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ショーロット

国王陛下ガルツ

表をあげよ

ショーロット

スッ(姿勢を正す)

部屋の中には、国王陛下の重臣たちが勢揃いしていた

コンラード公爵

陛下、本当にやるのですか?

国王陛下ガルツ

ガルツでよい。ここは公開の場ではないからな。

ユーラスの父ゲノン

おいおいガルツ、こんな5歳の女のコには無理難題すぎるだろ

国王陛下ガルツ

よいのだ、なぁヒューズ

コンラード公爵

あぁ、うちの娘は神童だ。

ショーロット

…?

国王陛下ガルツ

突然呼び出してすまない、ヒューズから君は異端児だと聞いてね。

国王陛下ガルツ

そしてこの度、我が息子と婚約した。

国王陛下ガルツ

将来この国を渡す君の実力を知りたくてな。

ショーロット

(異端児…?随分な物言いですね国王陛下)

イフリートの父イルーズ

国王陛下からの質問だ。正直に応えろ

ショーロット

(は…?なんやその言い方…)

国王陛下ガルツ

そうトゲトゲするな。

国王陛下ガルツ

で、君に質問だ。

ショーロット

はい…

国王陛下ガルツ

この国は、いい国だと思うか?

ショーロット

…はい?

国王陛下ガルツ

率直に、この国は君の目から見て、民から貴族、全ての国民が納得の行く国造りが進められているか?と聞いているんだ

ショーロット

…(いきなりなんや…?)

イフリートの父イルーズ

コンラード公爵

…ニコ

ユーラスの父ゲノン

?????ニカーッ

ショーロット

(驚いてない?事前に知らされていたという事か。)

ショーロット

(これってもしかして、)

ショーロット

(未来の正妃に相応しいかどうか、試されてる?)

国王陛下ガルツ

スッ(見据えてくる)

ショーロット

(なるほど…)

ショーロット

正直に言って、

ショーロット

この国はあまりいい国とは思えませんわ

イフリートの父イルーズ

な…ッ

国王陛下ガルツ

ふむ…

コンラード公爵

…はぁ…

ユーラスの父ゲノン

??????

イフリートの父イルーズ

この国、いや国王陛下を侮辱する気か…!

ショーロット

(そりゃ怒るわな。自分たちの国が卑下に言われたんやから。)

ショーロット

ですが正直に応えろと言ったのは貴方様では?

イフリートの父イルーズ

…ぐ、ッ

国王陛下ガルツ

それはいったいどういう事か、説明してくれないか?

ショーロット

はい、この国は王都や外交路線付近などは非常に盛んに見えますが…

ショーロット

地方の農民や、身元のない浮浪者が沢山おります。

ショーロット

それに辺境領地の〇〇子爵家が、最近没落した事はご存知でしょう。

国王陛下ガルツ

あぁ財難だと報告を受けた

ショーロット

あそこの領地は新たに我が領地に取り込まれましたが、

ショーロット

さらに酷い地域がありますわ。

国王陛下ガルツ

シーカー村か…

ショーロット

そうですわ

イフリートの父イルーズ

酷いとは言っても、あそこは罪人の監獄とも言っていい所だ。

イフリートの父イルーズ

環境が酷かろうが罪を起こした者には天罰が下る。

イフリートの父イルーズ

それだけの話であろう。

ショーロット

シーカー村は、建国当時に隠蔽された、通称地獄の村

魔力のない平民の罪人や、罰を受けて魔力を失った貴族の罪人が送り込まれる

あの村は非常に高い魔力で造られた壁があり、

魔力のない者は一度入ったら抜け出す事ができない

そして、

国を造る上で生まれた国政の闇を捨てるいい場所でもある。

どういう事かと言うと、

例えば、知っては行けない事を知られた、反対派閥にいるから消したい

都合の悪い裁判だったり、

そういった人達の魔力を奪い、あの村に閉じ込めておけば

誰も気づかない

とても都合のいい村である。

その村は、

領主はいないし、土地をまとめられるまともな人間もいない

噂によると、空気も汚く、

臭いもキツいし視界が悪い

空気が汚すぎて、太陽が見えないだとか。

臭いがキツいのは、

人が野垂れ死んだり

人殺しが起きたり、

不衛生な村の最悪な環境臭だったり。

あの村には決まりがない

極悪人だっている

つまり、犯罪が起き放題

畑も荒れて、魔物を退治する兵も送られない。

食べ物がない

住む所がない

乙女ゲームでよくありがちなアレだ。

こんな残酷な村の存在を、

初代王が隠蔽したのだ。

下級貴族や平民たちはこの村の存在を、しらない。

国はこの村の事を、未だに放置している

解放したら色々と面倒だからだろう

でも…

ショーロット

確かにあそこは罪人達の溜まり場です。

ショーロット

でも、その子孫達に罪はあるでしょうか?

ショーロット

貴族の陰謀に巻き込まれた人達、またその子孫に、罪はあるでしょうか?

イフリートの父イルーズ

…っ

ショーロット

何もせずただ生まれてきた真っ当な人間が、人間以下の生活を強いられるのはいかがなものかと思います。

国王陛下ガルツ

…では、そなたならその問題をどう解決する?

ショーロット

そうですね…

ショーロット

いきなり壁を壊す…というのは絶対にやってはいけません。

国王陛下ガルツ

謀反が起きるな

ショーロット

そうですわ。

ショーロット

なので、

ショーロット

あの村に、賢い人を作るのです

イフリートの父イルーズ

…それは一体どういうこと事だ?

ショーロット

あの村に、改革を起こすのですわ

コンラード公爵

改革…?

ショーロット

えぇ、正当なまとめ役を選んで、あの村の住人が納得するような村改革をするのですわ

国王陛下ガルツ

ふむ、なかなか面白い案だ

国王陛下ガルツ

してその賢い人物とは具体的に誰がよいのだ?

ショーロット

元から村にいた人物の方が何かと作業が捗るかと。

国王陛下ガルツ

村にいた者を…?!

国王陛下ガルツ

それは難しくないか?

ショーロット

…村に賢い人がいる可能性は大変低いですわ。

ショーロット

だって、賢い人があの村に送り込まれるようなヘマをするはずありませんもの。

国王陛下ガルツ

では誰を…?

ショーロット

国王陛下の許可さえあれば、私が参りますわ。

コンラード公爵

はっ?!

ユーラスの父ゲノン

え?

イフリートの父イルーズ

子供が戯れを言うんじゃない

国王陛下ガルツ

ショーロット

そこに住み込むとは言いませんわ

ショーロット

あそこまでなら、私の体力なら、走って1時間ぐらい──

ユーラスの父ゲノン

待て待て待て、

ユーラスの父ゲノン

それは、10時間の間違いだよな?

ショーロット

いえ、至ってまともに答えた結果ですわ

国王陛下ガルツ

というか、何故シーカー村の場所を知っている?

ショーロット

王宮図書館の本を読みましたわ

国王陛下ガルツ

…そうだった、君には許可を出していたんだった

ショーロット

私は、体力と剣術と知識には自信がありますわ

ショーロット

一人でも行き来できます。

国王陛下ガルツ

しかし…いくらなんでも5歳の少女をあの村に行かせるわけには…

ショーロット

私を普通の少女と思わない方がよろしいかと。

ユーラスの父ゲノン

もうこんなに言うなら行かせればよくないか?

コンラード公爵

ダメだ!

ショーロット

ビクッ

コンラード公爵

たった一人の愛娘を、政治の道具に使うなど許可できん!!!

ショーロット

…お父様、

ショーロット

私は、どちらにせよ政治の道具ですわ。

ショーロット

ルイジェルド殿下との婚約を結んだのも、それが理由でしたわよね?

コンラード公爵

だが…あの村は本当に危険なんだ

ショーロット

だから、それを改善しに行くのですわ

コンラード公爵

…っ

国王陛下ガルツ

君は己の強さに自信があるようだな

ショーロット

まぁ、そうですわね

国王陛下ガルツ

では、今度ユネールの森にてモンスターを討伐するがよい

ショーロット

はい?

コンラード公爵

な…っ

国王陛下ガルツ

それに、国の禁書の閲覧も許可する

国王陛下ガルツ

それで君の属性である闇魔法の使用方法も覚えるがいい

国王陛下ガルツ

君の剣術、知識、体力は家臣達からの話と、今の論を聞いてこの国王が認めよう。

国王陛下ガルツ

そして魔力も完璧になったら、文句なしであろう。

国王陛下ガルツ

魔法は護身にも、攻撃にも大きな助けになる。

国王陛下ガルツ

これを身につければ危険に晒されるのは激減するであろう。なぁヒューズ?

コンラード公爵

…わかった。

コンラード公爵

ちょうどこちらもユネールの森へ行かせる許可を出す所だった。

コンラード公爵

魔法の訓練をするのは認めよう。

コンラード公爵

だが、シーカー村に行く事は反対だ。

コンラード公爵

それでも、行きたいのなら行っていい。

コンラード公爵

そして、その村で村代表を見つけてくるんだ。

ショーロット

…えっ

コンラード公爵

もしそこに賢い人がいなくても、

コンラード公爵

ショーロット、お前が賢くするんだ

コンラード公爵

本の持ち出しも許可する。

コンラード公爵

これだけで、君みたいな神童なら何とか出来るはずだ。

コンラード公爵

ずっとあそこに出入りするのは許可できんが、

コンラード公爵

ある程度まとまりをつけられたら、私の負けと判断して褒美になにかしてやろう。

コンラード公爵

これで、いいかい?

ショーロット

…っ

ショーロット

(こいつ、最初から無理難題を突きつけて諦めさせる気やな…!)

ショーロット

(なら…!)

ショーロット

分かりましたわ。

コンラード公爵

…本当にするのかい?

ショーロット

私は本気です。

ショーロット

これを成し遂げる事を誓いますわ。

コンラード公爵

…はぁ……少しは君が5歳の少女である事を自覚して欲しいよ…

ショーロット

ふふふっ、それはOKという事ですわね!

ショーロット

やりましたわ!

国王陛下ガルツ

よかったな。

イフリートの父イルーズ

異端児だ…

ユーラスの父ゲノン

??????

ショーロット

あ、最後に1つ、よろしいですか?

国王陛下ガルツ

なんだ?

ショーロット

なぜ、このような事を?

国王陛下ガルツ

ふっ、君のような賢い子供ならわかっているんじゃないか?

ショーロット

…私を、この国の発展に利用するために、逃げないようにしてるのですわね

国王陛下ガルツ

!…その通りだ。

ショーロット

ご心配には及びませんわ。

ショーロット

私はこの国からも、己に課せられた任務からも、絶対に逃げませんので!

スタスタスタ(部屋から出ていこうとする)

ショーロット

あ、あとお父様、

コンラード公爵

…うん?(←色々と落ち込んでる人)

ショーロット

私に無理難題を突きつけたこと、後悔してます?

コンラード公爵

そりゃ、もちろん。
引き受けるとはおもわなかった…
後悔してるさ…

ショーロット

…まだ、後悔するのは早いですわよ

ショーロット

私があの村を大変身させてから、もっと後悔してくださいねっ!ニコッ

ガチャッ、バタン

悪役令嬢、綺麗事しか言わないヒロインとバカ王子を逆ざまぁw「処刑なんてごめんあそばせ!」

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