紅無切
…世は物騒だな…
化物
グウウウウウッッ!!
紅無切
…
シャキンッ
肉片が飛び、 辺りに散らばった
紅無切
昔は平和だったんだがな…
結来
余計なことを考えるでない、くなき
紅無切
すまない、ゆき
結来
…
シャアンッ
結来
背中ががら空きだぞ、
紅無切
…すまん
仲間に背中を任せられるのは、 ありがたいことだ
紅無切
…
結来
何をしておる、早くゆくぞ
紅無切
…今行く
この時代は、 情けをかけることすら許されぬ、 冷酷時代
仲間も、 必要以上の会話は無い
化物
ぎゃあああ!!!
結来
…あれらも人だったと考えると、哀れになってくるな…
紅無切
余計な情けは禁じられたはずだぞ
結来
…あぁ、知っておる
紅無切
ゆくぞ、
結来
…参る
シャキンシャキンッ グシャッ
刀の音と共に、 鈍い音が耳に響く
我ら侍は、 足がもげても、腹が裂けても、 腕が折れても、頭が割れても
何を犠牲にしてでも、 あの化物を残さず退治せねばならぬ
いくつ命が枯れようと、 我々は戦い続ける
無情な程に残酷で、 無情な程に冷たいこの世で







