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カウントダウンを始めましょう

1 - カウントダウンを始めましょう

♥

310

2020年05月14日

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放課後、2人きりの屋上。

増田

で?好きなやつって誰なの?

○○

うっ……

いきなり痛い質問。

その理由は一つしかない。

その人は今、目の前にいるんだから。

○○

な、ないしょ

増田

…恋愛相談乗ってほしい
って言ったのはどっちだよ

貴久は、ふっと呆れたように笑って 片手に持っていたペットボトルの水を飲んだ。

幼馴染の貴久。

好きになっちゃいけないような気がしててでもどこかで、いつかは 好きになるんだろうって思ってた。

好きな人に恋愛相談なんて 幼馴染じゃなきゃできてない。

良くも悪くも立ちはだかる壁。

増田

そいつの連絡先とかはある?

○○

一応…

いや、当たり前。

増田

んーじゃあ、とりあえず
メシ誘ってみるところからじゃ
ない?

昨日、 学校の帰りに一緒にカフェ寄ったんですけど…

○○

でも…

増田

LINEでも電話でもいいから。
まぁLINEのほうがいいからさ

仮に私が前者でチャットを送っても 後者でコールを鳴らしても、

目の前にいる貴久のスマホが 震えるのに変わりはない。

○○

じゃあ、帰ってからしてみる

うんうん、と頷く彼。

増田

告白の練習は?

にやにやとからかうように笑うから

○○

完璧だもん

思わず張り合った。

増田

じゃあ、
俺のことそいつだと思って、ん。
言ってみ?

思ってもいなかった展開。

練習どころじゃない。

リハーサルなんか越して、 私からしてみればそれはもう本番なわけで。

○○

あ…えっと……その、

増田

ほら、たった2文字

穴があきそうなほど見つめられて 身体の芯のところから 体温がぐんぐんあがっていくのがわかる。

何も言えない私に貴久は…

増田

…早く言わないと
俺から言っちゃうよ?

この想いはどこかで弾けて 知らぬ間に届いていたらしい。

“好き”が奪われるまであと_________

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