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春の訪れ. StaRt.
藤澤涼架side.
冬、白い息が僕の口から次いで出た
目の前では若井と元貴が二人で談笑している
それだけで、心が黒くなっていく気がする
若井の言葉に笑う、元貴の笑顔
それを見て心がきゅっとなって、つい俯いてしまう
Mtk.
Ryok.
元貴がこっちに近づいてくる
若井と話すのをやめて、心配そうに眉根を寄せて
心配してくれている事実に、嬉しくなる
僕は、絶賛元貴に片想い中だ
でも、元貴の目には若井しか映っていない様に見える
だから、時々思うんだ
元貴が描く世界に、僕はいるのかなって
ーーー
元貴を好きになったのは、一ヶ月前のこと
ミセスの活動は段々と忙しくなり
人気になると同時にアンチも増え、
些細なこともネットニュースに取り上げられたり
そんなことが起こるたびに僕の情緒は段々おかしくなっていったんだ
何か食べれば吐いて
お薬を大量に飲むようになって
そんなことするたびに、僕は自分を責めた
何でこんなことしちゃうんだろう
もう、死にたいって
こんな奴誰も求めないって
死のうとしたけど
怖くて死ねなくて
生きるのも、死ぬのも怖い
そんな時、寄り添ってくれたのは元貴だった
元貴だって忙しいのに
泣きじゃくる僕の傍に黙って背中を摩ってくれた
Ryok.
そう言って、泣きじゃくって、僕は自分の太腿を強く殴る
それを優しく止めて、僕に言葉を投げかけたのも、元貴だった
Mtk.
Mtk.
Mtk.
そう言って微笑む元貴に、いつのまにか目が離せなくなっていた
ーーー
僕を呼ぶ優しい声
歌う時の力強い声
泣くのを耐えている時の強がった声
笑う時の楽しそうな声
寂しい時の甘えた声
試すような不安な声
夜に映える静かな声
怒った時の低い声まで
全部全部大好きなんだ
僕の背中を優しくさすってくれる瞬間が
甘える時に抱きついてくる瞬間が
ギアを切り替える瞬間が
曲を作っている時の雰囲気も
楽しそうに笑って手を叩く時も
髪をよく触っているところも、
全部全部大好きなんだ
僕の世界は、いつでも元貴で輝いてる
元貴の世界は、どうなのかな、?
Mtk.
Ryok.
我に帰ると、元貴が僕のおでこに手を当てていた
さっきからずっとぼーっとしていたらしい
風邪かと疑って、元貴は熱があるか調べているらしかった
Mtk.
Ryok.
Mtk.
Ryok.
Hrt.
何も言えずに黙っていると、若井の声がした
元貴の背中を見つめて、囁くように。
意味がわからない僕は首を傾げる
元貴はその言葉に襟足を少し掻きながら、 「涼ちゃんちょっといい?」 と僕の腕を握った
Mtk.
Hrt.
元貴はそのまま腕を引っ張って、外に出た
外は今にも雪が降り出しそうに寒い
元貴はこっちを振り向いた
Ryok.
Mtk.
元貴は僕の手を掴んだまま、少し震えた声で言った
僕の目を見て、はっきり言った
Mtk.
Ryok.
Mtk.
元貴の目は潤んでいた
声は震えて、顔は林檎みたいに赤かった
その顔が、どうしようもなく好きだった
Ryok.
Mtk.
Ryok.
Ryok.
目の前が歪んで、元貴の顔が上手く見えない
元貴は僕を抱きしめて言った
Mtk.
Ryok.
そう言って抱きしめしながら元貴と笑う
すると肩に、透明の結晶が落ちてきた
世界は、もうすっかり冬だ
でも僕たちの心には
何より暖かい春が訪れていた
fin.
こんにちは
『貴方にその気は無いみたい』♡2000ありがとうございます 感想も嬉しいです、
注意書きなんですけど、 こちら腐無しです ※キス・ハグ以外※ 死ネタとかは、普通にあるので気をつけて
この作品も♡&💬よろしくお願いします
それではまた
コメント
4件
良かったぁぁぁ…無事に恋は実ったんですね😭
やばい、泣けるよ😭本当に両片思いパロも死パロも大好きです!冬から春っていう表現も好きです!
(´;ω;`)ウッ…最高です😭すれ違いだと思っていたのに両片思いだっただなんて😖これから涼ちゃんが辛いときはメンバーとして、恋人として支えていってほしいな…🥲みんなの幸せが続きますように😌