1学期の最後の日
つまり、終業式
私は、特別な宿題を出された
翔希
充希
放課後
君と屋上で
二人っきりで呼び出された
君はりんごみたいな 色の顔をしてて
ちょっとおかしく 見えたのを覚えてる
翔希
翔希
充希
頬がみるみる熱くなって
君は私をじっと見つめてて
丸い瞳に吸い込まれそうになったっけ
心臓がバクバクして 落ち着かない
どうしよ…返事、しなきゃ…
でも、恋とかしたことないし…
充希
私が返事に戸惑っていると
翔希
翔希
翔希
翔希
爽やかな笑顔を見せて
屋上の入り口へ走っていった
充希
あまりにも自由人で
少しの間、時が止まった みたいに固まった
夏休み明けとか…
宿題みたい
そんな呑気な事を思ったっけ。
充希
通話
05:01
充希
雪奈
充希
雪奈
雪奈
受話器越しに 茶化すような
楽しげな声が聞こえた
充希
少し、膨れていると
雪奈
雪奈
雪奈
……………そうなの。
2学期の始業式は すぐ目の前
今日中に返事を 決めなければならない
充希
雪奈
雪奈
充希
充希
なんでかな
口籠ってしまった
雪奈
雪奈
その声が
そのトーンが
冗談だとは思えなかったから
充希
つい、怒鳴るように 叫んでしまった
雪奈
雪奈
焦る声音にハッとして
顔の温度が上がった
充希
雪奈
雪奈
充希
雪奈
雪奈
雪奈
雪奈
雪奈
難解な問題が解けたような
スッキリした感覚に包まれた
そっか… そうだったんだ。
充希
ありがとね、雪奈。 頑張るから、見てて。
そんな思いを胸に 電話を切った
耳にはまだ、雪奈の 明るい声が響いていた
充希
翔希
充希
充希
翔希
翔希
充希
翔希
屋上のフェンスにもたれていた君
頬を撫でる風が優しくて
自然と明るい気持ちになれた
充希
震えた唇で話し出すと
翔希
翔希
ゆっくりと聞いてくれる君がいた
充希
充希
充希
相槌を打って聞いてくれる君が
太陽の光に照らされて
いつもより少し、瞬いて見えた
充希
充希
充希
充希
震えた声で放った言葉
何度も考えた言葉
太陽が乗り移った みたいに顔が熱い
翔希
翔希
王子様みたいな笑顔
君からの宿題は
素晴らしいほどに 幸せな答えでした
頬が熱くなる
それを、夏のせいにして
君の隣で
ドキドキしても良いですか
雪奈
私、“雪奈”は 背もたれに体を預けて
思いっきり伸びをする
……充希、成功したかな
引っ込み思案だもんな…
意外と泣いて帰ってくるかも?
雪奈
雪奈
今更変な期待を抱く自分に
大層呆れてしまった
あの声
あの行動…
全部恋する女の子、って感じ。
………勝てるわけないじゃん
雪奈
雪奈
雪奈
……バカ。
何言ったって、変わんないのに
私ったら、とことん バカだなぁ…
ねぇ、先生
解けなかったこの気持ちに
模範解答はありますか…?
コメント
504件
最高
さいこうですね
いや、主人公かわよ💗