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やっぱ花夜の小説好き、 まじ尊敬するわ いつでも待ってるから戻ってこいよー!!
終わりを告げる。
注意・桃赤
赤side,
彼に似合ってると言われたあのカーディガンも
今はクローゼットの中にホコリまみれになってしまってあるし
はじめて一緒に撮った写真だって
無くしたくないって言ってたくせしてどこかにやってしまった
所詮、子供の恋愛なんてそんなものなんだろう
学生時代から付き合っていた彼とはもう6年もあっていない
結局は大人がする恋愛の予行練習みたいなものでしかないのだ
今では恋人と呼んでもいいのかすら危うい関係だった
長い間会っていないのだから他に女をつくっていてもおかしくない
もうすぐ25歳になる
それなのに結婚の話は全くしていないし、連絡もしていない
結婚して、働いて幸せになりたい
そんな願望とは裏腹に彼を愛する気持ちはとうの昔に冷めきっていた
もう別れて他の人と付き合ったほうがお互いに幸せではないのか?
とすら思えてきた
しかし今は仕事でいっぱいいっぱいだ
新しい相手が見つかるとは思えない
詰んでるってこうゆうことなのかもしれない
このまま桃くんと結婚しても、離婚まっしぐらだ
はぁぁっ、と今日一番の大きなため息をついた
真冬だから、部屋の中なのに白い息が出た
暖房をつけると部屋はかすかに暖かくなっていった
なんでこんなになっちゃったんだろ
学生時代、彼はサッカー部のエースで俺はマネージャーだった
桃
真夏の練習でわすれるとか、バカみたい
実際に彼は、そう友人から煽られていた
桃
赤
そう言いながらも真っ白なタオルを彼に差し出す
サンキュー!と汗をかきながらお礼を言いながら走る姿は、
誰よりもかっこよかった
さっすが俺の好きな人
人前で正直になるのが苦手な俺にとって
桃
塩対応とは最強の奥義だった
桃くんは
そんな俺に告白したのだ
勿論、即OKした
付き合いたての頃はデートしたりペアリング買ったりして楽しかったけど
幼い子供がおもちゃに飽きるように
俺達は仕事を理由にぱったり会わなくなった
そんなある日
1件のメッセージが届いた
いつも通り仕事から帰ってスマホをいじっていたときだった
会社からだと思った
けれど、
そこに表示されてきた名前は
‘’桃くん‘’
だった
「会って話したいことがあるんだけど、予定あいてる日教えて」
別れ話を想像させるような文章だった
仕事のシフトをみて休みを確認する
土曜日が休みだったから、桃くんに伝えた
俺が桃くんの彼女でいるのは金曜日までらしい
別れてもいいとは思っていたものの、実際別れるとなると
不思議な気分になった
ま、いっか。と思いながら
俺はベッドで眠った
そして、あっという間に土曜は来た
今日の夜、桃くんに会うんだ
振られることを分かってるのに、こっちから行くなんて悔しくない?
なんて考え出して
赤
昔の服をあわせながら言った
あのカーディガンの埃をすべて払って
初めてお揃いで買ったネックレスをかけた
‘’可愛い‘’って言われたくて努力してた昔みたいだった
まぁ、あの時とは違って
カーディガンを着ても、ネックレスをつけても頬を赤らめたりなんてしなかったけど
着てく服を決めて
適当にカバンに財布やらスマホやらを突っ込む
夜まではご飯を食べたり本を読んで、いつもとは変わらない時間を過ごした
鏡にうつったおれは、何だか寂しそうだった
そして夜は来た
待ち合わせ場所は橋の上
桃くんが俺に告白した、あの場所
きっと、そんなことも忘れてしまったんでしょ?
赤
この夜が来てほしかったのか、来てほしくなかったのかは分からない
俺を見たとき、少し驚いたように目を見開いた
俺が昔と同じような格好だからだろうか
桃
マフラーを首に巻いた君がそう返す
活発だった性格も落ち着いていた
想像してたよりずっと大人っぽくて少し驚いた
桃
赤
桃
赤
淡々とした会話を続けた
特に話すことも無く、本題に入った
桃
赤
冷たい風が吹いて、手が冷たかった
桃
赤
桃くんの言葉を遮って俺は言った
桃
桃くんの話はやっぱり別れ話で
この瞬間、俺達は恋人じゃなくなった
赤
桃
赤
俺は…桃くんに何を言えばいいのだろう
桃
俺はこの気まずい雰囲気から早く出ていきたい
桃
きっと、もう会うことなんてないでしょう?
赤
姿を見かけても、お互いに声をかけたりなんかしない
俺は桃くんから離れる
一歩、また一歩と
桃
振り返って、小さな声で俺を呼ぶ桃くんに向かって走る
驚く桃くんの唇と自分の唇を重ねる
小さなリップ音がなった
赤
微笑んで、その場から走って離れた
桃くんはその場に固まっていた
その姿がちょっと面白くて
ふふっ、と笑う
信号が赤切り替わり、俺と桃くんの間に何台もの車が通り過ぎた
俺と逆方向にある彼の家
今、桃くんは俺に背中を向けて歩いているだろう
桃くん、あのキスで俺の事忘れないでくれるかな
我ながらずるいなぁ、俺 …
俺は鞄から煙草を取り出す
火を付け、口へ運んだ
息を吐くと白い息がでた
俺と桃くんの関係は、誰にも知られずなくなってしまった
俺達は何年も続けたこの恋を終わらせた
やっと、終わったんだ
赤
終わっちゃったなぁ…
大人っぽい恋愛書きたかったんです!!!!
失敗しました!!