない。
逆にやりやすい…。
でも、それが、気に入らない。
rn
気づけば、口を開いていた。
潔を見る。
近い。
距離が。
isg
平然と返す顔。
__近づきすぎだ。
rn
意味の分からない言葉が出る。
isg
自分でも分かってる。
理由なんて、ない。
ただ。
『これ以上、近づくな。』
rn
言えない。
そんなの、言えるわけがない。
rn
背を向ける。
離れる。
足が、勝手に動く。
isg
呼ばれる。
でも、止まらない。
rn
背を向けながら。それだけ言って、歩き続ける。
逃げるように。
__分かってる。
近づいたら、また失う。
兄貴も、そうだった。
理由なんて、どうだっていい。
結果的に“離れていった”それだけで、十分だ。
rn
拳を握る。強く。
胸の奥が、少しだけ痛む。
でも、それでいい。
全部失うなら。最初から、誰も、何も要らない。
……そう決めたはずなのに。
さっきの連携が、頭に残る。
あの一瞬。
3人、噛み合った感覚。
__あれは。
rn
吐き捨てて、足を速めた。
アイツから距離を取る。
それが、一番正しい。
近づけば。
どうせまた__
全部壊れてしまうから。
コメント
1件
1話抜けてました.....でも!あとから読んでも面白いです!凛が言いたいのに言いたくないっていう矛盾が良いです!本当に面白い話ですね!