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【LINE167】マルチ商法に勧誘してくる中学時代の同級生「凄く稼げるビジネスがあるの！」

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【LINE167】マルチ商法に勧誘してくる中学時代の同級生「凄く稼げるビジネスがあるの！」

第1話 - 【LINE167】マルチ商法に勧誘してくる中学時代の同級生「凄く稼げるビジネスがあるの！」

19

2022年11月20日

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アキ

ハル、久しぶり！

ハル

もしかしてアキ？久しぶりだね……

アキ

久しぶり～

アキ

この前のゴールデンウイークでハルを見かけてさ

アキ

相変らず地味なのは変わってないね～

ハル

そ、そうかな？

アキ

だって中学時代から変わってないもん

アキ

それどころか、年齢重ねて劣化してるんじゃない？

ハル

そんな事ないよ、私は私でしっかりしてるし

ハル

それに講義とバイトで忙しいからさ

アキ

何それ？大学へ行っていない私への嫌味？

アキ

普通大学行ったら垢抜けるものだと思うけど

ハル

そんな事ないよ。元々私そこまでおしゃれに興味ないし

アキ

そんなんだからいつまでも地味なんだよ

アキ

そんなんじゃ、男にも相手して貰えないぞ？

ハル

別にいいよ、今その事に興味ないし

アキ

強がっちゃって～

アキ

それじゃいつまでも結婚できないよ

アキ

そんなハルに朗報です！

ハル

朗報？

アキ

男にモテない地味なハルに、朗報があるの

アキ

ね、ハルってビジネスに興味ない？

アキ

化粧品関係のビジネスなんだけど～

ハル

い、いきなり何？ビジネス？

アキ

そうそう、凄く稼げて、おまけに綺麗にもなれるよ

ハル

綺麗になれる？

アキ

そうそう。簡単に言うと化粧品を購入して売るビジネスよ

アキ

私は今、これで稼いでるの。自分にも使えるしね

アキ

紹介すればお金貰えるのよ、ね、ハルもやらない？

ハル

え？なんかそれって怪しくない？

ハル

ほら、最近そういうの流行ってるじゃん……

アキ

何？ハルのくせに私に意見するの？

アキ

私はハルと違って馬鹿じゃないから、しっかり稼いでるよ

アキ

そんなんだからいつまでも底辺なんだよ～

ハル

いや、別に底辺かどうかなんて関係ないじゃん

ハル

ただ、そうやって購入して紹介するって……

アキ

別に危険じゃないよ！現に私稼げてるし！

アキ

せっかく私がその幸せをおすそ分けしようと思っていたのに！

アキ

やっぱり中学時代から変わってないんだね

ハル

いや、高校の授業でもそういうの習ったからさ

ハル

それともアキは習ってないの？

アキ

うるさい！とにかくいい話なんだから

アキ

私が紹介するものを購入してよ！

アキ

それかセミナーに来て！

ハル

はい？セミナー？

アキ

私もそこで選ばれてビジネスをするようになったのよ

アキ

で、誰か新しい人を紹介してくれって言われたの

ハル

でも、なんでそれが私？別に仲がいい訳でもないよね？

ハル

私とアキってさ

アキ

そうだけどさ、同級生でしょ！

アキ

この私が特別に紹介するって言ってるのよ

アキ

少しは感謝してよ

ハル

私、別に化粧品に興味ある訳じゃないし

アキ

だから、そんなんだからいつまでもモテないんだって！

アキ

モテない地味なハルのために私が化粧品紹介するし、

アキ

おまけに稼げるビジネスを紹介するって言ってるのよ！

アキ

だから話だけでも聞いてよ！

ハル

そんなんで聞く人がいると思う……？

アキ

もういい、分かった。話聞いてくれないなら、

アキ

この前のゴールデンウイークで撮った

アキ

ハルが髪ボサボサのすっぴん普段着でコンビニに行く写真、

アキ

同窓会の時に見せるからね！

ハル

ち、ちょっと、それは……

アキ

嫌なら今週の土日、セミナーへ来てね！

アキ

来なかったらさっき言った通りだから！

ハル

わ、分かったよ……

アキ

良かった。じゃあ今週の土曜日ね

アキ

場所は中学近くの公民館だから！

土曜日

アキ

ちょっとハル！何で途中で帰るのよ！

アキ

せっかく化粧品と売れる方法を教えてあげるのに！

アキ

これじゃ、私の面目丸つぶれじゃない！

ハル

ごめんアキ、やっぱり私にはできないよ

ハル

説明聞く限り、あれってマルチ商法じゃん

ハル

購入して家族や親戚、友達に紹介するって……

アキ

だから、そういうビジネスなのよ！

アキ

別に犯罪行為じゃないし！

アキ

しかもそういう紹介だって事前に言っていたよね？

ハル

でも、やり方は完全にマルチじゃん。私にはそんな事できないよ

ハル

しかも、化粧品ノリ本5万って高すぎでしょ……

ハル

しかもそれを毎度購入って……

アキ

儲かるビジネスってのはそういうものなのよ！

アキ

最初はある程度の初期投資がかかるものなの！

アキ

ビジネスってのはそういうものなのよ！

アキ

もういい、恥かかされた事、今度の同窓会で言いふらしてやる！

アキ

あの写真も見せるからね！覚悟しておいて！

ハル

アキも、もうこんな事やめた方がいいよ

ハル

きっと続かないと思うから……

アキ

もういいよ、ブロックするからね！

数ヶ月後

シュン

ハルさん、久しぶり。元気か？

ハル

もしかしてタロウ君？久しぶりだね

ハル

高校の卒業式以来？

シュン

ああ、そうだな。高校の時以来だな

シュン

実はさ、この前中学の同窓会があったんだけど、知らない？

シュン

ハルさんだけ来てないなって思ってさ

ハル

ああ、私は別に呼ばれてないよ

ハル

同窓会がある事はヒメから聞いていたけど

シュン

そうだったか。そのヒメさんなんだけどさ、

シュン

ハルさん、アキさんから何か勧誘されてないか？

シュン

実は化粧品のビジネスで勧誘されたって話を聞いてね

ハル

あ、そういえば……

ハル

この前、強引にセミナーに連れて行かれたの

ハル

行かなきゃ撮った写真を皆に見せるって言われて

シュン

ああ、ハルさんの普段着姿のやつか

シュン

俺を含めてみんなドン引きしてたよ

シュン

あれ普通に盗撮だし、精神年齢が成長してなさ過ぎて

ハル

見せた事は知っていたけど、本当中学時代から変わらないよね

ハル

悪い意味で

シュン

そうだな。それに今回の事を聞いたのは、

シュン

俺がその化粧品ビジネスについて調べてるからなんだ

ハル

調べてる？そりゃまたどうして……

シュン

実はな、あのビジネスとやらがマルチなのは間違いないんだけど、

シュン

問題はそれだけじゃないんだ。化粧品本体にもあるんだよ

ハル

化粧品に関する問題？

シュン

ああ、それはな……

3ヶ月後

アキ

ちょっとハル！助けて！

アキ

LINE見たらすぐ返信して！

ハル

急に何よ？いきなり

アキ

助けて欲しいの！今私、ネットで散々叩かれてるの！

ハル

え？どういう事？

アキ

私が売った化粧品、表示されていない成分が入ってるとかで

アキ

売った人から次々と被害報告が来て、それで叩かれてるの！

アキ

おまけに返品と金返せって連絡が来てて、もう限界なの！

ハル

いやいや、それはそうなるでしょ

ハル

アキ、その化粧品がどういうものかちゃんと理解して紹介してる？

ハル

表示にない成分が出てるって、本当にそれ正規のものなの？

アキ

だ、だって！セミナーであの人が間違いないって言うから！

アキ

安全だと思うでしょ！

ハル

いやいや、ちゃんと調べてからせめて売りなよ

ハル

だから後々そんな事になるんだって

アキ

うるさい！売れればそれでいいのよ！

アキ

あの人だってそう言ってるんだから！

ハル

やっぱり、あの時セミナーから帰って正解だったわ

ハル

私も下手したら肌に異常が出ていたり、巻き込まれりしていたし

アキ

あんたがあの時ちゃんと買っていてくれれば！

アキ

私の点数稼ぎができたのに！

ハル

普通あの態度で行くと思う？

ハル

私を散々馬鹿にしてさ、化粧品に興味ないって言ってるのに

ハル

挙句私の普段着の写真を見せるとかって脅してね

アキ

それは、素直についてこないあんたが悪いんでしょ！

アキ

だから今回の事もあんたのせいなんだから、責任取ってよね！

ハル

いや、私の取る責任って何？今の話のどこにその要素があるの？

ハル

全部アキが自分でやった事じゃん

アキ

ねえ、今返品された化粧品、全て買ってくれない？

アキ

このままじゃ私、赤字になっちゃう！

ハル

え？どういう事？

アキ

私、実は借金して買ってるの……

アキ

この化粧品をね。他の人に紹介するために

ハル

それは無理。私そんなにお金ないし

ハル

それに、何が入ってるか分からないものを買う訳ないじゃん

アキ

そんな！私を助けると思ってさ！

アキ

私たち友達でしょ？

ハル

いやいや、あなたとは単なる同級生だよね

ハル

一度も友達だなんて言われた事ないんだけど

ハル

まあ、私も友達だなんて思ってないけど

アキ

人でなし！薄情にも程があるよ！

ハル

いやいや、よく分からないものを周囲に進める人に言われたくないよ

ハル

つまり、あなたは周囲の人を金づるとしか思ってないって事だよね？

ハル

現に馬鹿にしている私に勧めてくるしさ

アキ

だ、だってお金を手に入れるためには綺麗事なんて言ってられないでしょ

アキ

化粧品だって手に入るし！いいこと尽くしじゃん

ハル

いや、全然いい事尽くしじゃないんだけど

ハル

現にアキだって困ってる訳でしょ？いい事なんてないじゃん

アキ

うっ……

ハル

それにさ、

ハル

アキ、それ普通に警察案件だよ

アキ

へ？

ハル

私の時は事前に説明していたけど、

ハル

別の人に紹介する時には勧誘である事を隠していたらしいね？

アキ

はあ？それの何がいけないのよ！

アキ

そのくらいでなんか問題があるの？

ハル

あのね、勧誘目的である事を告げずに勧誘した場合、

ハル

それは犯罪行為になるの

アキ

はあ？私がやったって証拠でもあるの？

ハル

あるよ。シュン君から聞いてるし

アキ

何でシュン君が出てくるのよ？

ハル

シュン君、警察官になったんだって

ハル

それで前から聞いていたヒメの勧誘について調べていたんだって

ハル

そしたら、勧誘だと知らされずに勧誘されたって話があったと

ハル

シュン君から聞かされたわ

アキ

嘘でしょ？あのガリガリのシュン君が……

ハル

シュン君、高校時代から鍛えてムキムキになったよ

ハル

中学時代しか知らないアキにとっては意外だろうけど

アキ

私、逮捕されちゃうの……

ハル

多分されるだろうね。化粧品の成分表示だって問題になるだろうし

ハル

場合によってはさらに罪が重くなるかもね

アキ

ねえお願い、助けてよ！

アキ

今までの事は謝るからさ！お願い！

ハル

それも無理。私の時みたいにせめてきちんと教えてくれれば

ハル

まだマシだっただろうにね

アキ

そんな！同級生を見捨てるの！

ハル

これでまだ仲がよかったら少しは考えたかもね

ハル

でも、別に仲良くないし、私を利用しようとしたし

ハル

そんな人を助けようなんて気は毛頭起こらない

アキ

酷い！中学時代の同級生を見捨てるなんて！

アキ

ハルがそこまで薄情だとは思わなかった！

ハル

だって、そもそも私にはどうする事もできないよ

ハル

既に証拠は掴んであるってシュン君言っていたし

アキ

そうだ！シュン君と親しいんでしょ！

アキ

シュン君に見逃してくれるように言ってよ！

ハル

それも無理。仮に言ったとしてもシュン君は見逃さないよ

ハル

シュン君、正義感強いから。高校までの付き合いで知ってるし

ハル

大人しく罪を償う事だね

アキ

そんな……助けてよ……

アキ

私このビジネスをするために借金までしてるのに……

ハル

もしかして、借金までしてるからあんない必死だったの？

ハル

バカにしてる私にまで勧誘してくるって

アキ

そうよ！毎回5万なんて普通に考えて払えるわけないじゃない！

アキ

借金でもしないと回らないよ！

ハル

いやいや、その時点でおかしいって事にまず気づこうよ

ハル

そもそも仕事をするのに購入が必要っておかしいでしょ

アキ

だって軌道に乗ればすぐ元手が取れるって言われたんだもん！

ハル

あのさ、そもそもの話、

ハル

そう簡単に稼げるなら、人に教えたいなんて思う？

アキ

それはそうだけど…

アキ

で、でも…

アキ

信頼できる人から教えてもらったし

アキ

まさかこんなことになるなんて…

ハル

皆に真似されたらその分市場価値って下がるんだよ

アキ

確かにそうだけど…

ハル

そうでしょ？

ハル

こんなこと

ハル

ちょっと考えたらわかるでしょ？

アキ

ぐっ…

ハル

それなのに気づかず

ハル

こんなことを続けてるなんて…

ハル

ちょっと考えが足りないわね

アキ

それは…

アキ

おっしゃる通りかもだけど…

ハル

そうでしょ？

アキ

そんなに分かってるなら…

アキ

私がどうやったこの状況から

アキ

抜け出せるのか

アキ

考えてよ！

ハル

もう大人しく

ハル

自分で出頭するしかないんじゃない？

アキ

出頭するなんて…

ハル

仕方ないわよ…

ハル

悪いことをしたのは受け入れないと…

アキ

いやよ！

ハル

え…？

アキ

私は悪いことなんてしてない…

アキ

ただいい商品を

アキ

ちょっと高い値段で

アキ

売ってあげてるだけじゃない…

ハル

いい商品って…

ハル

とてもじゃないけど…

ハル

そんな良い商品には見えなかったわよ？

ハル

話を聞いたときに

アキ

いい商品よ！

ハル

だから…

ハル

何を根拠にそんなことを…

アキ

だって…

アキ

映像でたくさん出てきたもの！

ハル

出てきたって

ハル

何が…？

アキ

あの商品を使って

アキ

肌が綺麗になったり

アキ

健康になった人が！

ハル

いやいや…

ハル

そんなの本当か分からないでしょ…？

アキ

本当に決まってるでしょ！

アキ

ちゃんとその映像に出てた人にあったけど

アキ

すごい肌綺麗だったもの！

ハル

いやいや…

ハル

なんでそれだけで信じられるのよ…

ハル

そんなの本当かわからないでしょ？

アキ

どういう意味よ！

アキ

本当じゃないって！

アキ

ちゃんと肌綺麗だったわよ！

アキ

触って確かめたもん！

ハル

いやだから…

ハル

本当にその商品を使って綺麗になったのかって

ハル

そういう話よ…

アキ

それは…

ハル

もしかしたら

ハル

元々綺麗で

ハル

ちょっとその商品を顔につけた

ハル

それだけのことかもしれないでしょ？

アキ

確かに…

アキ

それはあるかもしれないけど…

ハル

ダイエットの広告とかも

ハル

全然違うっていうわよ？

アキ

そうなの…？

ハル

同じ人で

ハル

編集で削ってるなんて

ハル

よくある話よ？

アキ

へ？

アキ

そ、そうなの…？

アキ

そんなこと…

アキ

できるの…？

ハル

できるわよ？

ハル

編集で色々と

アキ

そんな…

ハル

色々と物事を知らなくて

ハル

可哀想ね…

アキ

じゃあ…

アキ

私が見た映像とかは…

ハル

どうせ偽物よ

ハル

そんなの

アキ

そんな…

アキ

じゃあ騙されてたっていうの…？

ハル

そうなんじゃない？

アキ

そんな…

アキ

良い商品だと思って…

アキ

お金まで払って

アキ

ここまでしたっていうのに…

ハル

なんとも言えないわね…

ハル

可哀想すぎて…

ハル

まぁ、自業自得だけど…

アキ

私のせいなんかじゃ…

アキ

だって案内してくれた人も

アキ

昔からの知り合いだし…

ハル

誰なのよ？

ハル

そもそもあなたにその商品を案内したのは

ハル

そんなに昔からの知り合いが

ハル

騙してくるなんて信じられないけど

アキ

中学の時の先輩よ…？

アキ

部活の

ハル

そんなに仲がよかったの？

ハル

信頼できるほど

アキ

そんなに仲がよかったかというと…

アキ

そこまでではないかもだけど…

ハル

毎年定期的に会ってたとか？

アキ

そこまでじゃないけど…

ハル

え？

ハル

どれぐらい会ってたのよ？

アキ

全然…

アキ

連絡きたのも10年ぶりぐらいだし…

ハル

は？

ハル

そんな久しぶりなのに

ハル

信頼できるですって？

アキ

そうよ…？

ハル

どういう神経してるのよ…

ハル

そんな人をすぐ信じちゃうなんて…

ハル

信じられないわよ…

アキ

なんでよ！

アキ

だって昔の知り合いだし…

アキ

中学の時は

アキ

私に優しくしてくれたもん

ハル

人間なんて

ハル

しばらく会ってなかったら

ハル

変わるものよ？

ハル

そんなこともわからないのね？

アキ

うっ…

アキ

それは…

アキ

あなたが人を信じてないだけで…

アキ

間違ってるのはあなたじゃないの…？

ハル

今の自分の状況を見て

ハル

よくそんなことが言えるわね？

アキ

それは…

ハル

人を信じた結果が

ハル

借金を抱えさせられて

ハル

捕まるかもしれない

ハル

その状況を生んでるんでしょ？

アキ

そうだけど…

アキ

でも私は間違ってないもん！

アキ

間違ってるのはあなたの方よ！

ハル

あー

ハル

はいはい

ハル

そうですか

ハル

ならもう勝手にしなさい？

アキ

何よそれ…

アキ

なんでそんなに冷たいことが言えるのよ

ハル

もう私の範疇を超えてるのよ

アキ

そんな…

アキ

じゃあ…

アキ

シュン君なら…

ハル

え

ハル

迷惑だと思うからやめた方がいいと思うけど…

アキ

もうあなたなんかに頼らないわ！

アキ

自分でなんとかするわよ！

数十分後

アキ

シュン君！

シュン

え

シュン

アキ？

アキ

そうよ！

アキ

同窓会ぶりね？

シュン

そうだね…

シュン

何か用かな？

シュン

仕事中だし

シュン

今君と話すわけには…

アキ

何よそれ…

アキ

なんで私と話せないって言うのよ！

シュン

それは…

シュン

ハルから聞いてない…？

シュン

君の事件の話…

アキ

聞いてるわよ！

アキ

なんか色々私がやってることを

アキ

調べてるって…

シュン

そうだよ？

シュン

色々と

シュン

君だけでなく

シュン

君が所属している組織についても

シュン

調査を進めてるんだよ

アキ

何よそれ…

アキ

そんなこと…

アキ

同窓会の時に言ってくれなかったじゃない！

アキ

私が…

アキ

借金をしてまで活動してるって言うのに…！

シュン

いや…

シュン

それは…

シュン

そんなことを言えるわけがないよね？

シュン

捜査上の情報なんて…

シュン

容疑者に言えるわけないだろ？

アキ

容疑者って…

アキ

何よそれ！

アキ

なんでそんな呼び方するのよ！

シュン

いや…

シュン

別に好きで呼んでいるわけではなく…

シュン

致し方ないというか…

アキ

何よ…

アキ

本当は呼びたくないとでも言うの？

シュン

そりゃそうでしょ？

シュン

同級生のことを

シュン

容疑者として扱うなんて

シュン

そんなこと

シュン

可能であればしたくない

アキ

またそんな嘘ついて…

アキ

どうせそんなこと思ってないんでしょ？

アキ

私のこと

アキ

犯罪者って

アキ

見下してるんでしょ？

シュン

いや…

シュン

そんなこと思ってないよ…

シュン

心苦しいよ…

シュン

俺だって…

アキ

じゃあ…

アキ

助けなさいよ！

アキ

この現状から

アキ

どうやったら抜け出せるのかを…

アキ

教えてよ！

シュン

それは…

シュン

言えることと…

シュン

言えないことがあるというか…

アキ

ほら！

アキ

やっぱり助ける気なんてないんじゃない！

アキ

嘘つき！

シュン

そんな嘘つきなんて…

アキ

じゃあどうしたらいいのか教えなさいよ！

シュン

とりあえず

シュン

言えることとしては

シュン

その組織から

シュン

抜けた方がいいんじゃない？

シュン

まずはそこからだと思うけどね…

アキ

そんなことを言われても…

アキ

今さら抜け出すなんて…

アキ

借金もしてるし

アキ

今さら抜け出すなんて…

シュン

借金なんて…

シュン

なんとかなるだろ？

シュン

色々話を聞いてると

シュン

利子とか

シュン

取り立ての期限とか

シュン

かなり悪どい方法のようだけど…

アキ

そんなことを言われても…

アキ

わからないわよ…

アキ

人に言われるがままに

アキ

契約とかしてるんだから…

シュン

なんだよそれ…

シュン

そんな自分で助かる気が無いような人

シュン

こっち側にもどうしようもないに

シュン

決まってるだろ？

アキ

そんな冷たいこと…

アキ

言わないでよ…

アキ

なんとかしてよ…

アキ

頼むわよ…

シュン

無理だね

シュン

自分で助かる気がないような人

アキ

そんな…

シュン

逆に何か

シュン

捜査に協力してくれたり

シュン

警察に対して

シュン

何かメリットがあるようなことを提供してくれたら

シュン

話は少し違うかもね？

アキ

え…

アキ

本当に⁉︎

アキ

そしたら…

アキ

何か提供できるのなら…

アキ

助けてくれるって言うのね…！

シュン

まぁ…

シュン

そうだね…

シュン

何か考えておいてくれ…

アキ

わかったわよ…

〜翌日〜

アキ

ちょっとハル！

アキ

あなたが言ったこと

アキ

間違ってたわよ！

アキ

どうよ！

ハル

え…？

ハル

何急に…？

ハル

私が言ったこと？

ハル

なんの話よ？

アキ

何とぼけてるのよー

アキ

あなたが言ってたんでしょー？

ハル

え…

ハル

何を…？

アキ

私がシュンくんに相談しても

アキ

迷惑になるって

アキ

何も相談に乗ってくれないって！

ハル

ええ…

ハル

確かに

ハル

そう言ったけど…

ハル

それがどうかしたの？

アキ

相談したら

アキ

シュン君言ってわよ！

アキ

助けてくれるって！

ハル

え？

ハル

本当に？

ハル

立場的に難しいと思ったのに…

アキ

それがそんなことなかったのよ！

アキ

やっぱり地味な女とは

アキ

違った扱いをしてもらえるのよ！

アキ

私は！

ハル

そこはあんまり関係ない様な気がするけど…

アキ

それが関係あるのよ！

アキ

あなたと！

アキ

私の違い！

アキ

わかる？

ハル

そうなのね…

ハル

まぁ…

ハル

私としては

ハル

別にそこまで関心がないから

ハル

どうなろうがいいんだけど…

アキ

何よ！

アキ

悔しいんでしょ！

アキ

自分が間違っているってなって

ハル

はぁ…

ハル

ちなみに

ハル

シュン君は

ハル

なんて言ってたの？

ハル

助けてくれるって

アキ

あら？

アキ

気になるの？

アキ

やっぱり悔しいでしょ？

アキ

自分の間違いを認めるのが

ハル

はいはい…

ハル

わかったから…

アキ

私がね

アキ

捜査において

アキ

有益な情報を提供したら

アキ

私の罪を許してくれるかもって！

ハル

え？

アキ

助けてくれるかもって！

ハル

ドラマとかで

ハル

そういう取引を刑事が持ちかけるって話

ハル

見たことあるけど

ハル

現実でもそんなこと

ハル

あるのね

アキ

そうなのよ！

アキ

私がイケてるからね！

ハル

まぁ…

ハル

そうなのかもね…

アキ

そうに決まってるわよ！

ハル

それで…

ハル

何かあるの？

アキ

ん？

アキ

何かって

アキ

何よ

ハル

いやだから

ハル

提供できるほどの

ハル

有益な情報を

ハル

あなたは持ってるのかって

ハル

そういう話よ？

アキ

そんなの…

アキ

持ってるに決まってるでしょ？

ハル

そうなのね

ハル

それは良かったわ

ハル

で

ハル

どんな内容なの？

アキ

えーっと…

アキ

私がよく

アキ

セミナーに参加している場所とか…？

ハル

え

ハル

そんなの

ハル

向こうは把握してるんじゃないの？

アキ

え？

アキ

本当に…？

アキ

そんな…

アキ

私そんな大した情報持ってないのに…

ハル

え

ハル

じゃあ無理なんじゃない？

ハル

何か考慮してもらうなんて…

ハル

その程度の情報なら…

アキ

それなら…

アキ

映像で出てくる女性の方の

アキ

名前と住所はどうよ！

アキ

これは貴重な情報なんじゃないの⁉︎

ハル

ええ…

ハル

その人って

ハル

別に重要人物とかじゃないでしょ？

ハル

映像に出てくる

ハル

ただのエキストラみたいな人じゃ…？

アキ

そんな…

アキ

私この人に騙された様なものなのに…

アキ

なんの罪もない人なの…？

ハル

そうなんじゃない？

ハル

そんな人

ハル

ただその場で雇われただけの人でしょ？

アキ

そんなこと…

ハル

なんの情報も持ってないだろうし

ハル

警察側も

ハル

特に要求しないでしょ？

ハル

そんな人の情報

アキ

くそ…！

アキ

じゃ

アキ

じゃあ…

アキ

代表の住所！

アキ

これはどうよ！

ハル

あなたがそんな情報

ハル

知ってるの？

ハル

ただの一般メンバーなのに…

アキ

知ってるわよ？

アキ

だってお呼ばれしたもん

アキ

代表が住んでる

アキ

高級タワマンに

アキ

すごかったなー

ハル

それが本当なら

ハル

かなり重要な情報ね…

ハル

それこそ

ハル

直接逮捕に繋がったりしそうだもの

アキ

そうでしょ！

アキ

これなら流石に…

ハル

でもさ

アキ

何？

アキ

また何かケチつける気？

ハル

いや…

ハル

ケチつけるというか…

アキ

何よ！

アキ

はっきりと言いなさいよ！

ハル

本当に自宅なの？

アキ

は？

アキ

どういうことよ

アキ

ちゃんと自宅だって言ってたわよ？

アキ

結構使ってる様子だったし

ハル

でもさ

ハル

タワーマンションって

ハル

ゲストルームみたいなのあるじゃない？

アキ

え…

アキ

そうなの…？

アキ

そんな部屋があるんだ…

ハル

ええ

ハル

だからそんな部屋なんじゃない？

ハル

あんまり自宅に自分の仕事関係の人を

ハル

呼ばないかなと思って

アキ

それは…

ハル

ちゃんと寝室とか

ハル

お風呂とかあった？

ハル

部屋が広い1部屋とかじゃなかった？

アキ

えっと…

アキ

大きい１部屋で…

アキ

特に部屋は離れてなかったかな…？

ハル

あぁ…

ハル

なら違うかもしれないわね…

アキ

そ、そんな…

アキ

そうしたら私…

アキ

そんな提供できるような情報

アキ

特に持ってないかも…

ハル

そうなのね…

ハル

でも私はどうしようもないわね…

アキ

そんな…

アキ

ちょっと一緒に考えてよ…

ハル

知らないわよ

ハル

自分でなんとかしてね

アキ

待って…

ハル

ああ、私これからバイトだわ。だからもうLINEブロックするね

ハル

それじゃ、二度と連絡する事はないと思うけど、じゃあね

アキ

ちょっとハル！待ってよ！

アキ

助けてよ！

後日談

ハル

その後、アキは間もなくして逮捕されたそうです。

ハル

アキが所属していたセミナーの人々も、詐欺グループとして

ハル

私は現在、バイトと大学の講義で忙しい日々を送っていますが、

ハル

シュン君とはあれ以来、度々会うようになり、とても仲良くなりました

ハル

彼と一緒に忙しい反面充実した日々を送っています。