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校長先生の声が体育館に響いた。 体育館を見渡すといわゆる不良と呼ばれる生徒達がいた。 今まで通りごく普通な生活が続くと 思っていた。 とにかくこの人たちに 目につかないように 大人しくしていよう。 そう思った時、隣に座っていた華奢な女の子が勢いよく立ち上がった。
???
彼女が立ち上がった瞬間 ふんわりと動く肩ほどの長さの髪 ほんのり香ったホワイトムスクの香り そして小さくて可愛らしい 顔立ちだってのに 不良達に啖呵をきる度胸。 僕はこの時彼女に一目惚れをした。
不良
不良は椅子を投げて 彼女の方に歩いてきた。
優真
気が付いた時には僕はもう叫んでいた。 しまった。目をつけられないようするつもりだったのに。 そんな事を思っていると不良に胸ぐらを掴まれた。
不良
近くで見ると迫力がすごい。 腕の筋肉や目つき 正直怖くて足が震えていた。
不良
僕はそのままされるがまま校舎の裏に連れていかれ不良達に殴られた。 いたい。誰か助けて。 殴られたからなのか恐怖からなのか 声が出せなくなっていた。
???
さっきの子が先生を連れてきてくれた。
不良
不良達は逃げていった。
???
優真
僕は顔を殴られたせいで不器用な笑顔を作った
???
優真
???
優真
ゆづき
近くで見ると綺麗な二重で 通った鼻筋 薄い唇に 綺麗な白い肌。
先生
もう少し彼女とお話しをしたかったけど 先生に連れられて保健室に向かった。 それきり特に彼女と話すことはなくその日の学校は終わった。
お父さん
家に帰るとお父さんが心配そうに言う。
優真
と僕はまた不器用に微笑む
部屋に戻ると朝は確かに机の上にあったはずの紙は消えていた。 この時の僕はまだ気づいていなかった。 明日から過酷な学校生活を送ることになるなんて。
校門に先生が立って 生徒達に挨拶をしていた。
不良
いきなり俺は後から蹴りをくらった。
不良
昨日の不良だった。
先生
鳳
先生に怒鳴られながら鳳という不良は 教室に向かっていった。
こんな僕にでも趣味くらいはある。 空いた時間に小説を読んでいるとゆづきが近づいて来た。
ゆづき
優真
ゆづき
優真
ゆづき
とゆづきは笑う
何気ない話だけどゆづきと話すことが楽しくて仕方なかった。 それから僕たちは毎日いろんな話をした ゆづきと話している時が 一番幸せな時間だった。 でもそれと同時に不良達のいじめもどんどんひどくなっていた。
鳳
優真
なんで僕がこんな目にあわなきゃ いけないのか 悔しさから涙が溢れた。
鳳
不良達は僕をいじめるのが楽しいのか いつも笑っていやがらせをしてくる。
ゆづき
ゆづきだ。 僕は男のくせに女の子に守られて 情けない奴だ。
ゆづき
僕のことを心配して 言ってくれたみたいだ。 僕は素直に嬉しかったから 一緒に帰ることにした。
ゆづき
優真
ゆづき
ゆづきはいじわるな顔で笑って言う。
僕は恥ずかしくなって顔を隠した。
ゆづき
優真
その日家に帰るとお父さんはまだ帰ってきていなかった。 お父さんの分の夕飯も準備して お風呂に入っていると外から救急車のサイレン音が聞こえて来る。 お父さんがまだ帰ってきていないという事で少し不安な気持ちになった。 しかしお風呂から上がるともうお父さんは帰ってきた。 なんだ無事だったのかと安心していると お父さんが不思議そうにこっちを見てきた。
優真
と僕はお父さんに説明をした。
お父さん
するとお父さんは笑いながら答えた 僕は安心して眠りについた。
先生
先生
優真
僕は信じられないほどのショックを受けた "そんなうそだろ" だって昨日一緒に帰ったじゃないか" その直後の事ってことか。 僕の頭の中はゆづきのことばっかりだった。 いつものように不良にどれだけ殴られても痛くもないほどに。
そして気がつけば学校が終わっていた。 そんなことがあっていいのだろうか。 僕は枕を涙を濡らして眠った。
鳳
僕は背後から鳳に蹴られた。
あれこれ昨日と同じ。
鳳
先生
優真
俺は不思議で頭が いっぱいになっていた。
ゆづき
ゆづきの声だ。
優真
僕は慌てて答える。
優真
ゆづき
ゆづきは黙り込む。
優真
僕は自分が何を言っているのか 恥ずかしくなって笑って誤魔化した。
ゆづき
優真
ゆづき
昨日はここで別れた後に ゆづきは事故にあったんだよな。
優真
ゆづき
だめだ。このままいかせたらゆづきは。
優真
俺は何を話せばいいのかわからずこんなことを口走っていた。 ゆづきは顔を赤らめて下を向いているだけだった。 そのまま僕たちはその分かれ道で1時間くらいくだらない話をして帰った。
家に帰るともうお父さんは帰ってきていて夕飯も準備されていた。 その日の夜は救急車の音が聞こえる事もなかった。