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貴方とひとつになれるまで

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貴方とひとつになれるまで

11 - 愛は哀を呼び寄せて

♥

141

2024年08月09日

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翌日

執務室

ツカサ

………

静かな執務室で 書類をチェックしていると、 窓が勢い良く開けられる。

ツカサ

!?

エム

しょーこーさーん!!!

ツカサ

…なんだ、お前か……

何度も聞いた大きな声に 若干呆れながらも、 ソファを目線で指す。

エム

…あれ、ルイくんは?

ツカサ

…ルイは…少し、な

エム

へ?

ソファに座り、 キョロキョロと 周りを見渡している。

ツカサ

……なにか用事があって来たのか?

少しの沈黙のあと、 書類から顔をあげて問うた。

エム

…ルイくんとお話したかったの

ツカサ

…は

ピクリと反応し、 空気が凍った。

エム

えっ……

ツカサ

………ぁ

ツカサ

…悪い、

ハッと我に返り、すぐに謝る。

エム

ううん、大丈夫……

ツカサ

………

気まずさに呑まれ、 書類へと視線を戻した。

エム

…将校さん

ツカサ

…なんだ?

エム

…なんでもない

エムが、執務室の 扉を見つめながら言った。

エム

…あっ

ツカサ

…!

エムから小さく声が漏れた瞬間、 執務室の扉が開かれる。

ルイ

…へ?

ツカサ

……ルイ…!

ルイ

え、あ…、

2人に見つめられ たじろぐルイに、 ツカサが走り寄った。

ツカサ

大丈夫なのか?

ルイ

まぁ…少し痛いですが……

エム

どこか痛いの!?大丈夫!?

ルイ

え、えぇ…

エムとツカサの勢いに押され、 徐々に壁へ追い詰められていく。

ルイ

あ……!

壁にぶつかり、 これ以上後ろへ行けなく なってしまった。

ツカサ

………すまん、驚いたよな

ルイ

…別に、大丈夫…ですけど

ぷい、と視線を逸らし、 そう言った。

エム

…あたし、帰るね

ルイ

……?

ルイ

…今日、元気が……

エム

………ううん、大丈夫だよ

下手くそな笑顔でそう言うと、 ツカサが閉ざされていた口を開く。

ツカサ

……悪かった

エム

…気にしてないから……

お互いに小さくそう言うと、 疑問に思ったルイが2人に問う。

ルイ

なにかあったんですか?

ツカサ

………

ルイ

…エムさんになにしたんですか

ツカサの服を掴み、 グッ、と引っ張った。

エム

あ、ううん!あたしが悪いの

ルイ

でも…

戸惑っていると、 エムが扉の方へ歩き出す。

ルイ

あっ…、

エム

…じゃあ、またね!

そう言うと、勢い良く 部屋から飛び出して行った。

ツカサ

……ルイ

ルイ

…やです

顔を寄せてキスをしようとすると、 胸板を押し返された。

ルイ

………

ツカサ

……

ルイ

…書類取りに来ただけなので

そう言い離れると、 書類を取って部屋を出て行った。

ツカサ

…はぁ……

業務時間終了後

ルイの部屋

ツカサ

ルイ……

ルイ

…なんですか

ツカサ

抱きしめさせてくれ

ルイ

……勝手にどうぞ

ツカサが歩み寄り、 背後からギュッと抱きしめた。

ツカサ

…かわい…、

ルイ

……はぁ…

ため息をついた瞬間、 首筋に鋭い痛みが走った。

ルイ

い゛っ……!?

ツカサ

…は、はっ、……

血が滲み出る傷口に、 チュッ、とキスをした。

ルイ

へ、はっ、ぇ…?

ゾクリと背筋に悪寒が走った。

ツカサ

…ぁ

ルイ

…なに、して……

振り返り、涙目で見つめられる。

ツカサ

オレ、いま、……?

ルイ

…………はぁ、

ルイ

…貴方、今日おかしいですよ

ツカサ

…外、出てくる

そのままツカサは、 部屋を出ていった。

ルイ

………

傷口をそっと撫でると、 首筋は、あつく火照っていた。

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コメント

4

ユーザー

深めの傷があるとそこめっちゃ熱くなるの分かる~、!!最高です!!!

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