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花菜

ついて来ないでよー!

私は山本 花菜(やまもとはな)。 高校2年生(17) 私は今、困っている!💦 何に困ってるのかって?

ご主人様~!
待ってくださいよ~!

この憎たらしい後輩にだ!

この子は東雲 湊(しののめみなと)。 私の1コ下の高校1年生(16) ……私の…犬だ。

花菜

ホントにもう、ついて来ないで!!

それは無理ですよ!

だって、俺は花菜先輩の…

犬ですから

そう。

湊くんは私の犬……。

どうしてこうなったかというと……

10年前。

当時、私は、バスケットクラブのマネージャーをしてて、湊くんも、そのバスケットクラブに入ってた。

ある日、その時のリーダーだった寛太(かんた)くんがクラブの人、みんなであるゲームをしたんだ。

寛太

みんな集まれ!!

はい!

花菜

はい!

クラブの子達

はい!

タッタッタッ

寛太

よぉーし!

寛太

みんな集まったなー!

寛太

じゃあ、これからあるゲームをしようと思う!

クラブの子達

おおー!

クラブの子達

イエーイ!

花菜

何だろう?

寛太

ゲームは簡単だ!

寛太

ひとり1回シュートして、入らなかった人が入った人の犬になるっていうゲームだ!

花菜

(私、マネージャーだし、バスケやったことないし、できないよ~

寛太

じゃあ始めるぞ!

ガコンッ

寛太

ぅおし!
入った!!

・ ・ ・

寛太

最後は湊と花菜だな!

宏人

待ってくれ!

寛太

あ?宏人どうした?

宏人

これじゃ、花菜がかわいそうじゃないか?

寛太

え?

宏人

花菜はマネージャーだし、バスケやったことないんだぞ?

花菜

宏人くん……。

私はこの時、宏人(ひろと)くんが好きになった。

寛太

で、でも!

寛太

ゲームはゲームだろ?

宏人

……なら、せめて、湊と花菜でシュートが入らなかった方が、シュートが入った方の犬になる…でよくないか?

当時、けんたくんが苦手だった私には救いのゲームだった。

寛太

ひ、宏人がそういうなら……

花菜

(まだ、マシかな……?

じゃあ次、俺っすね~

ガコンッ

あ、外(はず)しちった

花菜

え?

じゃあ、頑張ってくださいね

花菜

う、うん!

花菜

え、えい!!

ガコンッ

花菜

入った……。

寛太

ってことは、湊が花菜の犬だ!

おめでとうございます

花菜

え、あ、うん?

寛太

期間は5年だな!

花菜

えー?!

花菜

(長すぎ!!

よろしくお願いしますね、ご主人様

そうして、湊くんは私の犬になった。

花菜

(ってか、もう、期間とっくに過ぎてるし!

花菜

あ!

お、今日も宏人先輩見つけたんですか~

花菜

うん!

花菜

宏人だ!

そんな宏人先輩ばっかり見てないで、俺のことも見て欲しいですね~

花菜

今日もかっこいいな~

……むぅ

あ…… じゃあ、俺、ご主人様の恋、手伝いましょうか?

花菜

え?…いいの!?

えぇ、俺、犬ですから。

花菜

……あはは😅

じゃあ、ご主人様は今度の文化祭の午後1:00に校舎裏で待っててくださーい

花菜

う、うん

文化祭、当日

花菜

(メイドか~ 正直、恥ずかしいな~

花菜

お待たせしました、ご主人様~

花菜

(何か私が湊くんになった感じ……

花菜

あ!そろそろ時間だ!

花菜

ごめん!
あと頼んでいい?

クラスの女子

うん!

クラスの女子

了解!

クラスの女子

いってら~!

花菜

よし!行こう!

タッタッタッ

・ ・ ・

花菜

それにしても、にぎやかだな~ あのお店とか楽しそ~!

花菜

(宏人と一緒に行きたいな~

女子

宏人!次、あれ見たい!!

花菜

え?

花菜

(今、宏人って聞こえた気が……

宏人

はいはい、少し落ち着こ?笑

花菜

え?

花菜

(宏人が女子と歩いてる……。

花菜

……宏人…彼女いたんだ…。

花菜

っ!!😭

タッタッタッ

先輩、告白うまくいったかな~

(俺的にはうまくいってほしくねーけど……

タッタッタッ

!?

あれ?!ご主人様?!

ドンッ

ご、ご主人様?

ぎゅ

!?

花菜

湊くん……。

ご主人様……。

なでなで

大丈夫ですよ

花菜

湊くん……!!

花菜

湊くん~😭

よしよし

って、え!?

結局、告白してないんすか?

花菜

うん。

花菜

それ見て、逃げてきちゃったの……。

マジか~

花菜

うん……でも、湊くんの顔見たら、元気出た

花菜

ありがとう

いいえ、何かあったら、いつでも言ってください、ご主人様

花菜

うん

花菜

じゃあね!

タッタッタッ

先輩……。

翌朝

花菜

あー、宏人のこと見たくないなー

おっはようございます、ご主人様~

花菜

おはよう、湊くん

花菜

昨日はごめんねー

いえいえ

花菜

あ……

花菜

(宏人……あと、あの女子もいる…。

花菜

(やだ、見たくない!!

ぎゅ

花菜

え?

タッタッタッ

花菜

だめだよ!電車乗らなきゃ遅刻しちゃ……

……。

花菜

(湊くん何か怒ってる?

花菜

……湊くん?

花菜

遅刻しちゃ…

俺……宏人先輩に彼女がいるって知ってました…。
告白が失敗することも分かってました……。

花菜

え?

俺、花菜先輩の泣き顔が好きで、1回泣かせてみたかったんです。

でも、宏人先輩のことで泣いてる花菜先輩は……

俺のこと以外で泣いてる花菜先輩はキライです!!

花菜

……なに…それ……。

ぎゅ!!

花菜

!?

ねぇ、お願い

俺のものになってよ…。

花菜

……私ずっと騙されてたの?

花菜

……湊くんのバカ!!

花菜

もう、一生ついてこないで!!

タッタッタッ

翌朝

花菜

(湊くんに合うのが嫌で、1コ前の時間の電車に来ちゃった……。

花菜

はぁー

花菜センパイ!

花菜

!?

花菜

み、湊くん!?

花菜

ど、どうしてここに💦

先輩の考えはバレバレなんですよ

1コ前の電車に乗って、俺に会わないように来たんでしょ?

花菜

っ!!

あ、電車がきた

先輩、乗りましょうか。

花菜

やだ!!

花菜

次の電車に乗る!

いいんですか?

次だと、宏人先輩に会っちゃいますけど?

花菜

っ!!

花菜

の、乗る……。

乗りましょう♪

花菜

もう近づかないでよっ!

それはできませんよ?

俺、ご主人様の犬ですから

花菜

…そんなの……とっくに期間、過ぎてるじゃない!!

花菜

期間過ぎたんだから、もうホントに近づかないで!!

花菜

迷惑なの!!

花菜

私はあなたにもう、会いたくない!

花菜

大嫌い!!

…………わ、分かりました。

花菜

え?

もう先輩には近づきません。

じゃ

花菜

っ!

花菜

こ、これでいいのよ……。

翌朝

花菜

……これでいいのよ、これで………寂しいかもだけど……。

宏人

お!花菜!

宏人

奇遇だね!

花菜

え?!

花菜

あ、うん、奇遇……だね。

宏人

あれ?

宏人

まぁ、さすがに湊も、もういないよな

宏人

期間過ぎてるし笑笑

花菜

そ……うだね。

宏人

今だから言える話なんだけどさ、実はあのゲームの時に俺が言った提案考えたの湊なんだよな

花菜

え?

宏人

あいつ「俺が言っても説得力ないから」って俺に頼んでさ

花菜

え?じゃあ、あの時の言葉は湊くんが……

宏人

そうなんだよ

宏人

あの時、寛太、花菜のこと好きだったらしくてさ、

宏人

それを分かってた、湊が「花菜先輩がかわいそうだから」って言って考えたんだ

花菜

そうだったの!?

花菜

(そんな、それなのに……私っ!!

花菜

(湊くんに会いたい……!!!

学校

タッタッタッ

花菜

(湊くん、どこー!?

……。

花菜

あ!いた、湊くん!

!?

ぎゅ

花菜

ちょっと来て!!

タッタッタッ

は、花菜先輩!?

花菜

……ここなら誰もいないね

はぁ、今さら突き放しといて、なんですか?

花菜

あの時……助けてくれたのは湊くんって本当?

!?

……あーそうですよ、俺ですよ

だからって、なんです……

花菜

昨日はごめんなさい!!!
私分かったの!!

せ、先輩!?

花菜

私、湊くんがいなくて寂しくて、ずっと湊くんのこと考えちゃうの!😭

花菜

湊くんがいなくちゃだめなの……!!😭😭

花菜

私、湊くんが好きなの!!😭😭😭

花菜先輩……。

花菜

だから……

花菜

湊くん!

花菜

これからずっと私のそばにいなさい!!

!?

花菜

ご主人様として!

花菜

か、彼女として///

花菜

命令よ!////

っ!!////

はい、ご主人様

ちゅ

花菜

ひゃあ!//

これからもよろしくお願いしますね?

俺のご主人様。

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