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第七話
月狂い
Mr.銀さん
Mr.銀さん
ベネノ
ベネノが入学してから 一ヶ月が経った。
彼はあの日からずっと 個人授業で毒についての研究を しており、その実験で 体に絆創膏やら包帯やらを つけてくることも 珍しくなくなった。
ベネノ
Mr.銀さん
Mr.赤ちゃん
おはよー!と弾んだ声に ベネノの笑みは深くなる。 こんなほっぺがもちもちで可愛らしい 赤子のような外見なのに口から 出ててくるのは歳を重ねた 男性の声なのだから驚きだ。
ベネノ
ベネノ
Mr.銀さん
Mr.赤ちゃん
急いで教科書を開く2人の 焦りっぷりが面白くておかしくて、 口から笑い声が漏れる。
ベネノ
Mr.赤ちゃん
ベネノ
教科書を覗き込む学友に 近寄りながら、 そんな慌てなくていいのになぁ、 と笑いを噛み殺した。
…あれから、一ヶ月。
銀さんが言っていた“力”の 事なんて、もうすっかり彼の頭からは 抜け落ちていた。
帰り道
今日は毒が飛び立ったりして 怪我をする事なく実験を終えられ、 頬につけていたガーゼも取れ、 ベネノはご機嫌で家に帰っていた。
ベネノ
帰りにスーパーで買った シチューの材料が入った袋を 少し揺らしながらウキウキで 帰っていたその時。
???
ベネノ
前から歩いてきた青年が 顔からずっこけた。
慌ててベネノが駆け寄り立ち上るのを 手伝うと、彼と目があった。
ベネノ
深淵を覗いたのかと錯覚するほど 真っ黒な瞳に吸い込まれる気がして、 視線を彼のおでこに移した。
???
ベネノ
???
深々とお辞儀をして 去っていった真っ黒の瞳の 彼をぽかん、と見送ったベネノは 首を傾げながらも帰路についた。
スーパームーンのお月様と とても濃い蜂蜜を混ぜて煮詰めた ような濃いジョンブリアンは 夕焼けを反射して、きらきらと 光り輝いていた。
???
???
???
???
不健康な肌を赤く熱らせた青年は、 ふと首を傾げた。
???
???
???
???
???
???
満月の紋章を背にした彼は、 魔導者の山に向かって 優雅に歩みを進めた。
顔に歪で狂った笑みを 浮かべながら、青年は手に 本を手に取った。