※閲覧注意 深く汲み取りすぎないでください 気分が沈んでいるときに見るのはおすすめしません
最近視界がおかしい。
目の端からじわじわと滲んでいくカビみたいな黒いものが自分の視界を侵食し視覚を潰そうとしているのだろうか。 そう、言うなればこれは毒である。呪いの類いというものだ。
なんでかは分からなかった。 たしかに病気にかかってはいるが、目にまで症状が出てくるなんて聞いたことがない。
父さんなら治せるだろうか。 でも父さんは今ガンだ。 かといって自分に他の病院へ行けるか?信用ならないじゃないか。
神経と血管が切れて、そして、眼球が転げ落ちて、そこから血が垂れて、眼球があった場所は空洞になり、瞳が動き自分を見た。
気がした。
頭を割るようなアナウンスが反響し振動したのを不快に思った。
誰かが生ゴミの入ったゴミ袋に嘔吐したものをそのまま口に流し込まれている気分だ。ドロドロとしたその食べ物は見るからに拗ねて食べられまいとしている。余計なことをされた。
誰かになる夢を見たのか? それはとても悪い夢だった。人間の醜いところを煮詰めて出汁を取ったみたいな、そんな感じ。
実際に肉とか血とか誰かが死ぬところを見てはいないけれど、グロテスクだった。とても不思議な感覚だった。 首を締めつける手をなんとかどかしたあとの息苦しさの中で水を飲めと命令されてヒステリックな叫びを聞いたあと天地がひっくり返って外にいる虫が土足で部屋に入り挙句窓の外に危機感を覚えさせる赤いランプが目に焼きついた。それから……それから。
幻覚、壊れゆく妄想、そして、退廃的な人生。 毒を全て飲み込んで骨まで染みてしまって墓場にそのまま行くしかなくなったんだ。まあ送られた場所は墓場じゃなく人の魔が吐き貯められた場所だったけれど。
プラスチックを噛んだ。本当に生ゴミを食べているみたいだ。
それがなんだと言うんだ。本当に滅茶苦茶だ。
視界がグラグラと揺れた。 両足で地面に立つだなんて信じられない。先程まで座っていたからか立って歩こうとすると上手く目が見えなくなった。脳が働いてないみたいだ。
太陽が眩しかった。あと水も飲みたかった。周りが高い建物だらけだと慣れなくて不安になる。
暗めの色合いで統一された図書館で何かの本を探していた。好きな作家だったかもしれないし、本の題名だけ聞いて気になった本かもしれないし、あるいは何か得体の知れないものを探していたのかもしれない。
時間切れの直前を引き伸ばされた空間であらゆる本を虱潰しに眺めて、結局見つからずに夢は覚めた。時間切れにはならなかったけど実質時間切れである。
夢から覚めたあと、見ていた夢の内容を断片的にしか思い出せないのに、思い出せていない部分にまるで世界の真理が詰まっているかのような気がしてどうしても思い出したくなる。 普通に生活していてもふとしたときにそんな感覚に陥って起きたまま夢を見る。頭の中で物語を思い描いているのに正気に戻ればそれはまたいつもの日常である。
風が熱を帯びて自分の体に当たってくる。それが心地よくて立ったまま離れることが出来ないのだ。
夢の内容はいつも主人公が自分であって自分ではない。世界のどこかにいる人に成り代わっている可能性もある。それは考えたことがなかったけれど。
トンネルを歩いた。トンネルは暗くて明かりがないと進めないみたいだった。
不快な水の音が天井から落ちてきて自分の横を掠めた。水の周りの空気が冷たかった。
トンネルは出口がないと成立しないんじゃない?
はるか前から届く光が見えて出口に行こうとしたけれどいくら歩いても距離は変わらなかった。歩いているように感じているだけで実際は歩いてないのか?
誰も使わなそうなトンネルに奇妙な人が歩いていたらさぞかし面白いのかもしれない。
トンネルなんて歩いたことないけど。
夢だった。
夢だった?
いつ夢を見ていた?
毎日同じことを繰り返していたら記憶力が薄れた。
数日前のことがまるで一ヶ月前のことみたいだった。昨日は何を食べたんだっけ?それはどんな味がした?本当に確証が持てるの?
自分が食べている姿を思い出して、使っていた食器はなんだったか、どんな温かさだったか。 同じような食べ物で同じ皿と箸を使っているものだから記憶が混雑してしまう。あれは何日前のことだったの?
変われるきっかけがあったならきっと
何があっても変わろうとはしないでしょう?全て机上の空論なんだよ。
寝て、現実逃避しよう。
コメント
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頭が混乱してる時ってこんな感じだよなってめっっちゃおもった。
私は正気です リスペクト?したゲームがバレたら怖いなって思います