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紫
桃
桃
叱られた子供のような表情を見せてから
桃が再び玄関に向かう
幽霊とはいえ
うら若き男性を一人で外に放り出すわけにもいかない
このワンルームは広くないが
ふわふわと浮かぶ幽霊であれば同居しても圧迫感は抱かないだろう
動物園の臭さだって
恐らくしていない
たぶん
紫
紫
紫
桃
紫
桃
桃
桃
そう言いながらも
伏せられた目は悲しそうだった
俺は少し強引に
桃の意見を突っぱねる
紫
桃
紫
桃
桃
孤独なときは
何を考えてもマイナスの方向に転がる
それも
自分の居場所を奪われて人生に幕が降ろされたばかりの少年だ
落ち込まないわけがない
紫
紫
紫
紫
桃は
桃
と躊躇っていたが
やがて観念したように息を吐く
桃
桃
桃
桃は目尻を下げ
ふにゃりと微笑んでくれた
この先には苦難がいくつも待ち受けているだろう
けれど
この笑顔を間近で見られるなら悪くないかと思った